『死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)』坊ちゃん役・花江夏樹さん×アリス役・真野あゆみさんインタビュー|何かあったときに心を許せるのが「家族」なのかなと【連載第2回】
「サンデーうぇぶり」にて連載された、累計発行部数180万部突破の人気作『死神坊ちゃんと黒メイド』(著者:イノウエ)。本作のTVアニメ第3期が、2024年4月より放送中です。
“触れたものを死なせてしまう”という呪いをかけられ、森の中でひっそりと暮らす貴族の坊ちゃん。第2期では坊ちゃんに呪いをかけたのが、かつて最強と恐れられていた魔女・シャーデーであったことが判明しました。第3期では、物語の完結までが描かれます。
アニメイトタイムズでは、第2期に続き本作の連載インタビューを実施! 第2回は、坊ちゃん役・花江夏樹さんと彼のもとで働くメイドのアリス役・真野あゆみさんに、第3期6話までの物語を振り返ってもらいつつ、お二人にとって家族・友人はどういう存在なのかお聞きしました。
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ヴィオラのためにピアノを弾く坊ちゃんからは「お兄ちゃんらしさ」を感じました
――坊ちゃんに呪いをかけたシャーデーのことが徐々に明らかになりつつある本作。ここまでの物語を振り返って印象に残っているシーンを教えてください。
アリス役・真野あゆみさん(以下、真野):アリス役としては、目覚めた彼女のお母さん・シャロンと関わるシーンがぜんぶ印象的です。お母さんと一緒にいるときのアリスって、すごくかわいくて。今までにない新しいアリスを見られて、演じている私もすごく嬉しかったです。
坊ちゃん役・花江夏樹さん(以下、花江):ここまでのストーリーでは、坊ちゃんの家族関係も印象的でした。例えば4話でのヴィクトルとリズとのやり取り。二人の関係性がすごくいいなと思えたし、おじいちゃん・おばあちゃんと会えた坊ちゃんの嬉しさを感じられる回でもありました。
あとは6話でヴィオラと坊ちゃんが一緒に演奏するシーン。緊張しているヴィオラのためにピアノを弾く坊ちゃんからは、「お兄ちゃんらしさ」を感じました。いつもは茶化す関係でありながらも、心の底では家族のことが好きなんだと感じられる回でしたね。
――真野さんのお話のなかにもあったシャロンには、どのような印象をお持ちですか?
花江:シャロンはすごくいいキャラクターですよね。今までずっと寝ていたとは思えないくらい元気。(井上)喜久子さんが演じるシャロンはお母さんなんだけども、お姉ちゃんみたいな感じがして(笑)。もちろん母親としての一面も見せていて、本当にアリスのことが好きなんだなと節々で感じられる、素敵なキャラクターです。
真野:喜久子さんはアフレコ現場でもシャロンそのもの。喜久子さんが演じることで、よりシャロンが好きになりました。私、喜久子さんとほくろが同じ位置にあるんですよ。
花江:そうだよね。
真野:それで、「私たち同じところにあるよね、親子だねぇ」と喜久子さんが言ってくださって! スタッフの方々にも「見て―、同じところにあるの!」と見せて回っていました。そしたら、現場のみんなが拍手してくれたんです(笑)。その一連のやり取りに、私は何だかソワソワしちゃって。それが、どこかアリスとシャロンの関係みたいで嬉しかったですし、掛け合いもやりやすかったです。
――物語の重要人物・シャーデーへの印象も教えてください。
花江:シャーデーは坊ちゃんに呪いをかけた張本人。坊ちゃんはその呪いによって辛い思いをたくさんしてきました。ただ、今の坊ちゃんは「何で呪いをかけたのか?」というところが気になっているんです。そこをちゃんと理解したいと思っているんですよね。
――呪いをかけた相手に対して坊ちゃんは「友達になりたい」と言葉にします。
花江:呪いはネガティブなことですが、それによって坊ちゃんのなかで生まれた・気づいた大切な思いがあったと僕は感じていて。だから、「呪いを受けたこと」を彼なりに前向きに変換している気がするんですよね。そういう前向きなとらえ方をできるようになったのは、アリスをはじめ、周りの人たちのおかげです。
――呪いを受けたことにネガティブな気持ちはあれども、今の環境自体は恨んでいないというか。
花江:そうかもしれません。だから、シャーデーのことも理解しようとしているのかなと思います。まだ視聴者の方々は「怖い」という印象が強いかもしれませんが、ここから先の物語でシャーデーへの印象が少し変わるかもしれません。
真野:アリスからしたらシャーデーはお母さんを眠らせて、好きな人にも呪いをかけた人物。演じる私としても最初は「怖いな」という印象が強かったです。ただ、ヴィクトルとリズさんなどの話を聞くなかで、シャーデーも色々と辛いことがあったと分かって。もしかしたらシャーデーの気持ちを分かってあげられるところがあるんじゃないかなと、寄り添いたくなりました。