平成版アニメ『たのしいムーミン一家』キャスト陣が集結──独特で心躍るムーミンの世界へ! 映画『ムーミンパパの思い出』の魅力を紐解く5つのポイント
世界で広く愛されるキャラクター・ムーミンの長編パペットアニメーション『ムーミンパパの思い出』が、2023年12月29日(金)より新宿バルト9ほか全国公開!
ムーミンが初めて書籍の形で世に出たのは1945年。フィンランドの作家トーベ・ヤンソンにより生み出され、小説、絵本、コミックス(コミックスは末弟ラルス・ヤンソンによる)と様々な形で出版されています。また、1959年にはドイツでTV放送がスタート。以後、パペットやアニメーション作品として世界中で放送され、愛されています。
日本では1969年よりアニメーション、1979年よりパペットアニメーションが放送。その後も幾度となく、新作が放送されてきました。1990年に放送された『楽しいムーミン一家』のメインキャスト陣が、今作の日本語吹き替えキャストとして集結!
<ストーリー>
みなしごホームで育った若いムーミンパパはある日、思い立ってホームを抜け出して冒険に出る。若いムーミンパパは道すがら、発明家のフレドリクソン、ガラクタばかり集めていつもあたふたしているロッドユール(スニフの父親)と出会い、意気投合。
フレドリクソンは新たに完成した「海のオーケストラ号」という船を皆にお披露目する。
船に乗り込んでみると、中には勝手に船に忍び込んだ、気ままなヨクサル(スナフキンの父親)も。竜のエドワードの助けもあって、楽しい仲間たちは大航海へ出発する。
旅先ではミムラの娘やリトルミイと出会ったり、気弱なオバケと交流したり、いたずら好きな王様にプレゼントをもらったり、……ドキドキな大冒険は、まだ始まったばかり!!(公式サイトより)
本稿では劇場公開を記念して、映画『ムーミンパパの思い出』の見どころを5つのポイントに分けてご紹介します。
人気キャラクターの原点が今作に!
映画『ムーミンパパの思い出』には、人気キャラクターたちの父親が登場。ムーミンの父ムーミンパパ、スナフキンの父ヨクサル、スニフの父ロッドユールなど、キャラクターの若き日の冒険が描かれています。
彼らの容姿、性格、話し方、雰囲気といった個性を子どもたちがどのように受け継いだのか。人気キャラクターの原点を探ることができることかもしれません。さらに、ムーミンパパとムーミンママの出会いが描かれているのも見どころです。
『楽しいムーミン一家』のキャストが終結!
今作では日本語吹き替え版キャストとして、平成版アニメ『ムーミン』シリーズ(※1)の人気レギュラー声優(ムーミン:高山みなみ、ムーミンパパ:大塚明夫、ムーミンママ:谷育子、フローレン:かないみか、スニフ:中尾隆聖、スナフキン:子安武人、リトルミイ:佐久間レイ)が再集結。
現在も人気声優として第一線で活躍するキャスト陣の懐かしいあの声がよみがえります。
また、2役以上演じるキャストの役の演じ分けも聴きどころ。もしかしたら、キャストの持ち役以外の声も聴けるかもしれません!
※1『楽しいムーミン一家』シリーズ:1990年から1992年に放送されたアニメ『楽しいムーミン一家』、『楽しいムーミン一家 冒険日記』。
作品を彩る愛らしい映像と壮大な音楽!
映画の面白さの決め手となるのは、ストーリーやキャストだけではありません。今作では、その愛らしい映像と壮大な音楽が物語を大きく彩ります。
パペットアニメーション独特の雰囲気で、柔らかくぬくもりのある質感や親しみやすさを感じる映像。その完成度の高さから、シーンひとつがまるで絵本の1ページのようにも感じます。
そして豊かな音楽。鳥の鳴き声やハチの羽音、花開く音や海の波音など素朴で自然な音と、ダイナミックなオーケストラ音楽が物語を深めています。
愛らしい映像と壮大な音楽は、『ムーミン』作品らしさともいえる牧歌的な雰囲気を醸し出す欠かせない存在。
いたずらやしかけが散りばめられたユーモアに溢れた物語!
『ムーミン』シリーズの魅力の1つにあげられるのが、とっておきのユーモア。
シチュエーションやストーリー展開の中にも盛り込まれていますが、一際目をひかれるのはキャラクターのアクションとセリフではないでしょうか。
作品に登場するキャラクターは飾り気がなく自然体で、その姿はどこか不完全。優しさや良心の中に、時折見せる強引さやいたずらや勘違いといった、たくさんのしかけが散りばめられています。
それは不完全なキャラクターをそのまま肯定するような、人間愛に溢れた作品性からくるもの。
そういったキャラクターのアクションとセリフが、おかしみを生んでいるのかもしれません。今作でも、そのユーモアを存分に楽しむことができます。
明日を迎えるのがちょっと楽しくなる名言たち!
作中に登場するセリフの秀逸さは、ユーモアとともに哲学的な言葉や名言として心に残ります。
秩序を重んじるヘムレンおばさんは「楽しむためには何もせず、やらなきゃいけないことだけをする」と言い聞かせますが、夢想家のムーミンパパは「運命が呼んでいる」、「変化の匂いがする」と冒険の旅へ。
また、発明家のフレドリクソンは「きみはどこから来て、どこへ行くつもりかな?」と問いかけます。
数々の名言を残す今作を鑑賞後、その言葉たちは私たちの心に響いてキラキラした宝物となるでしょう。そして、ちょっとだけ明日を迎えることにワクワクする──映画『ムーミンパパの思い出』はそんな作品です。
[文・宋 莉淑]
作品情報
あらすじ
キャスト
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