子安武人さんが描く新しい世界――「アリドロ レベル3 目覚める新世界-グッドモーニング ニューワールド」レポート|興津和幸さん、広田みのるさんら総勢15名のキャストが、コメディからシリアスまで、さまざまなシーンを熱演
子安武人さん原作・脚本による朗読舞台(LIVE DRAMA)「アリドロ」。笑い・泣き・アクション満載の子安ワールドが豪華声優陣により展開されていく人気作品です。
2023年11月5日(日)に、有楽町朝日ホールにて「アリドロ レベル3 目覚める新世界-グッドモーニング ニューワールド」が開催されました。
2022年4月のLV1、2023年3月のLV2に続く第3作目として、3時間を越える大作となった本ステージをレポートします。
<キャスト>
子安武人(ドロシー役)、興津和幸(アリス役)、高田憂希(ピンキー役)、子安光樹(ジャン役)、秦佐和子(ニーナ役)、新谷良子(フェリエス役)、佐藤ミチル(ライル役)、荻原秀樹(キリーキング役)、園崎未恵(ストゥラ役)、大和田仁美(EL役)、森嶋秀太(ユリウス役)、広田みのる(クン=レイ役)、名塚佳織(グリム役)、稲田徹(ニボンプン役)、田中あいみ(うるる役)、他
<ストーリー>
ある日、正体不明の光が世界に溢れて、それを浴びちゃった人間は皆死んじゃって、生き返っちゃって、でも、生き返ったって言っても、それは死んだ人間が生き返ったってことで、それはつまり、ゾンビみたいなもので、しかも運よく謎の光を浴びずに生き残れた奴も、そのゾンビみたいなのに噛まれるとゾンビになっちゃって、これはもう昔みたゾンビ映画さながらパニックになって、気がついたら、噛んだり噛まれたりで、あっという間に殆どの人間はゾンビになっちゃいました
そんな中、一人のイケメン青年【アリス】が、相棒のまあまあイケメン青年【ドロシー】と、何故か喋るメスの豚【ピンキー】と共に、光の中心地と思われるカンザスシティへと光の謎を解き明かす冒険の旅に出ることになったのです。
LV3のライブドラマは、ハイテンションコメディでスタート!
この日のステージは、フラットから平台まで、高低差のあるところにそれぞれマイクを10本設置。シーンごとにキャストのマイクポジションが入れ替わる演出です。ステージ奥にはスクリーン。スクリーンにはシーンイラストが映し出され、物語を彩ります。
今作ではアリス、ドロシー、ピンキーたちが旅の最終目的地である世界の果てを見下ろす塔へ。道中、願いが叶うという魔呪の石をめぐり、敵や味方を交えて対峙していくというストーリーです。
ライブドラマは、アリス役・興津さんの作品世界を表現する影ナレーションからスタート。ステージにはキリーキング役・荻原さんと、うるる役・田中さんが登場し、物語はハイテンションコメディで進んでいきます。
場面が変わり、アリス、ドロシー、ピンキーのおなじみのドライブシーンへ。旅の始まりを予感させる和やかなシーンを興津さん、子安さん、高田さんが楽しそうに演じ、会場はワクワクムードに。その後、オープニングテーマ「タンブルウィード -Take It Slow- (LV3 remix version)」とともに、オープニング映像が流れました。
総勢15名のキャストによる熱演。終盤は壮絶な必殺技合戦に
ステージでは、キャラクターにちなんだ衣装を身にまとったキャスト陣が熱演。興津さんがコメディシーンをハイテンションで楽しそうに演じたかと思えば、怒りや苦しみを吐露するシーンでは切々と語りかけ、「アリドロ」の世界へ観客を引き込みます。
子安さんは鋭いツッコミ&ゆる~い声色で「が~んば!」と共演者に声をかけ、剛柔自在のお芝居で客席をわかせるシーンも。高田さんは、テンション高めのお芝居でヒロインらしい愛らしさを表現していました。
森嶋さん演じるユリウスの狂気を感じさせる偏愛シーンや、アリスたちと敵対するニボンプン役・稲田さんの迫力あるお芝居で、会場は緊迫した空気に。そんな中、ストゥラ役・園崎さんが醸し出す妖艶なムードや、EL役・大和田さんのキュートな表情が物語に輝きをもたらします。
