『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』最終回放送後インタビュー:古賀葵さん(秋里コノハ役)×阿部敦さん(六田守役)|最後の守のセリフは、もはやプロポーズ!? 収録を終え、おふたりが感じたこととは
若木民喜さん、みつみ美里さん(アクアプラス)、甘露樹さん(アクアプラス)が原作の同人誌『16bitセンセーション』をベースにオリジナル要素を加え、新たな物語にしたTVアニメ『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』。アニメイトタイムズでは、現代と過去が入り交じるSF要素が加わり、生まれ変わった本作について語るインタビュー連載を実施中!
連載最終回は、秋里コノハ役の古賀葵さんと六田守役の阿部敦さんに、『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』後半の振り返りと、最終回について、たっぷり語ってもらいました。
衝撃的だった第8話。人の持つ想像力は作品の大きなテーマ
――振り返りの後編ということで、第7話以降を振り返っていただこうと思います。この作品のテーマが“熱”であることに、第8話まで気づきませんでした。
阿部:だからこそ、モノ作りの作品なんですよね。SFとかいろいろな要素があるんですが、結局はモノ作りっていいよね!っていう作品だった気がします。
――モノ作りをしている人って熱いよね!と思ったし、タイムリープものでもあるので、何度も繰り返し見たいなと思いました。
阿部:こんなに先が読めないと気になるから、一気見したいですよね(笑)。
あの……全然違う話をしていいですか? (台本を見ながら)第7話の台本って水着のキャラクターたちが表紙だったんですよ。「あぁ、水着回とかあるんだ〜」と思って、夏っぽい時期でもくるのかな?と思って台本を読んだら、そんなところは全然なくて、アニメを見たら、1カット水着カットがあって(笑)。申し訳程度の水着回だったんですが、印象に残るのならいいのかなって思いながら見ていました(笑)。
古賀:そうでしたね(笑)。マモルくんもプール行くのかな?面白そうって思ったら、あれ、ないぞ?って。
阿部:ナレーション処理だったからね(笑)。
古賀:「気分転換にみんなでプールに行ったり」っていう。
――でも水着は大胆でしたよね。かおりさんの猫耳帽子も復活していたし。
古賀:かおりさんは衣装も結構派手でしたよね。すごくお姉さんでした。
阿部:変な言い方だけど、自分のプロポーションの良さがわかっているんだろうね。
――ものすごくスタイルが良いんですよね。アルコールソフトの人はみんなおしゃれだと思います。これは偏見かもしれないですけど、女性はオタクの現場でも、皆さんおしゃれなんですよ。
古賀:すごくかわいいですよね! 本当におしゃれ!
――他に気になるシーンはありましたか?
阿部:後半、大人になった冬夜ちゃんが出てきますが、途中で「男って単純な生き物ですね」と言っていたときは(第6話)、そっちに行っちゃうの?って心配になったけど、安心しました(笑)。
古賀:でも、こんなにかわいい子が「お願い!」って言ってくれたら、叶えてあげたくなっちゃいますよね!
阿部:しかもオタクからしたら、同じオタクで自分の趣味を肯定してくれるような存在だからね。僕、ゲーマーだったんですが、昔のゲーセンってほぼほぼ男なんですよ。そこにポンと女の子が入ってきたりすると、その世界が瓦解するんです(笑)。冬夜ちゃんを見て、あの感じをフッと思い出しました。
古賀:(笑)
阿部:でも、第7話からですよね、やっとタイムリープものとして、未来の技術を見て、わぁすごい!みたいな鉄板ネタが出てきたのは。それまで一度もなかったから。
――電池が切れたり、壊れたりして、なかなか絵を見せられなかったですからね。
阿部:そうそう(笑)。で、やっぱり鉄板の展開だから出てきたときのカタルシスが、焦らされた分すごくて! アニメを見ていて、コノハの見せた絵の技術って、当時の人からしたらものすごかったんだろうなって思いました。
古賀:衝撃ですよね。カタカタした線じゃない滑らかな線だし、色もたくさん使えているし。
阿部:僕はスマホがない時期も通ってきているから、iPhoneが出たときですら、画面にタッチするんだ!って驚いてたから。
――iPodで音楽が聴けるだけで驚いていましたね。CDいらないんだ!って。
阿部:なんならiPodって、最初はドットっぽかったですよね。
――第6〜7話で出てきた市ケ谷も面白いキャラクターでした。
阿部:森久保祥太郎さんが、もう暴れるだけ暴れて帰っていったなって感じでした。
古賀:(笑)。あの胡散臭い感じがとっても良かったですよね。
阿部:そうそう(笑)。
――伊藤健太郎さん(てんちょー役)は、声が森久保さんだから「絶対にこいつは悪いやつだ!」と言っていました。
古賀:すぐバレてる(笑)。
阿部:森久保さんと伊藤さんは同年代だから、お話が弾んでいらして、それを聞いているのも楽しかったですし、アフレコを見ていても面白かったです。
――そんな市ケ谷も、真剣にコンシューマー化を目指していたという救いが、第7話ではあって。
古賀:本当はちゃんとやろうと思っていて、熱意もあったんだなと思えて良かったです。
阿部:お金は返さなかったけど、ちゃんと資料は返してくれたしね。
――第8話で、マモルがタイムリープする展開も面白かったですね。
古賀:コノハちゃんだけに発動するものじゃないんだ!と思いました。エコー的に、マモルくんはいいだろうって感じだったんですかね?
