冬アニメ『百妖譜(ひゃくようふ)』東山奈央さん(桃夭役)インタビュー|美食家でサバサバした 「桃夭」と東山さんの類似点は?
『百妖譜』は中国文化の知見が広がるアニメ
――『百妖譜』はさまざまな中国文化を知られるのも特徴と伺いました。
東山:はい。アニメの映像から中国の文化を知ることが多々あります。さらに演出さんが中国文化に詳しい方なので、収録現場でより詳しく説明してくださるんです。
――記憶に残っているお話はありますか?
東山:「息子の干支を折り紙で折る」というシーンがあるのですが、「豚」の形をしていたんです。日本では干支に豚はいませんよね? これは日本で言うところの「猪」のことだったらしいんです。干支が発祥した中国では豚なのに、日本に伝わった時点で、より馴染みのある動物の猪に変わったそうなんです。
アニメのストーリーだけを見ていると気になりませんが、よくよく見ると文化の違いに気づけます。
――おもしろい発見ですね。じっくり見たくなります。
東山:この他にも、似たようなことが多々あります。私は吹き替えのお仕事は多くやってきていませんが、それにともなって、ここまで台本に代案が書いてある台本というのも私は初めてでした。
――代案ですか?
東山:はい。原文を直訳するだけでなく、より日本の視聴者に伝わりやすい言い回しを目指すために、台本に代案がいくつか書いてあるんです。
文化の違いが気になってしまい、肝心なアニメ本編をスッと見られないと困るので、スタッフさんたちは収録ギリギリまで日本の人に伝わりやすいセリフを考えているんです。
――文化の違いで物語が入ってこないのは困ります!
東山:ですよね? 「この違いって面白い」くらいだったらいいと思うのですが、物語が入ってこないくらい気になってしまうとまずいので、そこは翻訳の方が練ってくださっています。
――日本語吹き替え版とはいえ、作業は大変なのですね。
東山:文化でいえばもうひとつ。中国では死者を弔うときに「紙銭」というものを焼くそうです。白く薄い紙で、お金の形をしています。これを焼くと、死者の国にお金が送られて、亡くなられた方が死者の国でも豊かに暮らせる、という願いが込められているそうです。
アニメを見ていると「中国のお葬式はこういう儀式があるんだ」と自然と理解できると思いますが、詳しく調べると「紙銭」って興味深い文化だなって思ったんです。
――知見が広がります!
東山:『百妖譜』の話とは離れてしまいますが、最近はお金の形をした「紙銭」だけでなく、「紙クレジットカード」や「紙クルマ」、「紙スマホ」まであるそうです。これらを燃やすと紙銭と同様に冥界に送られるので、死後の世界が豊かになる、と言われているそうです。
日本でも似たような風習がある場所もあるらしいのですが、中国はメジャーな文化らしいです。文化の違いを知れて、おもしろいなと感じました。
歌手活動のツアーで上海を訪れたときの思い出
――東山さんが好きな中国文化は?
東山:食べ物も服も、好きなものがあります。チャイナドレスは過去に衣装で着させていただいたことがありましたが、実は今回の『百妖譜』の取材でもちょっとだけ似たようなものを着させていただきました。今回の衣装は、チャイナドレスと洋服のいいとこ取りのような感じでした。すごくかわいいんです。
――チャイナドレスの思い出はありますか?
東山:私の歌手活動のツアーで上海に行かせていただいたとき、空き時間に有名な観光地「豫園(よえん)」の観光をしたんです。そのときにチャイナドレスをたくさん扱っているお店の前を通ったのですが、ずっと見ていたいくらいの品揃えでした。
――どのようなお店でしたか?
東山:本場で売られているチャイナドレスは生地がきれいで、デザインや作り込みも素晴らしかったです。芸術的だなあって。短い丈もかわいいけど、長い丈もセクシーでした。色もカラフルで、明るい色から大人っぽい色まで、本当にたくさんの種類のチャイナドレスが揃っていました。もっと時間があれば、じっくり見ていたかったなぁ。
――ツアー中の空き時間だったのが悔やまれますね! そのときの中華料理の思い出は?
東山:スタッフさんたちと一緒に上海蟹を食べさせていただきました。美味しかった……です……けど……。
――けど?
東山:自分でパキパキボキボキとばらしながら食べなきゃいけないので、ちょっと苦手でした。味は美味しいんです! でもばらすのが上手くできなくて(笑)。
このときの様子は過去にブログに書いたので、ご興味のある方は見てください。目の前の上海蟹を食べたいのに食べられず、絶句している写真を掲載しています(笑)。
【東山さんの上海旅行記】
東山奈央オフィシャルブログ
「うぉーうぉーしてきたぜ!【上海】」
https://ameblo.jp/naobouofficial/entry-12800872101.html
――上海蟹はなかなか食べられないので、日本の馴染みのある料理のなかで好きな中華料理は?
