音楽
梶原岳人 3rdミニアルバム「人生のライフ」インタビュー

理想のバンド活動への第1歩! 今の梶原岳人さんの想いが詰め込まれた3rdミニアルバム「人生のライフ」インタビュー

声優・アーティストとして活動中の梶原岳人さんの3rd ミニアルバム「人生のライフ」が2023年10月25日(水)に発売!

本アルバムは、聴く人の心を明るく照らし、背中を押してくれるような、ポジティブな楽曲で構成されています。また、Galileo Galileiの尾崎雄貴さん、TRIPLANEの江畑兵衛さん、あたらよのひとみさんといった豪華なメンバーが楽曲を提供していることも話題を集めています。

今回は、アルバム発売を記念し、梶原さんへインタビューを実施! 「人生のライフ」というタイトルの誕生秘話、提供楽曲の印象、レコーディングでの裏話、梶原さんの楽曲制作の過程などをたっぷりと伺いました。

また、11月25日(土)開催の「人生のライブ 〜今年もみんなが祝ってくれると聞いて〜」と2024年1月28日(日)開催の「人生のライブ 〜アニソンもやるらしいよ〜」に向けての抱負や、今後の音楽活動の方向性についても語っていただきました。

聴いている人にもポジティブな気持ちになってもらいたい

ーー約1年ぶりのアルバムとなる「人生のライフ」は、どのようなイメージから生まれましたか?

梶原岳人さん(以下、梶原):今回は全体的にポジティブなイメージで作ろうと最初から話していました。今までの曲はどちらかと言えば内側に語りかけて、過去を振り返ることが多かったので、僕自身のマインドも「もっと明るくいたいな、楽しく過ごしたいな」という思いがありました。

曲としても明るいイメージが湧きやすいもので、聴いている人にもそういう気持ちになってもらいたいな、そういう感覚で聞いてほしいなというのを大きなテーマに作り始めました。

ーーでは、今回はポジティブな梶原さんがたっぷりなんですね?

梶原:ポジティブになろうと頑張っています(笑)。ポジティブになれないことも多いですが、曲もネガティブになってしまうと自分も(負の感情のループから)抜け出せないので、最近は意識して前向きでいようとしています。

ーー「人生のライフ」というタイトルにはどのような意味が込められていますか?

梶原:ライフはライフポイントとかの「ライフ」なんですけど、一見してどういう意味かわかりにくい、よく考えても分からないようなタイトルにしたいなと思い、このタイトルを付けました。

なぜこのタイトルになったかというと、今回のアルバムには入っていませんが、元々「人生のライフ」というタイトルの曲を作っていました。

その曲をバンドでやろうと思っていて、メンバーと「アルバム名、何が良いかな?」と話していた時に、分かりやすいタイトルなど色々出ていましたが、「「人生のライフ」っていうタイトルは二度見しちゃうから俺は好きだけどね」「パッと見なにか分からないところが良いと思った」「とっかかりになるから良いんじゃない?」と言われて。

よくよく考えてみると、自分の人生の時間がどのくらいあるか分からない、ライフを見ることができないし分からないけど、今やりたいこととか、後悔しないように生きたいなと思い、そのタイトルを付けていて。

いつまで続くか分からない、ライフの数が分からない状態だけど、悔いなく、今楽しいと思えることとか、今しかできないことをやりたいなっていう気持ちで、その曲を作っていました。

ーーなぜ「人生のライフ」という曲は入らなかったのでしょうか?

梶原:アルバムタイトルを決める前にその曲を作っていましたが、全体的にポジティブな方向でアルバム曲を揃えたいと思っていました。

その曲のデモの方向性は明るいわけではなかったので、曲を並べた時に1曲だけ浮いてしまう感じがして。「アルバムに入れない方が良いんじゃない?」となりました。

ーーアルバム発表のコメントでは「生きていく人生の儚さとか、年齢を重ねるようになって感じるようになった」と書かれていましたが、考えるようになったきっかけなどはあったんでしょうか?

