コートの中に入って試合を見ている感じがします。歴代編集者が作品への自信を覗かせる!『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の公開直前振り返り上映会&トークイベントレポート
バレーボールに懸ける高校生たちの熱い青春ドラマを描いた古舘春一先生による漫画『ハイキュー!!』の新作劇場アニメ『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が、2024年2月16日(金)に公開!
劇場公開に先駆け、2月10日より3日間にわたり、アニメイト池袋本店B2Fのアニメイトシアターにて、「『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』公開直前振り返り上映会」が開催。最終日の12日には歴代編集担当者によるトークイベントが実施されました。
トークイベントには、初代編集担当の本田佑行さん、3代目編集担当の東律樹さんが登壇。連載当時の裏話や劇場作品の見どころなどが語られました。
影山&日向、黒尾&研磨は鏡のような存在!?
『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』では、原作の中でも人気の高いエピソード「烏野高校vs音駒高校」通称“ゴミ捨て場の決戦”が描かれます。
これに合わせて、「公開直前振り返り上映会」では、両校の出会いのエピソードとなる第1期・第11話「決断」、第12話「ネコとカラスの再会」、第13話「好敵手」が上映。さらに、日向翔陽を演じる村瀬歩さん、孤爪研磨役の梶裕貴さんからのビデオメッセージも届き、会場は早くも熱気に包まれました。
上映会が終了すると、初代編集担当の本田佑行さん、3代目編集担当の東律樹さんが登壇。本田さんが観客に感想を聞くと、「楽しかった!」というコメントや大きな拍手が湧きおこり、ふたりは笑顔を浮かべます。
改めて挨拶していき、最初の話題「烏野高校と音駒高校の因縁について」へ。早速、本田さんは「ライバルを作りましょう、というところからスタートした」と語ると、「黒尾と研磨は、元々影山と日向のキャラデザ候補で、古舘先生の中にイメージがあったのでライバルになったんだと思います。だから、かなり初期の頃から温めていたキャラクターが満を持して登場したんですよ」と裏話を披露。
東さんが「黒尾と研磨は最初からセットで出そうと考えていたんですか?」と質問すると、本田さんは「影山と日向にセッターとスパイカーとしての関係があるなら、ライバルの音駒高校にもその関係性があると思ったので、初めからふたりは一緒に描こうとしていました」とコメントしました。
続けて「最初の頃の『ハイキュー!!』は、かなりロジカルに作っていて、構成がカッチリしているんです」と告白する本田さん。ストーリー展開については「1話では日向と影山が出会うエピソードを描いて、次に日向と影山が関係性を作る話を。そして関係性ができたら、日向が初めてチームで出てどうなるかという話をしたんですよね。その後、リベロとエースが加わってチームが一丸になったところで、チームのライバルとして音駒を登場させて」と話し、「一つ一つ段階を踏んで世界やキャラクターを拡張していく意識で、ゆっくりゆっくりやっていきました」と紹介しました。
本田さんは烏野高校初の練習試合にも触れると「漫画で初めて試合をちゃんと描いた青城(青葉城西高校)との戦いはかなりポイントを絞りました。当時は古舘先生と怖がりながらやっていたのを覚えています」と当時を懐かしむ様子を見せます。
そして、「先輩から聞いたんですが、『HUNTER×HUNTER』で冨樫義博先生は“バトルを3話以上延ばさない。4話目に行ったら、(アンケートの)票が落ちる”と言われていたんです」と、漫画で戦いを描く際のジンクスを紹介し、「でも行けるんじゃないかなと思って、音駒のエピソードは引っ張ってみたんですけど、4話で反応が鈍ってしまい、これはよくないなと思いました」と『ハイキュー!!』でも同じ状態が起きていたことを打ち明けました。