春アニメ『夜のクラゲは泳げない』連載第4回:キャラクターデザイン 谷口淳一郎|第4話を見て新鮮にすら感じた制作スタイル
オリジナルTVアニメ『夜のクラゲは泳げない』。監督:竹下良平 × 脚本:屋久ユウキ × アニメーション制作:動画工房が贈る青春群像劇。第4話は、JELEEの4人が集まって、楽曲制作をするという物語。花音の姉、美音(CV.安済知佳)の登場、花音の過去を知り、彼女を思いやる3人の描写、そしてラストの意外な展開など、見どころ満載でした。
連載第4回は、キャラクターデザインを担当した、谷口淳一郎さんが登場! 動画工房の数々のアニメーションで、キャラクターデザインや作画監督を務めてきた名アニメーターに、作品についてのコメントをいただきました。
前回の記事
POPでファッショナブル、少女の成長物語にもってこいな原案
――今回はオリジナル作品となりますが、台本や資料を見たときの率直な感想をお願いします。
谷口淳一郎さん(以下、谷口):僕が参加する頃はすでに企画書、脚本、キャラクター原案がありました。まずpopman3580さんの描かれたキャラクターを見て、すごくPOPでファッショナブルだなと感じました。少女の成長物語にもってこいの作風だとも感じました。
竹下監督の企画書も「自分の"好き"を見つけたい」と、伝えたいことが明確でわかりやすかったです。
――popmanさんの絵の魅力を教えてください。
谷口:第一印象は先程の通りで、かつ僕の好きなアニメーター、イラストレーターの近藤勝也さん(※『魔女の宅急便』『雲のように風のように』『海がきこえる』『コクリコ坂から』のキャラクターデザインなどを担当)の絵に雰囲気が似ていて、すごく親近感を覚えました。
自由自在なポージングとPOPな服装のセンスがpopman3580さんの魅力だと思います。
――キャラクターデザインに起こすときに、どんなところをこだわりましたか?
谷口:竹下監督からは、「原案のイメージを崩さず、いわゆる“質アニメ”にはしたくない」ということだったので、一部の層に人気が出るようなキャッチーな表現、造形にはしないように心掛けました。具体的には、視聴者が本編にすんなり入っていけるように、柔らかいラインで引っかかりを少なくしました。
popman3580さんとのやり取りはそんなになかったのですが、監督とは主に造形上のバランスについて、細かくやり取りをしました。
――popmanさんの絵をアニメで動かすことを考えたとき、難しい部分はありましたか?
谷口:popman3580さんの画集にさまざまなポージング、アングルがあったりして限界がなく、動かすのに抵抗はなかったです。