この記事をかいた人
- おかもとみか
- 2021夏デビューのオトナ女子新人ライター。ミドル層の男性声優さん関連記事を書くことが多いです。
無事に男児となる「東宮」が生まれ、帝の正室となった玉葉妃改め玉葉后。壬氏も皇弟として政治に携わり始めます。また、羅漢との関係性が周知のものとなり、居場所を失った猫猫は花街に戻り、再び薬屋としての生活を始めることになりました。
壬氏は、飢饉の原因となりうるバッタの大量発生予兆の対応に追われる日々。一方猫猫は、人々を熱狂させる白娘々(パイニャンニャン)という存在を知るなど、新たな事件の予感も──
そんなある日、猫猫は壬氏の命令で一緒に西都に向かうことに。道中、別の馬車には阿多妃に連れられた里樹妃の姿も。実は西都では皇弟、つまり壬氏の花嫁選びが行われ、実は猫猫も「羅」の一族の「姫」としての参加となっていました。
その宴で里樹妃は実姉の策略にはめられ、余興で運び込まれた獅子に襲われそうになる事件が発生。
また、帝以外の男性に恋文を送ったという濡れ衣で、里樹妃が塔に幽閉される事態も。その塔で知り合った白娘々にそそのかされ、錯乱した里樹妃は塔から飛び降りてしまい──
結局どちらも馬閃の大活躍で事なきを得ましたが、2人の間に生まれたほのかな恋模様の行方も気になる展開に。
一方壬氏は、人目を忍んだ場所で猫猫の首を絞める形でキスをする熱愛ぶりを見せたものの、花街仕込みの方法で猫猫にしてやられるなど、相変わらずな関係のまま。そんな西都編は、単行本第5~6巻の内容です。
西都から戻った猫猫は壬氏たちからの推薦もあり、宮廷の医官付き官女の試験を受け、無事合格。同じく合格した姚や燕々とともに、猫猫は三度宮廷へと足を踏み入れることに。
医官見習いとなった猫猫は、玉葉后の第2子出産時に後宮へ出戻っていた養父・羅門に医術を学びながら、西都の一件で砂欧から入内という形で亡命して来た隣国の美人特使・愛凜への対応をする一方、彼女にまつわる”砂欧の巫女”の騒動も解決します。
宮廷内では、猫猫の実父・羅漢の棋譜本が大流行しており、壬氏の手回しもあって大々的な囲碁の大会も開催されます。猫猫との結婚への障害を取り除くべく、大会で羅漢との勝負に挑んだ壬氏は、あらゆる手を尽くして勝利をもぎ取りに行く貪欲さも見せていて……!
猫猫にも強引に結婚宣言をした壬氏ですが、まだ自分に皇位継承権があることを憂い──自身が帝と玉葉后の政敵とはならないこと、そして2人へ絶対的服従を示すため、猫猫もいる前で自ら腹に焼印を押す行動に走ります。
やけど跡を誰にも知られぬように治療せねばならなくなった猫猫は、羅門に外科医術の教えを請うことにします。羅門から「華侘の書」の存在を知らされ、外科の医術を学ぶ覚悟を問われた猫猫。固い決意のもと、外科手術習得のため、禁忌とされてきた「腑分け」の経験を積み始めます。
そんな中、壬氏は誘いを受け、長期的に西都へ向かうことに──壬氏のやけど跡の治療のため、猫猫も一緒について行かざるをえず、再び舞台は西都へと移ります。
猫猫にも少しずつ心境の変化が現れ始めた医局勤務編は、単行本第7~9巻あたりの内容となっています。
再び西都を訪れた壬氏一行。今回は大量発生したバッタの被害やその後の飢饉対策のほか、帝の正室となった玉葉后の実家「玉」一族のお家騒動に巻き込まれます。
大量のバッタに襲われ、作物はもちろん自分たちすらぼろぼろになりながらも立ち向かう猫猫たち。一方で、いち早く支援を依頼した壬氏の手柄を自分のものとするなど、常にヒーローを演じる玉葉后の兄・玉鶯(ぎょくおう)。
玉鶯を取り巻く人間関係の清算や、玉葉后の兄弟たちによる西都お世継ぎ問題など、心安まる暇もない壬氏や猫猫たち。それらの対応に追われてなかなか宮廷のある「中央」に戻れない中、猫猫は再び囚われの身となってしまいます。
高順の嫁や娘など「馬」一族が多数登場するほか、高順の息子・馬良の嫁である雀(チュエ)が不思議かつ謎多き存在としてあちこちで大活躍する西都編。最後まで謎を秘めた雀の本当の目的や正体とは一体……!?
