『この素晴らしい世界に祝福を!3』福島潤さん、雨宮天さん、高尾奏音さんインタビュー |『このすば』は、事切れる直前まで演じていたい “実家”のような作品
ついに放送がスタートした、暁なつめのライトノベルを原作としたTVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』(以下、このすば3)。
不慮の事故で命を落とし、女神アクアを連れて異世界に転生した主人公・カズマが体験する、様々な仲間たちとのハチャメチャな冒険を描いた本作ですが、現在は第2期から約7年ぶりのTVシリーズとなる第3期が放送中です。
現在も多くのファンが、ついに帰ってきた『このすば』で、未だ健在なハチャメチャ感を楽しんでいることかと思いますが、今回はカズマ役の福島潤さん、アクア役の⾬宮天さん、アイリス役の⾼尾奏⾳さんにインタビューを実施。第3期に向けた想いからアフレコの裏話、アニメの感想まで、たっぷりと語っていただきました。
なお、本インタビューは、『このすば3』第3話までのネタバレを含む内容となっておりますので、ご注意ください。
第3期が決まる前から小説を声に出して読んで準備していた
――まず、第3期の製作が決まった時の心境をお聞かせください。
カズマ役・福島潤さん(以下、福島):本当に待ちに待ったというか。これはもういろんなところで話していますが、第3期をやるって全然決まっていないときから、「もしアニメ化されたら、ここはこうやろう」とイメージしながら、小説を声に出して読んでいたんです。なので演技としては、結構何年も前に出来上がっていた感じもあって。その分、本当にやれると決まった際は嬉しかったですし、こうしてまたみんなとお芝居できるのが楽しみでしょうがなかったです。
――発表からは結構間もあったと思うのですが、実際に放送を迎えてみていかがですか?
福島:変な感じですね。長かったと言えば長かったし、やっとって思えばやっとなんですけど。いざ迎えると不思議なもので、どうしても終わりも意識しちゃうから、始まりと同時に寂しさみたいなものも感じ始めていて。本当に終わりたくないなって。願わくばずっと『このすば』を近くに感じていたいと思っています。
――雨宮さんはいかがでしょうか。
アクア役・雨宮天さん(以下、雨宮):私も潤さんと同じ気持ちで、とにかくまた『このすば』をやれることがすごく嬉しくて。(メインキャラクターを演じる)4人の中で「一生やりたい」「死ぬまでやりたい」といった話がよく出るくらい、本当にそういう気持ちでいるんです。『このすば』でしか味わえない掛け合いのテンポ感とか、そういうものがたくさんあるんですよね。
さらに周りのキャストさんのお芝居から学びがたくさんある現場でもあるので、そういう意味でも帰って来られたことがすごく嬉しいなと思いました。
――やはりファンからの反響も大きかったですか?
雨宮:もう大喜びですよ。みんな、よほど『このすば』がない人生がつまらなかったんでしょう(笑)。だけど寂しい気持ちを抱えていたのは、キャストやスタッフだけじゃなくて、お客さんも同じ気持ちだったことが伝わるくらい、めちゃくちゃな熱量で応援していただけているのをすごく感じました。
福島:映画から5年くらい空いても、(3月に開催された)全国での先行上映グリーティングで映画館が埋まるくらい楽しみにしてもらっているんですよね。倍率も本当に凄まじかったらしくて、ちゃんと忘れられていないんだなって。こうして戻ってきたら、しっかりと「おかえり」って言ってもらえる作品だと思いますし、そこが嬉しくもあり誇りでもあり、頑張ろうって思える原動力でもあり、『このすば』の好きなところですね。
――高尾さんはいかがでしょうか。
アイリス役・高尾奏音さん(以下、高尾):アイリスはアニメでは第3期が初めての登場になりますが、それまでも『このファン(この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ)』で演じさせていただいていました。アニメも第3期になったらアイリスが出てくるんじゃないか、という噂をずっと聞いていたので、いつか来るのかなって、密かに期待していた部分もあって。
なので「制作が決まりました」って教えていただいたときは本当に嬉しかったですし、みなさんが長い時間をかけて作ってきた作品の座組みの中に参加させていただけることを光栄に思いながら、すごく身が引き締まる思いにもなりました。みなさんからたくさん学ばせていただきながら、またアイリスとして新たな風を吹かせなきゃいけないなと、ドキドキしながら収録に挑みました。
――『このファン』のときは基本的に別録りだったんでしょうか。
高尾:そうですね。ゲームのときは別録りで、ヘッドフォンで合わせの台詞だけ聞ける状態で収録させていただいていたので、実際にリアルタイムで掛け合いができるのを楽しみにしていました。他のキャストの方が「こういう風に台詞を仰ってたんだ」っていうのも今作のアフレコで初めて知りました。
――『このファン』の方で、最初にアイリス役に決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
高尾:『このすば』という作品自体、私が中学生の頃に視聴者として見ていた側だったので、まずオーディションをいただけたこと自体がすごく嬉しくて。さらにアイリス役を任せていただけることになり、まさか自分が『このすば』の世界に声を吹き込むことになるのは本当に衝撃的で……めちゃくちゃ幸せでした。過去の自分に教えてあげたいですね(笑)。
雨宮:でもそう思うと、この(『このすば』本編が放送される)期間が空いてなかったらまだ学生で、アイリスを演じていなかったかもしれないと思うと、色々運命だよね。
福島:ずいぶん長く空いたなとは思ったけども、ある意味その長さのおかげというか。
高尾:本当にそうですね。おかげで、こうして参加させていただくことができました!
――福島さんと雨宮さんは、全国での先行上映グリーティングに出演されていて印象に残った出来事はありましたか?
福島:本当に「待ってました!」っていう目とか感情とか、声には出さなかったかもしれないですけど、会場の皆さんの前のめりな空気感を、全国どこでも一律に感じたというか。本当に『このすば』で全国の人と繋がっているんだなって、はっきりと自覚できたのが僕的には本当に嬉しくて。
今までは関東近郊でしか『このすば』のイベントは開催されていなかったので、全国での反響というのは想像でしかなかったんですけど、本当に自分の足で行ってみて、全国に『このすば』が届いているのを実感として得られたのは大きかったです。おかげで、自分もより広く、熱量を込めて『このすば』を発信できるようになったとも感じていて、すごくいい経験ができたと思っていますね。
雨宮:思いっきり笑う会場もあれば、真剣に話を聞いてくれる会場もあって。私が参加させてもらったのは、東京と名古屋と大阪でしたが、表現の仕方は違えど、その奥にはみんな同じ「ずっと待ってたよ」という気持ちや、『このすば』に対する熱い想いや愛情みたいなものを感じられたのが、本当に嬉しかったです。
あと、お客さんが老若男女、いろんな世代の方がいらっしゃっていて、こんなにもいろんな方が見てくださってるんだなって。国や年齢や性別も問わず、みんなに面白いと思ってもらえる作品なんだと改めて実感しました。
福島:ギャグがいろんな人をつないでくれているなと。一部にだけ刺さるんじゃなくて、本当にみんなで“面白い”っていう感情を共有できている気がしますね。