フリーレンがいるからこそ、いないときの2人が気になる? 『葬送のフリーレン』和氣あず未さん(カンネ役)×鈴代紗弓さん(ラヴィーネ役)が「一級魔法使い試験編」一次試験を振り返る!
大人気TVアニメ『葬送のフリーレン』。【一級魔法使い試験】がスタートし、第一次試験も終了、危険なダンジョンに挑む第二次試験がスタートした。
第一次試験で、フリーレンとパーティーを組んだ、かわいらしい三級魔法使いの2人を演じた、カンネ役の和氣あず未さんとラヴィーネ役の鈴代紗弓さんにインタビュー。後半は一級魔法使い試験に関する話を伺った。
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2人の好きなシーンと好きなキャラクターは?
―― 一級魔法使い試験ではフリーレンが、仲間としてパーティーに加わっていましたが、フリーレンとの関係性は、どう見ていましたか?
ラヴィーネ役 鈴代紗弓(以下、鈴代):今までは2人でいることが多かっただろうし、2人の世界があると思うんですけど、そこにフリーレンが加わったことで、「見守ってくれる先生」みたいなポジションで、まとめてくれる人が出来たなと。そのおかげで2人も安心して喧嘩ができるところはあったと思います。
カンネ役 和氣あず未(以下、和氣):2人は喧嘩ばかりしていて、フリーレンは、また喧嘩しているよって感じでしたけど、逆に2人だけのときって、どう収拾がつくんだろうと思っていました。フリーレンがいるからこそ、いないときの2人が気になるようになりました。
―― 一級魔法使い試験では、さまざまな濃い魔法使いが登場しましたが、お気に入りはいますか?
鈴代:見た目や性格を考えるとヴィアベル(CV.谷山紀章)なんです。人をすぐに殺さないところとか、過去とか、イケイケな見た目に反して人の心をちゃんと考えられるギャップがすごく好きなんです。関係性が好きなのはデンケン(CV.斉藤次郎)とラオフェン(CV.石上静香)です。単純にラオフェンがかわいいですし、デンケンが孫みたいなラオフェンを放っておけない感じもすごくいいんですよね。
――第21話も、助けに出てくるなと言われているのに、ラオフェンは出ていっちゃいますからね。
鈴代:そうなんですよ。でもそれもきっと、デンケンはわかっていたのかなって思います。だから2人共元気でいてほしい。
和氣:私もヴィアベルなんですけど、ユーベル(CV.長谷川育美)もすごく好きなんです。ユーベルの、何人も人を殺してきたんだろうなっていう目にゾクゾクしてしまいます。そんなユーベルとヴィアベルが対峙するところも好きなシーンでした(第20話)。あとはアニメになって、声がついたことですごく好きになったのがリヒターさん(CV.花輪英司)です。いい声……ホントにいい声で、すごく好きになりました。
――ちょっと人間くささもあっていいですよね。
和氣:そうなんですよ。リヒターさんも平気で人を殺せそうで、冷たくも見えるんですけど、試験ではないときは、良い店員さんみたいな感じで、優しい一面もあるんですよね(第22話)。大人だから、ちゃんと切り替えができるんですよね。
――ユーベルも、絶対強いでしょ!っていうキャラクターですよね。
和氣:ヴィアベルと戦っていたとき、どっちか死んじゃうんじゃないかなって不安だったんですけど、生きてて良かったです。
――このあたりの強者たちを見ると、一次試験の随所でカンネとラヴィーネはまだ修行中なのかな、って感じました。
和氣:やっぱりカンネは心が弱かったりするので、魔法の実力はすごくても、精神面でもっと強くならなければいけないなって思いました。人を殺すとかは出来なさそうだけど、ヴィアベルとかユーベルは、そういう面で、肝が座っていますから。
鈴代:だから攻撃するときも2人で連携する感じになっているのかなって思います。お互い助け合いながら、というか。
――第一次試験は、フリーレンが一緒で良かったですよね。
鈴代:ラヴィーネも、フリーレンに、2人はどっちが強いのかという話をされているとき、「私と比べたら?」と聞かれて、「アンタとは戦いたくねぇ」って言ってましたからね。対峙したわけでもないのに、わかってしまう強者感、只者ではない感があったんでしょうね。
――特にカンネは、フリーレンがいなければ、屍誘鳥(ガイゼル)に食べられていたかもしれないですし(第18話)。
和氣:もう、あれは強すぎですよ(笑)。
――そのほかに一次試験で、好きなシーンはありますか?
