『葬送のフリーレン』音楽・Evan Call(エバン・コール)さんインタビュー|劇伴の制作秘話はもちろん、編曲を手がけたED曲「Anytime Anywhere」や、お気に入りのシーンについてのお話も!
Evan Callさんの挑戦が詰まった楽曲たち。新曲が続々と流れる2クール目も楽しみにしていてほしい
――『葬送のフリーレン』のマンガやアニメで好きなエピソードをお聞かせください。
Evan Call:フォル爺のエピソードです。フリーレンがヒンメルのことをより深く知ろうと思った人物で、フォル爺が長年愛していた人間の奥さんが亡くなって、顔もまなざしも声も覚えていないと話して。フリーレンは冗談だと思って聞いていたけど、本当なのか冗談だったのかわからない終わり方で。
せつないけど、フリーレンが「フォル爺の記憶も私が未来に連れて行ってあげる」と話したのが素敵だなと思いました。
――これまで多くのアニメ作品の音楽を手掛けられていますが、どういう意識で制作されているのでしょうか?
Evan Call:依頼を受けている作品は、私に合うものが多いと思うので、求められている以上のものを作りたいという気持ちはこの仕事を始めてから今もずっと変わりません。
私は裏方なので、最初に打ち合わせでスタッフさんとお会いしたら、後は自宅でずっと作業しています。そのため、業界の方とお会いする機会が少ないので、評判が良いのかどうかはわかりませんけど(笑)、でもオファーをいただけるのはありがたいことです。
――サントラ盤としてリリースされるということは、他の映像作品のように、アニメの劇伴も尊重され、愛される存在になっている証かなと思います。
Evan Call:そうなっているのなら嬉しいですね。最近おもしろいことがあって、私の母校である大学に今通っている生徒から、音楽を始めたきっかけは私の音楽を聴いたからだと聞かされて、「本当に!?」とビックリしました。
でも日本でもう11年くらい仕事をしているので、彼が子供の時から私の音楽に触れていてもおかしくないかもと。不思議な気分でしたが嬉しかったですね。私の音楽を聴いて、何かを感じたり、音楽に興味を持ったり、始めるきっかけになったのなら音楽家冥利に尽きます。
――最後に、皆さんへメッセージをお願いします。
Evan Call:アニメ『葬送のフリーレン』を見てくださっている皆さん、ありがとうございます。私もこの作品の音楽をすごく気合を入れて作っています。ハンガリーに足を運んだり、初めて使う楽器があったりとたくさんの挑戦もしています。私のルーツもかなり注入されていますし、私にとって大切なサントラになりました。12曲が先行配信中ですが、『葬送のフリーレン』ファンの方はもちろん、オーケストラ好きの方や民族楽器が好きな方にも楽しんでいただけると思います。変わった楽器フリークの方にもたまらないと思います(笑)。よろしければ聴いてみてください。
これから2クール目に入りますが、まだ使われていない曲もたくさんありますので、楽しみにしていただいて、今後もアニメと音楽のマッチングを楽しんでください。
作品情報
あらすじ
千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。
その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。
その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
キャスト
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会