映画『屋根裏のラジャー』ジャパンプレミア上映前舞台挨拶に寺田心さん、鈴木梨央さんらキャスト陣8名が登壇! 西村義明プロデューサーから語られた、故・高畑勲監督へのメッセージ
スタジオポノック最新作、想像の友だち「イマジナリ」の少年が不思議な冒険へと旅立つファンタジー映画『屋根裏のラジャー』が2023年12月15日(金)より公開されます。
このたび、公開に先駆けて11月16日(木)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、ジャパンプレミアが開催されました。上映前に行われた舞台挨拶では、主人公・ラジャーを演じる寺田心さん、ラジャーを生み出した少女・アマンダ役の鈴木梨央さんに加え、作品を彩った安藤サクラさん、仲里依紗さん、山田孝之さん、イッセー尾形さんらキャスト陣、そしてスタジオポノックプロデューサー・西村義明氏、百瀬義行監督が登壇。
登壇者らは上映を控えた観客の皆さんに、作品や演じるキャラクターの魅力を紹介し、ステージに用意されたキャラクターパネルを参照しながら、好きなキャラクターの発表や作品の名シーンについて言及。
また、舞台挨拶の最後には西村プロデューサーより、故・高畑勲監督との思い出やメッセージが語られました。本稿では、そんな舞台挨拶の様子をレポートいたします。
登壇者
ラジャー役・寺田心さん
アマンダ役・鈴木梨央さん
リジー役・安藤サクラさん
エミリ役・仲里依紗さん
ジンザン役・山田孝之さん
ミスター・ハンティング役・イッセー尾形さん
百瀬義行監督
西村義明プロデューサー
声変わりと戦いながら演じきった寺田さん、キャストそれぞれの作品への思いが語られる
登壇者がステージに上がると、それぞれから劇場に訪れた方々へ挨拶。寺田さんは作品の映像美、手描きならではの暖かみを感じられる作品だったと本作への感想を述べ、変声期中のアフレコに苦戦しながらも、その変わっていく最中である自分の声を作品に残すことができて光栄だと続けました。
スタジオポノックの短編作品『カニーニとカニーノ』にも出演していた鈴木梨央さんは、アマンダを演じるにあたってアマンダの年齢に近い自身の幼少期の出演作品を見直し、役作りに励んだと明かします。
アニメーション映画のアフレコが初となる安藤サクラさんは、オファーを受けた段階から絶対にやりたかったと意気込んでいたらしく、「イマジネーションの力を大切にしていますし、スマホで何でも瞬時に見ることができる時代にイマジナリたちのお話が公開されることにも意味があると思います」と語りました。
涙なしには見ることができない感動作と言われてる本作で、嗚咽混じりに号泣したという仲里依紗さん。「イマジナリ」という概念に馴染みがなかったが、脚本を読み実際の映像を鑑賞するとアニメーションのパワーを感じて涙を流したそう。
登場時の挨拶でも、普段の声とは違う裏声で会場の笑いを誘っていた山田孝之さんは「僕も声変わりで……」と冗談を交えながらも、試写を見終わった瞬間に立ち上がってマネージャーさんに感想を伝えたほど素晴らしい作品だったと魅力をアピールします。
また、「ジンザンは重要なシーンで登場するキャラクターで、鑑賞中に僕の顔を思い出してほしくありません。なので顔を隠しながら話させていただきます」と独特なこだわりを見せ客席からは笑いが起こりました。
イッセー尾形さんは「昔自分にもあった少年時代を思い出しました。この70歳にもなる男が一瞬で少年に戻るんです。この作品は僕とダイレクトに繋がっていて、そんな作品に出させてもらったんだなと思いますね」と、本作に込められたメッセージがどの年代にも響くことを伝えます。
「アニメーションという言葉には”命を吹き込む”という意味合いがある。キャストの皆さんによってキャラクターに声が吹き込まれていく現場に立ち会ってみて、作画からアフレコまで全てが繋がっているからこそ、命が宿っているんだという実感を持ちました」と、百瀬義行監督はキャスト陣を称え感謝を述べます。
キャストに関する話題として西村義明プロデューサーは「声を選ぶ時は様々なことを考えるんですが、結果的に本作のキャラクターとキャストの皆様の顔が非常に似ているんです。百瀬さんのキャラクターをモニターに映しながら声を聞いたんですが、みんな似ていて驚きました。寺田さんに関しては、スタジオに訪れた際に監督から”ラジャーの声がした”と言われたくらいです」と、キャラクターとキャストの相性の良さを熱弁しました。