冬アニメ『月刊モー想科学』連載第2回:タロー役・石井孝英さん|「演じている側もよく分からないくらいドタバタの1話でした」
オリジナルTVアニメ『月刊モー想科学』が、TOKYO MXほかにて2024年1月11日より放送中。本作の舞台は、とある国にある街・モーストシティ。この街にある古びたビルの2Fには、『月刊モー想科学』を発行する小さな出版社が。
『月刊モー想科学』は奇想天外で「も~びっくり!」な事件、科学者でも「も~無理!」なオーバーサイエンスな現象を記事にしている科学雑誌で、スタッフは美人編集長と編集者のタロー・J・鈴木に加え、アシスタントの小学生ジロー・田中と犬のサブローがいるのみ。そんな編集部に、ある日、科学者のゴロー・佐藤が「世界の歴史を塗り替える、ものすごいネタ」を売り込むために訪れたことから、奇想天外な物語が始まる……。
アニメイトタイムズでは、本作メインキャストのインタビュー連載を実施! 第2回は、タロー役・石井孝英さんに1話を振り返ってもらいつつ、今後の見どころについて語っていただきました。
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タローは常にやる気ない人だから、もっとふわっとした感じで
――いよいよ始まった『月刊モー想科学』。1話では、タローが何も分からないまま虎の姿に変身し、大暴れしましたね。
タロー役・石井孝英さん(以下、石井):タローは自発的に動くようなキャラクターじゃなく、1話からさっそくグータラしていて。そんな彼が土岐(隼一)さん演じるゴローなどに振り回されて、挙句の果てには訳も分からないまま虎に変身するという……。演じている側もよく分からないくらいドタバタの1話でした(笑)。
――確かに、ドタバタでしたね(笑)。特に印象に残っているシーンも教えてください。
石井:虎に変身した後のタローは「おぉぉー!」って獣のような叫び声を挙げるじゃないですか。あれ、僕がぜんぶ出しているんです。編集で加工をしていただいているとはいえ、野太い獣のような声を実際のアフレコ収録で出したのは初めてだったので、Bパートのタローが虎に変身して暴れ回っているシーンは印象深いですね。絵に負けないようワイルドに演じました。
――ふだんのタローの声からの切り替えも大変そうです。
石井:そうなんですよ。発声方法もちょっと異なるので大変で。現場では(エドワード・チー役の)杉田智和さんからが「変身して『わおー』て叫ぶ作品、最近はあんまりないから、なかなか大変だと思う」と励ましてくださいました。
――その他、タローを演じるうえでどんなディレクションがありましたか?
石井:アフレコに入る前のテストでは、「主人公だしカッコよくやらなきゃいけない」という意識が強く、結構しっかりめに演じたんです。
そしたら音響監督の納谷(僚介)さんから「主人公だけど、別に主人公らしくカッコよくしなくていいよ。タローは常にやる気ない人だから、もっとふわっとした感じで。気楽にやってください」というディレクションがあって。それからは、脱力した感じで力を入れず、すべてのセリフに息がちょっと入るような感じで演じるよう意識しました。カッコよさを抜きましたね。
――前回メインキャストのみなさんにお話をうかがったときも「主人公だけど主人公感があまりない」とお話されていましたよね。
石井:そうなんです。タローは全く動かないですから(笑)。専業主夫になりたいと言っていますが、彼はきっと専業主夫になっても何もやらないでしょう。そう思えちゃうくらいに脱力感があり、やる気のないキャラクターです。
――とはいえ、見た目は悪くないと思っていて。でも、モテないんですよね。
石井:見た目がよくても、やっぱりエネルギッシュじゃないとモテないと思いますね。声優の仕事をやるようになってから一層そう思うようになりました。やっぱりエネルギッシュに活動されている方々って、すごく魅力的に映るんです。応援したくなる。だからタローも、もっとエネルギッシュになればモテるはず(笑)。