梶原:だんだんとです。気分は高校生から抜け出せていないなと思いますが、未だにそういう感覚でいたら、もっと若い子たちが出てきていたりすることに気がついたり。

まだまだ僕は若いつもりでいますが、10代とか20代前半の感覚や姿を見ていると、やっぱり違うなと思ったり。どうしても、気持ちや感覚が絶対的に離れている現実を見せられることもありますし。

年末に実家に帰って親の姿を見て、おばあちゃん、おじいちゃんになってきたなとか、やっぱり時間を認識する機会が増えてきました。

人の感覚なので若さと老いは難しいですが、10代の頃のエネルギーとは変わってきた部分がたくさんあります。

見たくはないけど見せられてしまう現実もあって、「あと何回実家に帰れるんだろう」「あと何回この人たちに会えるんだろう」と考えると悲しくなって、「自分の時間をもっと大切に生きないとな」と思い始めてきました。

ーー大人になるにつれて、時間を大切にしようと思いますよね。梶原さんは、自身を投影しながら歌うことはありますか?

梶原:ありますね。性格や感覚、自分にない空想のものを書くのが苦手なタイプで、大体経験してきたこと、自分が思っていることから引っ張ってくることしか出来ないので、音楽でも自分が持っているものを投影していきたいなと思っています。

Galileo Galilei節が効いている「はじめちまったんだ」

ーーここからはアルバムの楽曲をひとつずつ見ていこうと思います。「はじめちまったんだ」の楽曲提供はGalileo Galileiの尾崎雄貴さんですが、どのような経緯でオファーされましたか?

梶原:アルバムのコンセプトをお話しした上で楽曲提供をお願いしました。尾崎さんが書かれる歌がすごく好きなので、「はじめちまったんだ」は、Galileo Galileiの雰囲気を望んでいました。聞いていただくとわかるように、Galileo Galilei節がとても効いています。

ーー爽やかでまっさらな楽曲で、今までにない曲ですね。デモを聴いた際や、歌詞を見た時にどのようなことを感じましたか?

梶原:元々Galileo Galileiの言葉選びが好きで、「こんな風に曲を締めたいな」と思う理想的な言葉選びとメロディのはめ方が、Galileo Galileiは多いので良いなと思っていました。

格好つけた言葉ではないけれど、すごく面白い表現を使いますし、独特な言葉選びの歌詞が良くて、一見すると「どういうことなんだろう?」と思う言葉もよく読めば納得できます。

その人の想像によりますが、僕は普通の人間関係より男女的な関係を連想することが多くて、そういう曲がすごく好きです。

この曲も自分の好きな人との関係とも考えられるし、自分のやりたいことや目標に対してとも考えられて、どっちにも捉えられるなと感じています。青さもありますが、ただ素直なだけじゃない、複雑な気持ちも読み取れてすごく良いですよね。

ーー何度も聴くと、違う物語としても楽しめますし。

梶原:「どういう意味だろう?」と考えたくなりますよね。

ーーレコーディングはどのように進められましたか?

梶原:割と今までのレコーディングは苦戦せず、感覚が結構違ってもすんなりできるタイプでしたが、「はじめちまったんだ」は結構難しかったです。

自分が思い描いていた、聴いてきたGalileo Galileiのイメージ、「尾崎さんはこういう歌い方だよな」というイメージがありすぎたが故の難しさがありました。

自分らしく歌いたいし、イメージとやりたいことのギャップが上手くいかなくて苦戦しました。

ーーイメージとやりたいことのギャップとは?

梶原:尾崎さんを含めてリモートでお話しさせてもらい、この曲はどういうイメージで歌うのかを話しました。そこで、この曲の主人公は、完全に開き直っていて「はじめちまったんだから始めるしかないし、後ろ向きではなく当然進んでいく」というお話を伺いました。

デモで尾崎さんは軽々と歌っていましたが、キーが高くて、自分が出せる音と頭の中で出したい音のギャップがあって。すごくのびのびと歌うのを目指して、“開き直る”という意味で引っかかりなく歌いたかったのですが、出したい音と自分から出る音の違いがありました。

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