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30代から始めるラブコメ・恋愛アニメ生活

30代から始めるラブコメ・恋愛アニメ生活~おじさんはキャラクターたちの恋模様に魂の救いを求めた~

様々なアニメ作品が放送される昨今。その中でも最近良い作品が多いと筆者が感じているのが恋愛ものです。

恋愛ものと一口にいっても、コメディタッチの作品もあれば、主人公が多数の女の子から好意を持たれるハーレムもの、1対1でふたりの恋模様を掘り下げたり、三角関係がこじれてギスギスしたりと、ジャンルとしてひとくくりにするのが憚られる作品群です。

今となっては楽しめているこういった作品たちですが、私は一時期、嫌い過ぎて憎んでさえいました。「あんなのはリア充の道楽」だと。アニメの中の世界と言えど、なんで嫌悪しているリア充たちを好んで見ないといけないのかと。そんなことを考えていました。

しかし、ある時からこの考えは変わっていきました。そんな筆者が恋愛ものやラブコメになぜハマるようになったのか、その理由を掘り下げてみようと思います。

恋愛アニメはなんだかハマれないという方はぜひ参考にしてみてください。

 

リア充という概念には本物と偽物がある……!?

この話題で切っても切り離せないのが“リア充”の話。

“リア充”とは現実の生活(リアル)が充実している人物を指しており、転じて仲の良い異性とイチャイチャしているような人間のことを呼ぶように思います。羨望の眼差しを向けるがあまり「爆発しろ」などと少々物騒なことを言われたりもします。

筆者も例に漏れずリア充を忌み嫌っていたのですが、よくよく考えてみればそんな必要はありませんでした。

生活が充実していることも、仲の良い異性がいることも、全く持って悪いことではないのです。むしろ普通に考えれば推奨されるべきことだと言えるでしょう。誰だって生活が充実している方が良いですし、人間関係はなるべく良好であったほうがいいはずです。

 
しかし、ネットの空間に長くいすぎた影響もあって、“リア充”は自分とかけ離れた世界の存在だと思っていたのです。それに加え、ネットでは「リア充爆発」という言葉も頻繁に見かけることもあり、本気で「リア充は爆発しろ!」なんて考えてもいました。でも「リア充爆発」などの発言を本気の意味で言っている人など極少数なのです。そのことに気づくまでにあまりにも時間がかかり過ぎました。

「リア充は爆発しなくて良い」ということを理解してからは、ラブコメに対する視点も変わっていきました。たとえ物語の中の出来事とはいえ、そんな穏やかで幸福な時間を体感できるので、ハマらずにはいられませんでした。

物語の中のキャラクターが幸せだからといってこちらに不都合は何もないですし、感謝こそすれ怒る謂れはないのですよね。本当に、なんでこんな簡単なことに気が付くまでこれほどの時間を要してしまったのか……。

これを書いていて自分は本当にリア充を忌み嫌っていたのか……!? という疑問が湧き出てきました。この原稿を書く中で編集から「なんでそこまでリア充を忌み嫌っていたのか?」と理由を聞かれたのですが、改めて考えたところ、なぜかいつまでも自分の中で答えが出なかったんです。

ただ世間の流れにのってリア充なら呪ってもいい、怨念をぶつけても構わないのだと勘違いしていたのではないだろうかとも思い始めてしまったくらいです。ですが、そもそも美少女ゲーム好きを自称するような人間が、男女がイチャイチャしている所を見るのが嫌いなはずがないんですよね。

だとすると、リア充という得体の知れない概念に対して憎しみを抱いていた可能性が出てきます。それも世間一般の認識ではなく、自分の中でそういうものだと規定したリア充という概念です。

  
ここで、自分がなぜリア充が嫌いなのか、自分にとってリア充とはどんな存在だったのかを掘り下げてみることに。

すると、とある人物像が思いつきました。それは、端的に言うとハロウィンなどで迷惑行為をしてでも騒いでいるような人たちです。それが真っ先に頭に浮かんできました。そうです、筆者は彼らのような人こそがリア充なのだといつの頃からか思うようになっていたのです。

我ながらあんまりな結論に失笑を禁じえませんが、それは嫌いになるのも当たり前です。騒いで楽しそうな雰囲気は確かにあるものの、他人に迷惑をかけてまで楽しんでいる姿は、筆者は見ていられませんでした。

  
しかしそれは、冷静に考えてみればリア充ではない……。さらに「リアルが充実している」という状態は人によって様々だと思います。さらに言うと異性との付き合いが充実しているからといって、生活が充実しているわけでも決してないでしょう。

といった感じで、結局筆者はリア充ではなく、リア充という概念が独り歩きしていった別の何かが嫌いだったようです。真のリア充への怒りや憎しみは持っていなかったので、少し安心した部分はありました。

それに、アニメの中のキャラクターたちは、友達ではないんだけど妙な親近感を持って見てしまう対象で、そんな人達が幸せになることは喜ばしいことだと思いました。友達が幸せになってくれるのはいいことですよね。つまり、リア充は幸せになってよいのです。

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