この記事をかいた人
- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
2024年4月より放送開始のテレビアニメ『忘却バッテリー』(原作・みかわ絵子先生)。記憶喪失の主人公という今までの野球漫画にないユニークな設定が特徴で、癖のある個性豊かなキャラクターたちやギャグとシリアスの絶妙なバランスなどが魅力の作品です。
藤堂葵(とうどうあおい)は、力強いプレーが武器の遊撃手(ショート)。派手な見た目に反して真面目でストイックな性格で、努力家な選手です。
本稿では、藤堂葵の情報を一挙にご紹介。性格や野球の強さ、野球を辞めた理由に加え、今後の注目シーンなどをまとめて解説します。
※本記事にはネタバレが含まれます。
強肩を活かしたパワーのあるバッティングを武器とする遊撃手。シニア時代に清峰・要バッテリーと対戦して敗戦を喫し野球を辞めていたが、清峰たちとの出会いで再び野球を始めることに。野球から離れていた時期の名残で派手な容姿だが、性格は真面目でストイックな努力家。
学校学年:小手指高校1年生
ポジション:遊撃手(ショート)
投打:右投右打
身長:181cm
誕生日:8月31日
血液型:O型
兄弟:姉・妹
出身:大泉シニア
思いのままに感情を表に出す直情的な性格の藤堂は、捕手・要のアホな言動にツッコんだり、同じクラスのチームメイト・千早におちょくられたりと作中ではかなり忙しそう。素直で快活な性格であるため、シニア時代は先輩にも可愛がられる後輩だったようです。
真面目な努力家でもあり、上手くなることに貪欲で、ストイックに野球に向き合う強さを持っています。時折自分を尊大に扱うような発言も見られますが、そんな俺様発言ができるほどの結果を努力で生み出しているのが格好良いところ。
母が早くに他界しており、父・姉・妹の4人家族。家事全般こなすことができ、料理が得意という家庭的な一面も。幼い妹をとても可愛がっている良き兄でもあります。
恵まれたフィジカルを鍛え上げているため、パワーのあるプレーが持ち味。特にバッティングは、初球から全力フルスイングで打ちにいくことを得意としています。パワフルな打球は柵越えも珍しくなく、チームを勝利に導く花形選手です。
遊撃手としても抜群の腕を持っており、俊敏な動きで鋭い球にも喰らい付きます。感覚や感情でプレーするタイプで、野球に真剣に向き合ってきたことで研ぎ澄まされた勘が藤堂のファインプレーを生んでいるのです。
シニア時代はその段違いの才能でチームメイトから一目置かれており、東京No.1の野球強豪校・私立帝徳高校からスカウトの声がかかるほど。後輩でありながら先輩たちからも頼りにされる存在でした。
帝徳高校のスカウトを蹴り、野球部のない小手指高校を選んだ藤堂。その理由は、2年生の時のリトルシニア夏季大会でのこと。先輩たちにとって最後の大会で、相手は清峰・要バッテリーを擁する宝谷シニアです。
清峰の球の格の違いに気圧された藤堂でしたが、試合は同点のまま終盤、大泉シニアの守備に。ここを守り切れば勝ちの可能性が見えるという大事な場面で、藤堂がまさかの暴投をしてしまい、そのエラーが原因で試合の流れが一気に宝谷シニアへと傾き、藤堂たちは敗退。
大好きな先輩たちの夏を終わらせてしまった責任を強く感じる藤堂の元に来たのは帝徳高校からのスカウト。一方、先輩たちの手に帝徳高校へのチケットが届くことはありませんでした。
この出来事を境に、藤堂はイップス(主にスポーツに見られる心理的要因で起こる運動障害)を発症。一塁への送球ができなくなってしまいます。あの試合でのエラーが毎晩夢に出てきてうなされるほどのトラウマになってしまった藤堂。本当は大好きなはずの野球を綺麗さっぱり忘れるため、小手指高校に進学したのでした。
小手指野球部にとって初めての夏、西東京大会。順調に3回戦まで勝ち進んだ小手指高校の相手は春の大会でベスト16の星明学園。そこは藤堂のかつてのチームメイトで先輩の高須・津田が所属するチームです。
長期戦となる大会を勝ち抜くためにエースである清峰を温存する作戦を取る小手指は2年生の鈴木を投手に起用し、打たせて取るプレースタイルに。
藤堂は他の内野手とともに俊敏な動きでゲッツー(一打席で2つのアウトを取る)を決めるなど堅い守備で活躍。攻撃でもトップバッターとして初回からツーベースヒットを繰り出し、先輩たちに変わらない実力を見せつけます。
しかし、藤堂がイップスであることを知っている先輩たち。真剣勝負だからこそ、正々堂々弱点を狙って攻撃を仕掛けてきます。
作戦通りショートポジション目掛けて当てられたボールを素早く捕球した藤堂。送球ミスがあると思っている先輩たちが見たのは、ワンバウンドでの一塁送球。野球を辞めるまで思いつめていたイップスをワンバウンド送球で克服しようとしていたのでした。
藤堂の送球難という守備の穴が無くなった小手指は、勝ち越したまま試合終盤を迎え、投手を清峰に交代。その剛速球で最後まで走者を出すことなく小手指の勝利で試合は幕を閉じます。
この試合は、自分たちが不利な状況になったとしても、一度は野球を辞めた藤堂が良いチームメイトに囲まれて野球をやっていることを心から喜ぶ先輩たちがとても印象的です。先輩たちから可愛がられていた藤堂の人柄が垣間見えます。
星明学園に勝利し、4回戦の相手はあの帝徳高校。守備も攻撃もトップクラスの選手しかいない強豪校を相手に、小手指は一瞬も気を緩められない戦いを強いられます。
藤堂は変わらずワンバン送球を続けていましたが、バウンド無しに比べてスピードが落ちるため、帝徳相手ではアウトを取れない場面が続きます。試合は中盤5回、帝徳の攻撃。1点差で負けている小手指はこれ以上点差を広げるわけにはいきません。
そんな中、打球は藤堂の元に飛来。極限状態の中、一瞬にして様々な思いや記憶が交錯した藤堂はバウンド無しでの一塁送球に成功します。その健闘のおかげで小手指は5回を無失点に抑えたのでした。
プロですら治せずそのまま潰れてしまうこともあるというイップス。それを大舞台で克服する藤堂の強さはさすがの一言! その苦しみを知る小手指メンバーや家族、高須や津田が涙して喜んでいるところも心に刺さる名場面です。
藤堂葵を演じるのは、阿座上洋平さん。8月7日生まれ、群馬県出身。出演作品は『あんさんぶるスターズ!!』の天城燐音役をはじめ、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のグエル・ジェターク役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。
恵まれたフィジカルをストイック努力で磨く藤堂は、バッティングでも守備でも大きな活躍を見せます。中学時代の失敗がトラウマとなり、一度は辞めてしまうものの、やはり大好きな野球からは離れることができませんでした。パワフルなプレーと快活な性格で藤堂葵が小手指野球部を盛り上げます!
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。