ジャン役・子安光樹さんと、ニーナ役・秦さんの登場シーンでは、ひたむきさと柔らかさがステージを包み、フェリエス役・新谷さんと、ライル役・佐藤さんが加わると、より明るくなり、軽快なテンポに。
ドロシー役・子安さんと、グリム役・名塚さんによる売店シーンは、ストーリーの鍵を握る重要な場面。シリアスな内容に反し、その掛け合いは漫才そのもの。テンポよく進んでいきます。
そして物語終盤になると、ステージはさらにヒートアップ。ラスボス的存在であるクン=レイ役・広田さんが登場すると、必殺技の応酬が続きます。広田さんの圧倒的な存在感と、それに相対するキャスト陣による必殺技の攻撃合戦に客席も大興奮。キャストのお芝居と観客の没入感が一体となり、会場を熱気で満たしていきます。
ラストはエンディングテーマ「ピンクの豚の小さな夢」とともにエンドクレジットが流れ、観客は心地よい高揚感に包まれながら、壮大なライブドラマはエンディングを迎えました。
“子安哲学”が広がるアフタートーク
上演後、会場は興奮冷めやらぬままアフタートークへ。
ライブドラマでは、絶対的な強さを持つクン=レイの必殺技「ム―ラーダーラ!」にアリスたちが太刀打ちできず、苦戦するストーリーになっていましたが、アフタートークでも「ム―ラーダーラ!」の威力は健在。広田さん、稲田さんを始めとするキャスト陣がクン=レイの必殺技を連呼し、大いに盛り上げます。
アフタートークは子安さんの進行で、キャスト陣がステージの感想やキャラクターについて語っていきます。新谷さんが「作品には子安哲学が詰まっていて、いろんなことをすっ飛ばしてたどり着いても、真のエンディングじゃないかもしれない。だから日々の良いことも嫌なこともちゃんと大事にしていかなくてはいけないなとすごく思いました!」と感想を話すと、子安さんが「ありがとう~! 嬉しい~!」と伝え、観客から大きな拍手が。
興津さんは「長かった~! 重い! これっ!」と台本を投げ捨てるアクションをして、客席を笑わせてから、「ヒントがここ(台本)に詰まってます! 子安武人さんが一生懸命書いて、子安哲学が全て詰まっていますから! 愛の伝道師と台本にも書いてあったから、普通に(愛の伝道師という言葉を)気に入っているんです!」とコメント。
興津さんの言葉を聞いた子安さんが「やめろっ!」とはにかみながら、「面白いと思うから、みなさんもいろいろ考えてみてください。結局、最後に誰が魔呪の石にお願いしたんだろうとか、そういうことを考えてみてくれると嬉しいなと思っています!」と作り手としての思いを伝え、3時間を超えたライブドラマは終幕となりました。
[取材・文]宋 莉淑(ソン・リスク)
「アリドロ」
原作・脚本 子安武人による朗読舞台(LIVE DRAMA)
笑い・泣き・アクション満載の子安ワールドが展開中!
ぜひ"生"の舞台で、子安武人の世界観&豪華声優陣の演技をお楽しみください!
ドラマCD アリドロ
発売日:2023年10月27日
価格:4,950円(税込)
2022年4月30日に開催されたLIVEDRAMA「アリドロ」と同様のストーリーを、別途音声収録したボイスドラマが待望のCD化!
≪出演≫
興津和幸、子安武人、高田憂希、子安光樹
秦佐和子、生天目仁美、佐藤ミチル、荻原秀樹
園崎未恵、寺島拓篤、大空直美、広田みのる
名塚佳織、小野大輔、野澤英義、今瀬将太
赤星真衣子、保田彩乃、土生周平、森田則昭
ドラマCD アリドロ レベル2 誓願の羅針盤
発売日:2023年10月27日
価格:4,950円(税込)
2023年3月26日に開催されたLIVEDRAMA「アリドロ レベル2 誓願の羅針盤【コンパス】」と同様のストーリーを、別途音声収録したボイスドラマが待望のCD化!
≪出演≫
興津和幸、子安武人、高田憂希、子安光樹
秦佐和子、生天目仁美、佐藤ミチル、荻原秀樹
大空直美、園崎未恵、名塚佳織、福山潤
新谷良子、田中あいみ、飛田展男、稲田徹
緑川光、岩澤俊樹、間瀬愛季、早坂萌
保田彩乃、赤星真衣子、今瀬将太、土生周平、森田則昭