この記事をかいた人
- 小川いなり
- 会社員からライター、編集者の道へ。アニメ、漫画、特撮、映画など、手当り次第に鑑賞します。
ーー『仮面ライダー555』が長く愛される理由について、おふたりはどう考えていますか。
半田:僕は当時18歳〜19歳で、ただがむしゃらにやっていただけなんです。それが今日まで評価されているのであれば、自分の功績も少しはあるかもしれませんが、監督と脚本と共演者が良かったからだと思います。
芳賀:奇跡みたいな偶然が重なったんだなと。私も若かったので、がむしゃらにやっていたのは一緒ですね。なので、放送が終わった後に改めてびっくりしました。今でも声をかけていただくことは、本当に多いんです。
半田:当時の「555」の視聴率は、かなり良かったらしくて。朝の時間帯としては、異例の数字だったようです。当時はそう言われても、ポカンとしていました。正直どのくらい凄いのかもよく分からず……「それより休ませてくれ!」みたいな(笑)。
ーー演じている側としては、ブームになっているという実感も薄かったと。
芳賀:SNSもなかったので、直接的な評価は分からなかったです。ロケをしていたら、人が集まってくることはありましたけど……。よくキャストとの話で話題に挙がるのですが、当時のキャスト車にはファイズの絵が描かれていたんですよ。
半田:「マンガバス」と呼ばれていたのですが、スモークもなくて。
芳賀:それが街中を走ってるんです。今の時代にやったら……。
ーーそれこそ、SNSで拡散されてしまいそうです。
半田:そう考えると良い時代でした。今は誰でもスマホを持っているから、写真をいっぱい撮りますよね。20年前の携帯にもカメラはついてましたけど、その当時の携帯ですから。芳賀さんはカメラが趣味だったので撮っていましたが、僕自身は当時の写真を一枚も持っていなくて。わずかに残った思い出があるくらいです。でも、それが淡くていいんですよ。
ーー今作には、当時の『仮面ライダー555』を感じられる要素が散りばめられていますね。
芳賀:それは個人的にも胸熱でした。曲や効果音はもちろん、カットの撮り方にも当時と近いものがあるんです。試写を観たとき、キャスト一同で「自信を持ってファイズの続編だと言える」という話をしました。
半田:やはり映画というものは、脚本だけでも判断できないし、基本的に二次元の世界です。「あの世界の中でどうなるか」が重要なので、実際に本編を観て評価を下してほしいなと。逆に『仮面ライダー555』を良く知っている人にとっては、説明要らずなんじゃないでしょうか。不安要素はあるかもしれませんが、安心して観ていただいて大丈夫です。
[取材・文/小川いなり 撮影/胃の上心臓]
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