阿部:どうだろうね。エコーって未来人か何かなのかな? マモルの名前もゲームのことも知っていたから、未来で『ラスト・ワルツ』や『わたしの大切なもの』を発見して、これは自分たちにないものが詰まっていると思ったんでしょうね。ニワトリが先か卵が先か、何が始まりかはわからないけど、過去のクリエイターとして、その資格があったのかもしれない。
あと第8話だと、「想像力って何だろうな、言われてみると言葉にできないな」って思いました。
――すごく考えさせられましたよね。
古賀:エコー1が、帰ってこないエコー2のことを全然心配しないじゃないですか。それが「怖っ!!」って思って。口調は柔らかいんですが、心がないというか。心配という感情がないのがすごく怖くて。
阿部:マモルくんが2号を見つけたときも、「シンパイって何?」みたいなことを2号が言ってて、それもヤバいなと思って(笑)。
マモルも伝わっていないことがわかって、まぁでも無事ならいいかと思って家に帰るんだけど、その後ろ姿を見て、何かを感じるんですよね。
――目に想像力が出現する感じでしたね。
阿部:そこで一緒に帰って、マモルとやっていた、コスプレをして点数を付けてもらうゲームで、マモルが以前一番高い点数を出した服を着るんですよ。
着ているときも嬉しそうにしながら、きっとまた90点がもらえるんだ、もしかしたら100点をくれるかもしれないって無意識で思っていたかもしれないけど、マモルが0点を出す。すると目が真っ黒になって。あの感情はがっかりだったと思うんですけど、多分あそこでいろいろ獲得していったのかなぁって、個人的に見ていて感じました。
――想像力が何かわかったと、そのあとエコー2が言っていましたからね。
阿部:エコー1はエコー1で、マモルさんはどんなゲームを面白いと思うのかを聞いていたけど、それも一緒に過ごしたから、考えたことだったように思えるんです。それって、他人に無関心だったら生まれないものだし。
なので想像力って、誰かと一緒に何かを作ったり、心配したり、人のことを考えたりしていくと獲得できるものなんじゃないかなっていう気がしました。
そして、わさお(犬)がエコー3でした(笑)。
古賀:わさおがしゃべった!って(笑)。美しい女性の声でしたね(エコー3/CV.儀武ゆう子)。
エコー3って、第1話からいたんですよね。
――エコー2も、何度か出てきていましたよね?
古賀:屋上みたいなところにスク水でいたんですよ(第3話アバン)。
阿部:「よろこびの歌」を歌って笑っていたから、ラスボスかな?と思いました(笑)。
古賀:あれは怖かった!
阿部:あと第5話でコノハがタイムリープするのを見守っていたのもエコー2ですよね。
古賀:第13話まで見てから見返すと、さらに面白いですよね。ちゃんと最初からSFだってわかると思います。
――第8話の収録は古賀さんもいたのですか?
古賀:第8話は、コノハちゃんは寝息だけあったんですよ!
阿部:でもアフレコにはいませんでしたけどね(笑)。エコー1役の田丸篤志さんと、エコー2役の今泉りおなさんと儀武さんに、「どういう作品なんですか?」って聞かれて、「えーっと、俺もよくわからないんだけど…」って言いながら説明をするっていう。
――確かに、第8話で質問されたら、一番答えられないかもしれないですね(笑)。