和氣:私は、デンケンのチームが、フリーレンたちに負けちゃって、もう魔力切れなのに、最後は「殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!!」って、他のチームとやり合うところがすごく好きです(笑)。デンケンって魔法に熱いイメージがあったじゃないですか。好きな魔法をもらえるという特権にも興味がなくて、魔法は探し求めているときが一番楽しいって言ってたくらい熱いのに、最後は拳というところが、おじさん!っていう感じがしていいな〜って思いました(第21話)。
鈴代:私はやっぱり第18話のラヴィーネとカンネの過去回想が好きです。アニメになって表情とか、流れている空気が加わったことでキャラクターの解像度がより高まったと思うんです。
この作品自体、旅の中で、いろいろな人と出会って別れてを繰り返して行くから、たくさんのキャラクターが出てくるんです。今回の試験でもたくさん新キャラが出てきたし、そのキャラたちを、見ている方がすぐにすべて掴むのって難しいと思うんですね。
でも、最初のほうで、2人の関係性がわかる回想がはさまったことで、皆さんにカンネとラヴィーネがどういう子なのか、きちんと印象付けられたと思うんです。ひとりひとりの魅力と、2人でいるときの尊さが出ていたシーンだったので、すごく好きなシーンでした。あと、カンネに「キモい」と言われて、無言で蹴り落とすラヴィーネの流れは、やっぱり好きだな〜って思いました(笑)。
――では、フリーレン一行の旅で印象的なシーンはありますか?
和氣:私、リュグナーが、す――ーっごく好きなんです。とにかく顔! だからフェルンとリュグナーさんとの戦いは良かったです。殺されるかもしれない状況でも冷静なフェルンだったり、魔法を出すスピードが誰にも負けないくらい速かったり。それにリュグナー様が押されているところもすごく好きで。そこでフリーレンを思い出して「葬送のフリーレン。私の嫌いな天才だ」って言うところも、めちゃめちゃ良いし、最高の褒め言葉じゃん!と思いました。だからリュグナー様のシーンは、すごく好きでした。(第8話)
――途中から、リュグナー様呼びになっちゃうくらい、好きなのが伝わってきました(笑)。鈴代さんは?
鈴代:第1話になってしまうんですけど、ヒンメルたちと見た、半世紀流星の星空です。原作から印象的だったんですけど、すごくきれいで。50年に1度の流星だけど、フリーレンの50年と、人間の50年は違うので、あの星空を見ると、それを思い出すんですよね。フリーレンはラヴィーネとカンネの絡みを見て過去を思い出したりするんですけど、フリーレンの回想が出てくるたびに、当時の記録を蘇らせて考えているんだなって。そういう心情が見えるので、回想シーンはすごく好きです。
あと、まったく関係ないんですけど、シュタルク(CV.小林千晃)とフェルンの絡みが、めちゃめちゃ微笑ましいです!本当に早く付き合っちゃえよ!なんですけど(笑)、落ち着いているフェルンの表情が動くのって、シュタルクとの絡みの時が多いなと思っていて。2人が出てくると、食い入るように見ちゃいます。
――では最後に、これからの見どころをお願いします。
和氣:第二次試験からは、もうフリーレンとはチームではなく。個々の戦いにもなっていくので、カンネとラヴィーネに、フリーレンとの絡みがあるのかなどは楽しみにしていてほしいです。みんなに一級魔法使いになってほしいというのが私の願いなので、みんなを応援したいと思います。
鈴代:第一次試験をなんとか通過できたところで、今度は個になるので、そこでどんな戦いになるのかを注目してほしいです。この作品はいろいろな魔法が出てくるので、新しい魔法とか、戦いの新しさなど、映像面でも楽しんでほしいなと思っています。あと、第二次試験では掛け合う相手も変わってきて、キャラクター同士の新たな関係性が見えてくるので、そのあたりも楽しみにしていただければと思います。2人を応援してやってください。
[文・塚越淳一]
作品情報
あらすじ
千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。
その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。
その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
キャスト
(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会