2023年の総括|青山吉能『みずいろPlace』#84
皆さんこんにちは、元気ですか?
わたしは元気です。
青山吉能です。
先日、年末らしく「目標」の話になりました。ゲ
いつの間にかわたしは、おねがいごとは叶わないタイプに分類されていたので、自然と精神も希望を持たなくなっていきました。
ただ、この職業を続けていると「やりたいことやれてていいね」とよく言っていただきます。
確かに!わたしは日常に希望が溢れかえりすぎてうっかりしていましたが、この凪のような気持ちはたくさんの達成の山の上に成り立っているのです。
いつかそれが、屍とならぬように。
ついついその話の渦中では多くの沈黙を必要としてしまいましたが、昔のわたしのように言霊を信じていいとされるなら、願いをひとつだけ。
本当に、しあわせでいてほしいです。
家族、友人、お仕事先の方々、オタクたち、どうか少しでも楽に楽にゆっくりのんびり長生きしてくださいね。
その長生きのついでにわたしの存在がいるのなら、それはとっても光栄です。
そんな壮大なことを感じ続けたライブツアーが、先日幕を閉じました。
足を運んでくださった皆さん、熊本公演の配信をご覧くださった皆さん、魂の皆さん、ありがとうございました!
青山吉能のツアーなので自分一人で各地を回ってトークやソングを届けるわけですが、最初は果たしてこれは等価交換になるのかと不安の植木鉢に芽がポ、みるみる育って蔦はわたしをぐるぐる取り囲みました。
皆さんからいつもいただいてばかりの楽しそうな声や嬉しそうな顔、心から溢れるワクワクや愛おしさを、上手に想像できずにリハーサルが始まりました。
早めにネタバラシするとそれは杞憂に終わるのですが、まあこのあたりのぐらぐらは皆さんも是非ライブなどをやっていただくと分かると思います。duo、行きますからね。
演奏陣のGt.木原さん・Key.杉さまのプレイも最高で、ライブを重ねるごとに色が足されていくツアーの醍醐味を最前列で味わっていました。
そして今回の「こぼればな(し)」は、本コラムで出てきた言葉群がヒントとして作られていたりなんだりするので、改めてこうやって妥協なく心と向き合ってきて、その結果今日までの未来の自分を救ってあげられて、そこら中を転がりながら書いている過去よぴぴがまた床を身体中で掃除しながら喜んでいるでしょう。
皆さんからの愛とわたしの持つ愛は花束だと思って過ごしてきて、ようやくそれを形にすることができました。みんなが花なんです。ずっとずっと咲いていてください。
来年の新曲もどうぞお楽しみに。また花(任意)が咲く季節になったらお会いしましょう。
2023年の青山吉能
さて2023年を振り返るときがやってきてしまいました。
この総括に取り掛かるのは4回目。例年は各月の振り返りをしているのですが、正直今年はいろ〜〜んな学びがありすぎて、たった3、4行にまとめるなんてして簡単に振り返ってほしくないと思ってしまいました。己に。
事実は残す、感情は消す。
これはわたしが日々台本を読むときに心の中で唱えていることなのですが、このコラムに関してはやっぱり事実も感情も残したい。
この場がそうであり続けてほしいと思っています。
なので今年は逆張りますわ!
オール前説。信じられないくらいお仕事に関係ないことばかりで振り返ってみます。
1月
寒いと、ひとは体温より温かいものを求めます。
ふと入ったデパートの一角にあるラーメン屋で、席跨いで隣に座っていた方が、着丼の途端に「ラーメンツケメンボクイケメンッ」と小さな声でつぶやかれていて、思わず二度見。
漏れ聞こえるお話や大きな荷物からお見受けするに、外国からいらした方。しかし
誰から教わったんでしょう。しっかりと元ネタへのリスペクトもその口ぶりから感じられ、一朝一夕では成り立たないクオリティでした。
味はそこそこでした。
2月
電車に乗ったら、なにかのはずみでAirPodsの片割れが車体とホームの間に落ちて行きました。わたしが乗り込んだのにもかかわらず右耳だけは冷たい石の上にいます。
正直AirPodsとわたしって、移動中の耳の寂しさを埋めあうためだけの関係性だったのですが、いないといないでなにかと不便で、仕事終わりに寄るにはちょっと遠回りでしたがちゃんと救ってやりました。
おかげで右耳のノイキャンを発動するととんでもない量の砂嵐に見舞われます。ある意味ノイズキャンセリングではあるけれど・・・。
3月
ない。
4月
心機一転。使っているカレンダーアプリを、予定ごとに色分けしてみました。
こういうちまちましたことってちょっと苦手で、いや、細かいことにちまちま気を遣っている自分のことが少し苦手だったのですが、いざエイヤとやってみると、オフの日や確定していないスケジュールなどが一目で分かってとても便利です。
色から得られる情報って結構あるんだなと思いながら、今日も黒一色ボールペンひとつで戦ってきます。
5月
目の前の感情への対応や、その先の小さな成功や失敗の積み重ねで日々が過ぎて行った気がします。
特別なことを求めると、案外手には入らないものですね。私にとって、5月というだけでもう心は気にかけまくっているのですから、降ってくるものにもう少し手を伸ばしてみてもよかったなあと思います。
まあこれは12/15の自分が言っている進言ですので気がつく由もないのです。その時々はきっと幸せだったんでしょう!