従者である陸孫や甥の羅半、さらにその兄である「羅半兄」など、羅漢にまつわる人物たちも入り乱れ、すさまじくもにぎやかな西都では、壬氏と猫猫の関係もより近しいものに。
「補充したい」と来客から見えないところで猫猫の手を握り続ける壬氏の大胆な様子や、寝ている壬氏に思わずキスをする猫猫など、ゆっくりと近づき始める2人も大注目なエピソードは、単行本第10~12巻です。
1年ぶりに宮廷のある「中央」に戻って来た猫猫と壬氏一行。帰って早々、羅漢の部屋で起こった変死事件に巻き込まれるなど、心身ともに休まらない猫猫。
「卯」や「辰」といった「名持ち」の一族の会合で明らかになる問題や、それに絡む里樹元妃と馬閃の恋模様のほか、燕々に恋した羅半兄など、猫猫と壬氏を取り巻くさまざまな人々の人間関係が絡み合います。
さらに猫猫が生まれ育った緑青館では、三姫のひとりである女華の持つ翡翠牌盗難未遂事件も勃発。そこから派生した皇族の末裔話から、猫猫の同僚である医官・天祐の家系や「華侘の書」との意外な関係など、話題がてんこ盛り。
賑やかな宮廷生活の中、猫猫は壬氏に呼ばれ屋敷へ向かいます。周囲の手回しもあり、壬氏の閨(ねや)で一夜をともにする流れでしたが、拒否することなく前向きな様子を見せる猫猫。そんなつもりで呼んだわけではなかった壬氏も、思わず緊張と期待が膨らみます。
しかし猫猫は、子を孕まないようにするための効果的な手段を周到に準備していて──壬氏の気持ちを受け入れることで「合意」を示した猫猫。合意した結果、皇位に影響を与えかねない「子」が誕生することで、すでに「東宮」を持つ玉葉后の敵になりたくないと考えた上での、猫猫の覚悟でした。
そんな猫猫の覚悟を目の当たりにした壬氏は我が身を顧み、猫猫を帰宅させます。そして自身の皇弟という立場を捨てること、皇族をやめることまでを考え始めるのです。
皇族にまつわるしがらみと、久しぶりとなった宮廷生活の模様は単行本第13〜14巻の内容となっています。
猫猫のいる医局では、とある特定の症例に対する投薬実験が行われていました。選抜チームへの試験を突破した猫猫はその投薬実験にも携わることになりますが、なんのための実験であるのかは伏せられたまま。
と同時に、急がれる「華侘の書」の復元と、外科手術チームの編成。その顔ぶれの中に、技術だけは誰にも引けを取らない猫猫の同僚・天祐もいたことで、猫猫は尊い人物の病気とそのための投薬、さらには手術が検討されていることを察します。
次第に明かされる詳細──その病を患っているのはほかでもない、宮廷の一番の貴人である現帝でした。
帝に万が一が起こった場合、医療チーム全員の処刑は免れない。それどころか国を揺るがす皇位継承権問題が勃発する事態に……!
そんな中、壬氏とともに帝から呼び出しを受けた猫猫。そこには、離宮に囲われている元四夫人の1人・阿多もいて──壬氏が実子であることを帝がついに告白するのでは!? とひやひやする猫猫。一方壬氏は、万が一の事態の際に即位をする気はないかと帝に問われ……壬氏の決断はいかに!?
禁忌である帝の手術の行方とともに、気になる壬氏と猫猫の関係性。緊迫した空気の中でも時々紡がれる、2人の確かな絆と穏やかな関係性がほの見える様子は、原作第15巻で展開されています。
2021夏から駆け出した新人ライター。大人になってから乙女ゲームに触れたことがきっかけで、男性声優さんに興味を持ち、本格的にアニメを見始めた文学部出身のオトナ女子。初めての乙女ゲームは『ときめきメモリアルGirl's Side(1st)』。作品などの聖地巡礼やコラボカフェも好き。ミドル層の男性声優さんやKiramuneレーベルについての記事を書くことが多いです。