“影”を見たものは“影”に殺される──最悪のエンディングを回避せよ! ハラハラドキドキな展開と巧妙に張られた伏線が魅力の『サマータイムレンダ』のあらすじをご紹介!
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で公開中の漫画『サマータイムレンダ』。和歌山県の離島を舞台にした田中靖規先生によるSFサスペンス作品です。
2017年から2021年にかけて連載され、2022年には声優・花江夏樹さんが主人公・網代慎平役を務めてアニメ化。2クール全25話にわたり、物語の完結までが描かれました。
本稿では、そのあらすじをざっくりとご紹介していきます。ハラハラドキドキの展開や巧妙に張られた伏線が非常に面白い本作。気になった方は原作やアニメで楽しんでいただきたいです。
※本作は作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
目次
- プロローグ
- 混乱の2周目、絶望の3周目
- ヒルコ洞での邂逅
- 5周目と14年前の出来事
- 6周目、そして7周目
- 4本腕の影の正体
- 8周目から9周目、10周目
- 最後の決戦
- エピローグ
- ぜひ漫画・アニメで楽しんで!
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プロローグ
「“影”を見たものは死ぬ──影に殺されるんや」
和歌山県の小さな離島・日都ヶ島(ひとがしま)。2018年7月22日、幼馴染である小舟潮(こふねうしお)の葬儀に参列するため2年ぶりに故郷に帰ってきた主人公・網代慎平(あじろしんぺい)。
海での事故として処理された潮の死には不可解な点があり、他殺の可能性があると知った慎平の耳に聞こえてきたのは、「影を見た者は死ぬ」という島に古くから伝わる伝承でした。ただの迷信かと思いきや、潮の妹・澪(みお)によると亡くなる3日前、潮は自分とそっくりな姿をした“影”を目撃していたと言います。
事の真相を探るべく日都神社を尋ねた慎平と澪。しかし、神社そばの森で澪に射殺されてしまいます。その澪は、島で噂されていた影と呼ばれる存在である別の澪(影ミオ)だったのです。
死んで目を覚ました慎平がいたのは日都ヶ島に帰る船の中、確認した日付は2018年7月22日。鮮明に残る記憶と寸分違わない言動をする人々──慎平は2周目の7月22日にタイムループしていたのでした。
混乱の2周目、絶望の3周目
常軌を逸した事態に混乱しながらも必死で状況整理に努める慎平は、ひとりで影の正体を探りますが、またも影ミオに阻まれ失敗し、3度目の7月22日午前へ。自分だけでは事態を解決できないと判断した慎平は、澪と幼馴染である菱形窓(ひしがたそう)に影の存在を打ち明けます。
7月24日、影の正体を探るため夏祭りが行われている日都神社に出向いた慎平は、海岸で影ウシオと遭遇するも、彼女は他の影のように襲ってくることはなく、それどころか自分が本物の潮であると思い込んでおり、死んだことも影に関することも覚えていないのでした。
影ウシオとの出会いから間もなく、慎平は影ミオと影シンペイと対峙。危機的な状況となるも事情を知っている様子の南雲竜之介(なぐもりゅうのすけ)と名乗る女性の加勢により、その場を切り抜けます。しかし時すでに遅し。境内には山積した夥しい数の死体と四本腕の真っ黒な化け物。それらを中心に島全体を巨大な黒い影が飲み込んでいきます。
絶望的な状況の中、自分の死に希望を見出した慎平は竜之介の銃で射殺してもらい、4度目の7月22日に降り立つのでした。
ヒルコ洞での邂逅
最悪の事態を回避するため、慎平は影について知る竜之介と猟師・根津を味方につけ、島民になりすます影を駆除。その中で、竜之介は二重人格者であり、普段は彼の姉・南方ひづるという人物であることが判明。その後、慎平とともに時間をループしてきていた影ウシオも味方となり、影ミオを駆除するも、そのことでひづる・根津とは袂を分かつことに。
影ウシオの証言から島の病院を営む菱形家の長女、つまり窓の妹である朱鷺子(ときこ)が影と繋がっている可能性が浮上。慎平と影ウシオは窓を仲間に引き入れ、共に廃墟と化した菱形医院の旧病棟に潜入し、隠し扉から続く地下道へと進んでいきます。一方、ひづると根津も地下豪を探索しており、澪は影におびき出され、地下道へと誘い込まれていました。
無数の影に襲われながら何とかその場を切り抜けた慎平たちを待っていたのは、影を引きつれた朱鷺子。彼女に連れられ慎平らが案内されたのは、日都ヶ島に古くから祀られている神様・ヒルコの住処。そこにいた着物の少女・ハイネこそがヒルコの正体であり、影たちの母だったのです。しかし、ハイネは自力で歩けないほど弱っており、菱形家は島で亡くなった人の遺体をすり替えて食餌(しょくじ)として与えていたのでした。
ちょうどその時、ハイネの食餌として運ばれてきたのは火葬されたと思われていた潮の遺体。食べようとしたハイネを止めようとした慎平と影ウシオは4本腕の影に阻まれます。4本腕の影は澪を人質に取り、慎平のタイムループの力の源である右目を奪い取ろうとしますが失敗。代わりに慎平を生かした状態で夏祭りを終える作戦に移行するも、慎平は旧病棟で拾っていた毒薬を飲み干し自殺。影ウシオとともに5回目の7月22日へとループするのでした。
5周目と14年前の出来事
ひづる・根津と別行動を取ったことが敗因だと考えた慎平は、記憶を見せることができる影ウシオの力を使って記憶を共有し2人と行動を共にすることに。4周目同様、島民の影の駆除に乗り出すも、前回はいなかった4本腕の影が待ち構えており、反撃に遭い、ひづると根津は死亡。慎平も捕らわれそうになったものの、咄嗟に影ウシオが慎平の首を撥ね、短い5周目は幕を閉じることとなります。
6周目に戻るはずの慎平と影ウシオが降り立ったのは、ひづるが中学生だった14年前。そこはひづるの記憶の世界であり、双子の弟・竜之介も現在は亡くなっている慎平の両親も生きていました。
当時既に廃墟と化していた菱形医院旧病棟に暮らしていたハイネと親しくしていたひづる。しかし、徐々に強い空腹を訴えるようになったハイネは、姉を探しに旧病棟に来た竜之介を食べてしまい、ひづるはその悲惨な光景を目撃。偶然近くにいた根津によって助けられたものの、この時に生まれた竜之介の影がひづるの体内に入ったため、彼女は影リュウノスケと共生する形で二重人格となったのでした。
6周目、そして7周目
6周目は、影ウシオ、ひづる、根津と影の駆除に乗り出す直前から始まったため、慎平は即座に中止。日都ヶ島小学校に関係者を集め、影ウシオの力で記憶を共有して味方を増やす計画を実行。澪、窓、島の警察官・凸村に加え、敵だった朱鷺子も仲間になったところで、慎平が外から狙撃され死亡してしまいます。
強制的に7周目にループさせられた慎平は、すぐにハイネたちの意図に気付きます。それは、慎平が時間を遡る度にその開始時刻が遅れているため、ループするたびに慎平を殺し、夏祭りが行われる7月24日以前に戻れないようにするというものです。
慎平は7周目での決着を決意し、仲間とともにハイネ率いる影を迎撃。その秘策は、影ウシオの力で朱鷺子に仕える2体の影をハイネの支配から解放して戦力を増強すること。さらに、影ミオの捕獲に成功した慎平たちは、同じようにハイネから解放するとともに味方に引き入れるのでした。