6月
案外、電球ってなくても生活できませんか?わたしは暗闇で五感がみるみる研ぎ澄まされていくのあの瞬間瞬間にハマって、わざわざ家中の家電の電源を落としたりします。(冷蔵庫以外)
お化け屋敷なんてまさにそれを利用していますもんね。普段なら目もくれないなんの変哲のないドアなんかに目も耳も心も丸ごと持っていかれる。面白いです。
ぐらぐら揺さぶられながらベッドを買ったこともすごく印象に残っています。その話は是非7月上旬の総括で。
7月
春はあけぼの、夏はビール。
美味しい炭酸ランキング(当社比)圧倒的一位だったジンジャーエールをついに追い越したかもしれません。
しかし人生を100年とすると、まだまだレースは序盤。最終順位がどのようになるか確定させられませんが、きっとこのままいくのではないかと予想します。
念の為コーラをいれた三連複で。
8月
京都ってほんまに、ええどすなあ〜(知らない京都弁)
自分から旅行の発案をするなんてこと、今までにあったでしょうか。なんとなくのプランやお店の予約なども自分でやってみて、伴う責任感はあれど、ちゃんと自分も楽しくて、何よりも仲間たちも一緒の気持ちだったことが嬉しかったです。
楽しいという気持ちはプライスレス。
家で適当に過ごしてなにかを食べている方がずっと安上がりでしょうけれど、この足で進まないと見えてこない景色ってたくさんあるんどすえ。
9月
人生で2度目の「外でブルーシートを敷いてお酒を飲む」をしてみました。1度目は21歳目前のお花見、当時のマネージャーさんと。
どうもわたしには潔癖効率厨の一面が棲みついているみたいで、野外で食事なんて不衛生かつ場も安定しないしうるさいしetcの都合であまり前向きではなかったのですが、あんまりの不自由さに、逆に笑けてくる感覚が新鮮でした。
大きい石を持つものが勝つ、これが学びです。
10月
道の上にいると、たまに標語に出会います。学生さんが作ったなにかの啓発ポスターだったり交通安全のものだったり、様々です。
わたしは、見かける標語が字余りも字足らずもない「五・七・五」だとちょっと嬉しくなります。(そうでないといけない決まりはない)
先日移動中に見つけた、
「その命 守ってくれる シートベルト」
確かにその通り、なにも間違いはないのですが、心はぐにゃっとなりました。
11月
「小さい秋、小瓶に捕まえに行きませんか!?」
あんまりにもキラキラとピュアを放つ文字に、面食らってしまいました。加速する出不精にはストレートパンチすぎて、「わっ」しか返せませんでした。な、情けない。
思えば彼女はなにごとにも楽しさを見出す人で、たくさんの目と心があって、そんな彼女と自分とを比べて落ち込むことも多い。
しかしそんなわたしのことすらも楽しんでくれているから、嬉しいのです。
秋よりも少し早足だったわたしたち、またいつか本物の秋を手に入れにいきたいと思って、小瓶は綺麗にとってあります。
12月
ひょんなことからでっかテレビが家に届きました。でっっっっっっというやつです。
青山吉能家では家の中で一番でかいやつが勝ちなので、富名声力この世の全てすら奪われそうなくらい完全にテレビに支配されています。
あまりの情報量に、寿司とピザをマッコリで一気に流し込んでいる気持ちになっています。色も鮮やかで音にも奥行きが合って、用もないのに新しい体験を求めてテレビをつける日々。
ついに録画もできるようになりました!苦節十年。これを、苦節と言うんです。
来年も、一歩一歩二歩二歩
旧Twitterの延長みたいな振り返りになりました。ない、とかあるんだね。
思えばわたしは、思い残すことのないようにやり切ることを念頭にこの一年過ごしてきたと思います。
目の前で起こっていることも、その五感も、いまそこで息をしている自分を大事にできたかな。去年の空っぽは、少しだけ埋まってきています。
とはいえ、このように振り返る際にカレンダーと写真データフォルダしか頼りにならないということが分かったので、来年はきちんと様々なものに記憶の跡を記しておくということを都度やっていきたいと思います。
思い出せないだけで忘れているわけではないので。
最後に、本コラムみずいろPlaceに関する大事なお知らせです。
2024年1月から、月2回の更新から月1回の更新に変更になります。
「更新ペース、無理してないですか?」
今年に入ってから度々、編集の川野さんとコラム担当マネージャーさんに心配のお声をいただいておりました。
それでも「変わらない」ということに執着していたわたしは、大丈夫ですやりたいです、となんとか続けて参りましたが、これからはもっと様々なことに時間を費やして、それをより良い形でコラムに昇華していく、という形を取った方がいいのではないかとじわじわ考えが改まってきました。
青山吉能の文が好き、この言葉はわたしの心の全肯定なので本当に本当に嬉しいです。
来年も床を這いずり回ったりお月様を見上げてみたりしながら、書くことと向き合うことを諦めずに在りたいなと思います。
それでは今年の総括はこの辺りで終わります。
今年も一年大変お世話になりました。来年も、一歩一歩二歩二歩です。
良いお年を〜!
青山吉能
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編集担当:川野優希