墓守のウェザエモン戦はついに後半! アフレコは喉が焼き切れるほどハード!? 『シャングリラ・フロンティア』内田雄馬さん、日笠陽子さん、小市眞琴さんインタビュー
美学が強過ぎるペンシルゴンとサンラク。そして振り回されるカッツォ
ーーペンシルゴン、オイカッツォの印象を教えてください。
小市:オイカッツォは可愛い見た目に反して中身は男なんですけど、そのせいなのか、普通の女の子がしない表情をするんです。全体を通して、顔芸と言いますか、とにかく表情豊かで、盛り上げ要員みたいなところがあります(笑)。一方、プロゲーマーとしてのかっこいい一面も描かれたりして、振り幅が面白いキャラクターだなと思います。
ーー序盤は「ベルセルク・パッション・オンライン」にモドルカッツォとして登場しましたが、オイカッツォとしては第10話からの登場でしたね。
小市:待ちに待ちました。
日笠:そうだったんだ!
内田:この3人では登場が一番遅いですね。
小市:オイカッツォは可愛い見た目なのに、モドルカッツォは世紀末みたいな見た目でしたよね(笑)。
一同:(笑)
小市:しかも、腕を伸ばしたりして(笑)。このような役は『シャンフロ』以外で演じたことがないので新鮮でした!
ーー内田さんからご覧になってオイカッツォはどんなキャラクターですか?
内田:まっすぐで面白いキャラクターですし、ゲームの遊び方を知り尽くしているからサンラクと一緒にいるとたちが悪くて(笑)。
小市:(笑)
内田:サンラクと同じように遊べるキャラクターというのは面白い立ち位置ですよね。カッツォとの掛け合いは回を重ねるごとに「もっと煽るような感じで」というディレクションがあったりして。お互いになにかを仕掛け合いながら楽しんでいる関係性なんだろうなと思っています。
小市:煽り合ってますよね。
内田:そうそう。笑顔で煽り合うという(笑)。
小市:そんなふたりの間にペンシルゴンがクールに入ってくるのがまた良いんですよね。
日笠:あんたたちはガキなんだから!(笑)
一同:(笑)
日笠:でも、カッツォはいつもテンパってる気がする。
小市:墓守のウェザエモン戦は特にテンパってます(笑)。
内田:多分、ペン(シルゴン)とサンラクは自分の美学が強いタイプのゲーマーです。それに対して、カッツォは、攻略方法を調べて、ベストな選択ができる王道タイプのゲーマーなんです。
だからこそ、己の快楽がハッキリし過ぎているペンとサンラクに振り回されちゃうんですよ、きっと(笑)。コミック最新刊だとプロゲーマーとしてのカッツォが描かれていたりするんですけどね。
小市:墓守のウェザエモン戦とコミック最新刊のカッツォは別人ですよね。プロゲーマーとしての姿がすごくかっこ良かったです。
ーーお次に、ペンシルゴンについてはいかがですか?
日笠:初期は何かを企んでいたり、どこか悪巧みをする少年っぽく演じようとしたんですけど、音響監督に「女性的にしたい」と言われて。お互いの認識がちょっとだけズレていたので、そこはトイレの前でよく話し合いました。
小市:トイレの前ですか(笑)。
内田:その情報いります!?(笑)
日笠:じゃあ廊下ということにしましょう(笑)。話を戻すと、「女性的にしたい」と言われてから語尾に気を持たせたり、少し柔らかい音を使ってみたりして。ペンシルゴンに関しては技術的な部分を考えてから感情を追っていくキャラクター作りをしてきたので、自分の中で第一印象からかなり印象が変わっています。
ーー初期の演技プランから変えているんですね。
日笠:そうですね。もしかしたら原作を読んで、戦っているイメージに引っ張られ過ぎたのかもしれないです。なので、オンオフのバランスを考えながら、ペンシルゴンというキャラクターをアニメーションの中に落とし込んでいくイメージで演じました。
ーー人物としてはどんな印象ですか?
