Netflixの社員にもアニメ&ゲーム&漫画ファンがいた! 漫画を月◯万買う!? オンラインゲームで知り合った人と結婚! 世界的大企業のみなさんの推し活に迫る【有名企業に突撃!オタク訪問】
「オタ活」や「推し活」といったワードが一般的になってきた昨今。オタクでしか考えられないような施策で世間の話題をかっさらったり、オタクならではのプロジェクトが立ち上がったり、様々なオタクたちが起こしたであろう仕事ぶりを見かける機会が増えてきたように思います。しかも、名だたる有名企業の中から……!
もしかしたら、私達のようなオタクが有名企業にも潜んでいるのでは? そして、オタ活や推し活を楽しみながら仕事をしているのでは?
そんなふとしたところから浮かび上がった疑問と仮説からスタートしたのが本企画、「有名企業に突撃!オタク訪問」。
名だたる有名企業にいるオタクを訪問し、その姿に迫っていきます。
連載第1回となる今回は、「ONE PIECE」や「幽☆遊☆白書」などの有名漫画の実写化の成功や、「すずめの戸締まり」の世界169カ国配信(そのうち日本は独占配信見放題)などで話題のNetflixにお邪魔しました
みなさんはNetflixと聞いてどんなイメージを持っていますか? 外資系だからキラキラしていそう? 英語が職場を飛び交っている? 胸に大きくロゴの「N」と書かれたパーカーを着た社員がいそう?
そのイメージが本当なのか、調査してきました!
今回の取材にあたって、Netflixのみなさんが言っていたことで印象的だったのは「Netflixでは“オタク”ではなく、“ファン”という言い方をしています」ということ。「自分たちはまだまだという気持ちがあるため、自らを“オタク”と括らず、ファンのみなさんに対しても“オタク”とくくっていないんです」という謙虚な姿勢がとてもクールでした。
しかし、取材をしていると謙遜する必要がないと思えるほどの猛者たちであったのがわかっていくのでした……!
海外でも日本のアニメはちゃんと見られる!
ーーまずは、最初に簡単な自己紹介をお願いします。
桒原:桒原匠吾(くわばら しょうご)と申します! 役職はマーケティングマネージャーで、業務としてはNetflixから配信される作品の広告をどうやって視聴者に届けていくのかを考えたり、どういうメディアを選べば最適なのかを考える仕事をしています。作品がより良くみなさまのもとへ届くように、プロモーションをしていく役割です。
ーー桒原さんは何がお好きなんですか?。
桒原:メインはアニメとゲームです。毎晩のようにゲームをしています。最近では、『FINAL FANTASY XVI』や『龍が如く8』、あと友人と『Apex Legends』や『League of Legends』、『VALORANT』などをプレイしています!
ーーおお! たくさんプレイされているんですね。栗田さんはどうでしょう?
栗田:栗田優華(くりた ゆうか)と申します。コンテンツストラテジーアンドアナリティクス、といってコンテンツ戦略とデータ分析を行っています。担当しているのは、アニメと中国語のコンテンツですね。
バイヤーやコンテンツを作るクリエイティブプロデューサーの方々と、データや知見を基に日本においてどのようなアニメを作るべきか、どのように実行すべきか等の戦略を議論し策定します。
趣味としては、私は漫画とアニメが好きですね。昔は、乙女ゲームやVOCALOIDに夢中になっていました〜。
ーー最近、ハマっている作品などはありますか?
栗田:『ババンババンバンバンパイア』という吸血鬼の漫画があって、それが面白かったです。
匿名コダッ子(以下、コダッ子):吸血鬼が本当に好きだよね(笑)。
ーーそうなんですね!(笑)
栗田:吸血鬼が登場するのはほとんど好きです。
ーーありがとうございます。では最後にコダック……さん? お願いします。
コダッ子:名前顔出し控えさせていただきたく、今日は匿名コダッ子と呼んでください。コンテンツライセンシングのアニメチームに所属しています。元々、Netflixに入ったばかりのときはIP関係のチームだったんです。海外のNetflixコンテンツチームに日本のIPを紹介するポジションでした。
最近は、アニメにフォーカスしてアニメの買い付けに関わっている感じです。
ーーコダッ子さんは、何の作品が好きですか?
コダッ子:主にゲームです。モバイルゲームからFPSなどなど、男性向けも女性向けのゲームも何でもプレイします! 今は『FINAL FANTASY VII』の新作と『龍が如く8』、後は『勝利の女神:NIKKE』にもハマっています。
ーー『NIKKE』は人気ですよね!
コダッ子:みんな可愛くて、大好きです!
ーーではみなさんが、今好きなジャンルにハマったきっかけを聞いていければと思います。
桒原:僕は今30代なんですが、僕らの世代って朝8時頃からアニメの放送が始まって、9時には『デジモンアドベンチャー』があったり、『真・女神転生デビルチルドレン』をやっていたり、『モンスターファーム』とかアニメやってましたよね?
ーーやっていましたね。懐かしい作品ばかりだ(笑)。
桒原:朝起きるとアニメが放送されていたので、自然とアニメに触れる世代だったんじゃないかなと。夏休みには、『SLAM DUNK』の再放送をやっていたり。とにかく放送が多かったんです。
そして、中学くらいに『攻殻機動隊』シリーズが夜中にやっていたんです。すごく大人なアニメだなと思ったし、めっちゃ面白かった。アニメって朝だけじゃないんだなと衝撃を受けましたね。
そこで、ガッツリアニメにハマっていきました。中学生くらいの時に大人っぽいアニメが刺さって。『攻殻機動隊』って哲学やSFの難しいセリフがいっぱい出てきたので、そこでハマりましたね。
ーーたしかに、私も同世代ですが、朝にアニメの放送が多かったですよね。『おジャ魔女どれみ』とか。
桒原:そうですね、『おジャ魔女』は何時からだったっけ?