東山:それでしたら、麻婆豆腐です! 私、辛いものはちょっと苦手なので、辛くない麻婆豆腐が好きです。たぶん中国の方には「麻婆豆腐じゃねえ!」って怒られてしまいそうですけどね。
一同:(笑)
東山:東山家はみんな麻婆豆腐が大好きなので、よく作ってもらいます。うちの麻婆豆腐は変わっていて、椎茸が入っているんです。珍しいと思いますが、めちゃくちゃ合います。
――それは珍しい!
東山:スライスした椎茸を入れるんです。あとは人参とかピーマン、ネギとか、野菜を入れます。一般的な麻婆豆腐は豆腐とひき肉がメインだと思いますが、我が家の麻婆豆腐は野菜がたくさん入っています。気になった方は、ぜひやってみてください。オススメです。
――最後になりますが、1月から始まる『百妖譜』を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。
東山:桃夭と妖怪たちの交流に、胸を打たれる作品です。オムニバス形式でお話が進む作品で、とても見やすいアニメーションです。ですが、全体を通した謎がちょっとずつ隠されているのもポイントです。「桃夭は過去になにがあったのか?」とか、「姿が見えないキャラクターはどういう人なのか?」とか、謎が散りばめられています。
『百妖譜』は現在進行系で中国の多くの方々に愛されていて、三期まで放送されています。日本での吹替版『百妖譜』はまだ一期のみの予定ですが、日本のみなさんにも楽しんでいただいて、また続きも演じられたらすごく嬉しいなと思います。
まずは2024年1月から始まる一期を見ていただいて、みなさんには作品からいろいろなメッセージを受け取っていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
[文・佐藤ポン]
『百妖譜』作品情報
【第1話・第2話オンライン先行配信《3日間限定》】
2024年1月6日(土)0時~1月8日(月・祝)23時59分
FOD:https://fod.fujitv.co.jp/title/g9v8
TVer:https://tver.jp/episodes/ep7gcfhnou
YouTube【フジテレビ】アニメ公式チャンネル:https://youtu.be/7V6SEPP7vQU
【放送情報】
2024年1月10日(水)より
フジテレビ「B8station」にて毎週水曜25時25分~放送
※初回は25時55分~放送予定
※放送時間は変更となる可能性がございます。
2024年1月11日(木)より
BSフジにて毎週木曜24時30分~放送
※放送時間は変更となる可能性がございます。
2024年1月11日(木)12:00より
各プラットフォームにて順次配信開始
【スタッフ】
原作 裟椤双樹
監督 董易
脚本 春日幽鈴
総演出監督 ソ・ギョンロク
総作画監督 クォン・ウンギョン
美術監督 イ・ボンリョル
音楽 薄彩生
アニメーション制作 絵夢動画
日本語吹き替え版演出 安藤直子
翻訳 本多由枝、林真子、小澤桐
録音・調整 吉本 晋
音響制作 東北新社
日本語吹き替え版制作 フジテレビジョン
【キャスト】
桃夭 東山奈央
磨牙(小坊主) 村瀬歩
柳公子 河西健吾
【キャッチコピー】
これは、百の妖怪と、百の心を知るための旅ー
【イントロダクション】
中国の動画配信サービス「bilibili」で
シリーズ総再生回数4.4億を記録した大ヒット作の日本語吹き替え版がついに地上波初放送!
【あらすじ】
はるか昔の中国。
妖怪専門の医者・桃夭は小坊主・磨牙と旅をしながら、
各地で妖を救っていた。
彼女は手首の金の鈴を響かせ、
患者の心の声を聴きながら治療を行っていく。
そこに垣間見えたのは、
「生きていたい」
「誰かと共にいたい」という
純粋かつ切実な願いだった。
出会いと別れを繰り返しながら
霊医・桃夭は彼らの傷を癒していく。
これは、百の妖怪と、百の心を知るための旅ー
【PV】
『百妖譜』PV https://www.youtube.com/watch?v=vniLzcJaK8w
『百妖譜』15秒CM https://www.youtube.com/watch?v=q1Lr8dZVBGA
【公式サイト・公式X(旧Twitter)】
『百妖譜』公式サイト https://b8station.tv/hyakuyoufu
「B8station」公式サイト https://b8station.tv/
「B8station」公式X(旧Twitter) https://twitter.com/b8station/
(C)bilibili改編自小明太極作家裟椤双樹同名小説『百妖譜』