日笠:不思議なキャラクターですよね。基本的に自分の欲望に忠実ですが、心になにかが引っかかったときに人間の心が出てくるんです。
内田:自分の世界を持っていますよね。原作を初めて読んだときはミステリアスな印象を抱いたんですけど、楽しむときは素直に表情を見せてくれたりして。そこはアニメを見ていてより感じましたし、可愛くも思えてきました。
一同:(笑)
内田:やっぱり日笠陽子ですからね(笑)。でも実際、ちょっとした人間味みたいなものがアニメではより感じられて。特に墓守のウェザエモン戦は、刹那とウェザエモンの物語に共感していたり、戦っているときも本気で感情移入していたりして。サンラクは「ゲームに本気になる? 大いに結構だろ」と言っていましたけど、それがペンからもすごく見えました。
ーー3人の戦いぶりを見ていると、ゲーム内の出来事だということを忘れてしまいそうです。
内田:彼らはゲームとはいえ、それだけ本気で向き合えるってことですよね。逆に、ペンはそれだけハッキリしているからこそ、ヒールになるときは全力でその立場を楽しんでいて。この強い気持ちが良いところです。
日笠:女優だよね。
内田:そうかもしれないです。
日笠:『シャンフロ劇場』ではちゃんとモデルをしていたりね。あそこは仕事モードに切り替えて演じた覚えがあります。
キャスト同士の絆が深まった墓守のウェザエモン戦
ーー現在放送中の墓守のウェザエモン戦は終盤に向かっています。
内田:アクションがすごいですよね。収録もすごく激しかったです。
日笠・小市:(頷く)
内田:墓守のウェザエモン役の速水奨さんを交えた4人で録ったんですけど、密度が濃く、展開が多いこの戦いを4人だけで担当するのはとにかくハードでした。喉はもちろん、画を確認しているときに目まで大変なことになってしまって。
日笠:思い返すと怖いね。
内田:そうですね。
小市:私がすごく覚えているのは、ペンシルゴンが話している裏でカッツォがずっと右に行ったり左に行ったりしているところです。あそこはカッツォが画面外にいるときもずっと叫んでいたんです!
内田:あったあった(笑)。この作品は基本的に画面外の叫び声を入れていくスタイルなんです。
ーー今後も小市さんの叫び声をたくさん聞けそうですね。
日笠:小市眞琴は本来使われることはないテストの段階から本気を出すんです。私も同じタイプだから「超好き!」と思って。
小市:すべてを全力でやらせてもらってます! でも本番はテスト以上に声を出すので喉が焼き切れました(笑)。最新話を見て、そんなことを思い返したりして。
ーー第16話のカッツォは自ら緊縛されていましたね(笑)。
小市:あそこはカッツォの動きに合わせて体を捻りながら演じていたのでキツかったです(笑)。
内田:小市ちゃんのアフレコは見ているだけで面白いんです。ペンとしては墓守のウェザエモン戦のアフレコはどうでした?
日笠:私としては、3人とも騒いでいたらうるさいかな、って……(笑)。
内田:皆、死力を尽くして戦っているんですよ!(笑)
小市:日笠さんも声を張ってと言われていませんでしたか?
日笠:そうだった。
内田:第1フェーズのペンは後ろで頭脳戦をしていましたが、第2フェーズからは騏驎が出てきたことによって爆発に巻き込まれたりして。
日笠:後衛だったのに一気に前に出たりね。墓守のウェザエモン戦は回ごとに誰かのお当番がある印象です。
でも振り返ってみると4人で録れて本当に心強かったです。本番前は音響監督に「楽しんでいきましょう!」なんて言われましたが、実際は「楽しんでられないよ! もう!」って(笑)。
一同:(笑)
日笠:墓守のウェザエモン戦を通して、特にこの3人は絆が深まったなと思います。
【インタビュー MoA】
★後編では演技について詳しい話を伺っています。
作品情報
あらすじ
ディスプレイを使用するゲームが、レトロゲームに分類されるようになった、少しだけ未来の世界。
この世界では、最新のVR技術に内容が追いついていない、いわゆる“クソゲー”と呼ばれる作品が大量にリリースされていた。
そんな数多のクソゲーをクリアすることに情熱を捧げてきた1人の“クソゲーハンター”陽務楽郎。
彼が次に挑んだのはクソゲーの対極、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった。
集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!! 最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!
キャスト
(C)硬梨菜・不二涼介・講談社/「シャングリラ・フロンティア」製作委員会