栗田:8時30分です。
一同:(笑)。
ーー桒原さんの深夜アニメの遍歴は?
桒原:結構マニアックなのかもしれないんですけど、『エア・ギア』を良く見ていましたね。高校受験の年齢だったと思うんですけど、塾から帰ってきて深夜アニメが始まるまで勉強して、ご褒美で見てから寝るっていう生活だったんです。
そこで『エア・ギア』とかをやっているのを見かけて、「深夜アニメ幅広!」と思った記憶があります。
ーーなるほどなるほど。
栗田:私はジャンル問わずごちゃ混ぜなんですけど、4歳から上海に住んでいて、現地の学校に通っていたので、両親が日本語にも馴染ませようと思ったのか、『HUNTER×HUNTER』や『北斗の拳』、『ボボボーボ・ボーボボ』のDVDを買ってくれたので週末に見ていましたね。
当時は、中国の地上波でもアニメが放送されていたんです。色んな世代のアニメが流れていて『SLAM DUNK』『カードキャプターさくら』『おジャ魔女どれみ』『シュガシュガルーン』『世界名作劇場』など、意外と何でも見ることができました。
ーー名作ばかり……!
栗田:『明日のナージャ』とか大好きだったんですけど、私の同世代の子たちは誰も知らないんですよね。他にも『NARUTO -ナルト-』とか『ONE PIECE』も毎週家族で見ていました。日常にアニメがあるのが当たり前でした。
中学生になると、インターネットのアクセスが自由になって、アニメを見る選択が増えたので、学校から帰ったら自分で気になった作品を1クール一気見してから宿題する生活でした。
毎クール分、全部の1話を見てからどれを継続視聴するか……みたいに考えたり、普通にオタクっぽいというか、通っぽい見方をしていました(笑)。そこが大きなきっかけですね。
ーー海外でもメジャー作品をたくさん見ることができる環境だったんですね。
栗田:そうですね。『カードキャプターさくら』や『とっとこハム太郎』が学校で流行っていたり。日本のアニメが上海でたくさん見られていたと思います。
社会人になって、アニメを見る時間が減ってしまってからは漫画を読み始めましたね。Netflix入社後に時間も余裕ができ始めたので、またアニメを見たり。お父さんがすごくアニメ好きで、「『ゴールデンカムイ』面白いぞ、『わたしの幸せな結婚』とか良いよ」って連絡が来るぐらいで(笑)。
ーーお父さんの影響もあったんですね。
栗田:最近、両親にあったんですけど「毎週日曜日はふたりで『薬屋のひとりごと』見てるよ〜」って言っていました! 親子のコミュニケーションのトピックとしてもアニメが重宝されています。
ーー親と一緒にアニメを見ている方も、最近は増えましたよね。良い関係だな〜。続いて、コダッ子さんお願いします。
コダッ子:私は真逆のパターンで、アニメ・ゲーム・漫画・テレビ全部禁止だったんです。
その反動で、バイトを始めてお金を稼ぐようになってから、今まで見たかったものや遊びたかったものを自分のお金で全部買いました。
台湾生まれなんですが、カナダで育ったんですよ。当時のカナダ・アメリカは、アニメやゲームグッズなんて何にも売っていなかったんです。だから好きなものを買いたくても、なかなか正規のちゃんとした商品は手に入らなくて。
それでも、どうしても魅力的で。でも、ずっと禁止されていたんです。禁止されればされるほど、面白いから見てはいけないって言われるんだろうなって、勝手に妄想していて、大人になってから一気に消化していたら、ダメ人間になってしまいました(笑)。
ーー弊社にも多いパターンです(笑)。ちなみに、その束縛から開放された時に見た作品は何だったんでしょう?
コダッ子:正確には覚えていなかったんですけど、私を確実にこの道に引きずり込んだ作品は『新機動戦記ガンダムW』でした。
ーーうわ〜! 『新機動戦記ガンダムW』なんですね!
コダッ子:カナダは放送が日本に比べてめっちゃ遅れていたので、『機動戦士ガンダムSEED』の時代だったのに『新機動戦記ガンダムW』がTV放送されていたんです。それに興味を持ったんですが、禁止されていたので大人になってから一気見してしまいました。
ーー実際に、見てみたらどうだったんですか?
コダッ子:最ッッ高でしたね。
一同:(笑)。
コダッ子:なんで禁止されていたのか、意味が分からない! 親にオススメしても、全然乗ってくれませんでした(笑)。
ーーその際は、日本語で視聴していたんですか?
コダッ子:日本語で、英語の字幕付きです。
ーーコダッ子さんはかなり日本語が流暢ですが、もしかしてアニメで勉強されたのですか?
コダッ子:昔、辞書を片手にゲームをプレイしていました。
ーーそれもすごい!
コダッ子:『キングダムハーツII』の最初のミッションが手紙を配るものだったんですけど、「手紙」が分からないので辞書で一生懸命調べていたんですよ。「手紙って何だよ!?」って。
ーーゲームもかなりプレイされていると仰っていました。
コダッ子:はい。私の結婚相手とはオンラインゲームの『FINAL FANTASY XIV』で出会いました。同じFC(フリーカンパニー、友人や同じ目的の集まり)です。