YOASOBIのボーカルikuraとしても活躍するシンガーソングライター幾田りらさんとTVやCMで話題沸騰の“あのちゃん”ことあのさんが主演声優に!アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』インタビュー
第66回小学館漫画賞、第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞など多数の受賞を果たした浅野いにお先生の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下、デデデデ)』がついにアニメ化!
地球外からの侵略者が飛来した世界で、主人公の小山門出や友達の中川凰蘭が日常生活を営みながらも、徐々にサスペンス的な様相が見えてくる不思議かつ奇妙なストーリーは、アニメは一体どのような描かれ方をするのでしょうか。
そして読者のみなさんも気になっていたであろう小山門出と中川凰蘭の声優がとうとう発表されました。小山門出役にYOASOBIのボーカルikuraとしても活躍する、シンガーソングライター幾田りらさん、中川凰蘭役にTV番組や楽曲も話題のあのさんが担当することに!
本稿では、『デデデデ』のアニメで声優にチャレンジしたお二人からお話を伺った模様をお届けします。
浅野先生が言った「思うままに」演じること
——今回のお話が決まった時の心境をお聞かせください。
あのさん(以下、あの):嬉しかったです。多くの人に愛されている作品で、ぼくも好きな世界観だったので、作品の世界に入って中川凰蘭ちゃんを演じるのは、プレッシャーもありつつとても楽しみでした。
幾田りらさん(以下、幾田):私も本当に嬉しかったです。あのちゃんが言う通り、沢山の人に愛されて8年の長期連載を遂げた作品なので、門出役を演じるという緊張感も持ちながら、この世界を門出として生きられるように頑張ろうと思っていました。
——独特な世界観を持っている作品ですよね。原作をお読みになってどういう感想を持ちましたか?
あの:漫画ならではの世界観で、いち読者として楽しんでいたんですけど、平凡な生活の中に非日常的な出来事が起こっていて、自分たちの生活の中でも気づいていないだけでこういうことが起きているかもしれないなと思いました。明日何が起こるかは誰にも分からないし、今もどんどん世界は変化していて、そのリアルで、残酷な感じを可愛いほのぼのとした絵で淡々と描いているのが心にズシッと来ました。
幾田:空飛ぶ円盤が東京にやってきて、世界が大きく変わっているのに、そこで生きている人たちの日常は変わらずに続いていて、主人公たちは何気ない日常を過ごしているというギャップ。遠いことのように思えるけれど、身近なところで大きな事が起きているという設定に惹かれました。
——おふたりの普段のご活動とはまた違った、アフレコのお仕事ですが、いかがでしたか? 苦労したことや、ディレクション等はありましたか?
あの:ディレクションは特にありませんでした。浅野いにおさんが「あのちゃんが思うままにやって」と言ってくれたので、アフレコ初挑戦だったんですけど、やりやすかったですね。
でも凰蘭ちゃんは早口で、ぼくの普段の生活からは考えられないスピードなんです。そこは結構難しかったです。早口だし、難しい言葉を沢山使うから、流暢にセリフを言ったり、テンポ感に苦戦しました。やっていくうちにクセになって楽しくできました。
幾田:私も浅野さんに初めてお会いした時に「幾田さんが門出だと思ってやってくれたものが門出になると思うから」と仰ってくれて、作り込まずにやってみようと。
門出は何か話すことにひとつフィルターを掛けている子だなと感じていました。家族や友達など色々な関係性の中で生きていて、言葉で表現しない部分に彼女の気持ちがあるなと思いながら読んでいたので、その部分を表現するのが大変でした。彼女の心のなかには別の気持ちが隠れているんだろうなと考えながらアフレコしていました。
——幾田さんがアフレコをした際に、楽しかったことはありましたか?
幾田:声の演技のお仕事をさせていただくこと自体が楽しかったです。歌とは全く違って、誰かの人生を、誰かになって生きること、自分じゃない誰かを演じることが新鮮でした。
——あのさんはいかがでしたか?
あの:めっちゃ楽しかったですね。幾田さんが仰るように、自分じゃない誰か、しかも門出と凰蘭というどこか憎めなくて愛おしいキャラクターとして、物語の中に入っていく。凄く良い経験になりました、本当にありがとうございます!って感じです。この作品に関われた経験は、他では味わえないと思うし、替えの利かないものだなと思います。