最近のバーキンのコラボってなんかすごくない? 株式会社ビーケージャパンホールディングス 野村一裕 社長が語る「バーガーキング×WIND BREAKER」コラボの真実!
予算が限られてる企業だからこそ、心から良いと思った作品とコラボをしていきたい
――コラボ開始日のお昼時にグランドスケープ池袋店に行きましたが、入口近くまで女性のお客様が並んでいたのを見て、これはすごいと思って社内に企画を通したのがこのインタビューの発端でした。
野村:そうだったんですか。ちなみにどうして僕がアニメを気にするかというと、理由は2つあります。
ひとつはワッパーは昔からいわゆるオタクの皆様の心を掴んでいて、それはアニメイトのお客様にも近いんです。実際、アニメイトの近くの店舗は売上が良いんですよ。だから、グランドスケープ池袋店は大成功ですし、蒲田(蒲田駅東口店、蒲田駅東急口店)や秋葉原(秋葉原昭和通り店)もそうですが、オタクの通り道に出店すると食べに来てくださるんです。
だから、出店検討時にも「アニメイトがあるから、ここはいけるんじゃないか」みたいにアニメイトが近くにあるかは意識しています。
――たしかに先ほど話に出た新宿東口店も、少し歩くとアニメイト新宿があります。
野村:はい。もうひとつの理由は、バーガーキング自体はアメリカのブランドですので、ダイバーシティ(多様性)やユニティ(団結・結束)といった、みんなで仲良くやろうというのをブランドとしては打ち出したいんです。
昔はオタクに対してネガティブなイメージがあったと思います。でも、今やオタクというのは誇らしいことですし、何かを推すということはキラキラしていて、普通の人たちもみんなオタクになっているじゃないですか。だから、オタクであることは普通なんだという気持ちでいてほしいというのが、僕たちが打ち出しているアニメコラボなんです。
――そうすると社内でも『WIND BREAKER』は人気があったのでしょうか?
野村:実は、僕が『WIND BREAKER』の話を社内にした時に、宣伝・PR担当はあまり作品を知らなかったんです。そこで、まずはみんなに作品を読むところから始めてもらったら、そのタイミングで偶然に『WIND BREAKER』が渋谷ジャックをしたんです。
||◤ TVアニメ
— 公式『WIND BREAKER(ウィンドブレイカー)』 (@winbre_sakura) April 2, 2024
「WIND BREAKER」
渋谷ジャック ◢||
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📣#ウィンブレ が
渋谷の街をジャック‼️
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録り下ろしのキャラクターボイスが流れるアドトラックも走行中🚚💨💨
ぜひ渋谷の街で「WIND BREAKER」を探してみてください✨
▼詳細はこちら… pic.twitter.com/rSJLNGTuwQ
それで僕が「これがウィンブレ(『WIND BREAKER』の略称)だよ!」と言って、社内的にも作品の面白さが広がっていった結果、コラボの相談をさせていただきました。
我々も予算が限られてる企業だからこそ、心から良いと思った作品とコラボをしていきたいんですね。しかも、アニメがヒットするより前にコラボを相談するような、そういうチャレンジをするブランドであると思っています。
渋谷センター街店を見ていただいたかもしれませんが、ああいう「バーガーキング® 東風商店街店」みたいなこともリアルでやってしまうようなガチオタであることが伝わったら良いですね。
人気アニメ『WIND BREAKER』とのコラボ店舗!
— バーガーキング・ジャパン (@BURGERKINGJAPAN) April 19, 2024
桜 遥など“ボウフウリン”メンバーが働く『バーガーキング東風商店街店』が期間限定で渋谷センター街にオープン!
もれなくアクリルスタンドが付いてくる『バディーバーガー』セット3種をアニメの世界観とともに楽しもう!
期間限定!#バーガーキング pic.twitter.com/6XarSwpS27
――そのガチオタ感は個人的には感じていまして、正にその渋谷センター街店がコラボに合わせて期間限定で「バーガーキング® 東風商店街店」になったり、このアクスタも枠までデザインされたものが付いてくるとは思いませんでした。
野村:そうでしょ(笑)。それも社内でキャラクターと台座だけにするか、枠ありにするかのミーティングがありました。あと、アニメイトさんの店舗でみなさんがどういう買い方をしているのかも観察しました。そうしたら枠ありの方は2個買っていく方がいるんです。1個は組み立てて飾って、もう1個は枠のまま保管するからなのか、みなさん大体2個で買っていくんです。
――たしかに飾る用と保管用で、2個買われる方は少なからずいると思います。アクスタ自体のデザインもそうですが、モバイルオーダーすると完了画面にポコっとキャラクターが出るのも偶然に気付きました。こういった企画も野村社長からの発案ですか?
野村:各施策のディテールは僕ではありません。アニメと原作で異なる部分もあるので、ちゃんと中身を掘って、どういう内容なのか話せないと駄目だよ、といった指導はしています。ただ、ディテールに関しては代理店や、うちのマーケ部門が話し合ってアイディアを出しています。
――では、今回の「仲間(バディー)がバーガーを旨くする。」というテーマでソースを普段と変えてみようというのも、社内から挙がってきたアイディアなんですね。
野村:ただ、完成形に至るまでに、没になったアイディアも色々とありました。桜遥の好物がオムライスということで、新商品開発部が「オムライスバーガー」を試作で持ってきたことがあるんです。このオムライスバーガーは美味しかったんですが、「卵を使ったからオムライスで、オムライスだからウィンブレ、みたいなのはファンにも悪いから止めよう。折角だったら僕たちの自信のある味でいこうよ」と話しました。
結果、何個も試作していく中で、新商品開発部が仲間というのは対(つい)の話だということで、「バディーバーガー」としてソースを2つ掛け合わせてみるのはどうですか、と提案がありました。それがかなり美味しくて、これでいこうとなりました。
――ボツになった「オムライスバーガー」というのもかなり気になりますね……。
野村:そうですよね。僕も気になって進めてみなと指示して実際に食べてみたんです。そうしたら全然お米が入っていなくて「オムライスじゃないじゃん」と言っちゃいました。
――スクランブルエッグみたいなものがビーフパティの上に乗っていたんですか?
野村:そうなんです。それって中途半端じゃないですか。小さいオムライスが本当に入っていて、食べたら美味しかったらそれも良いかなと思いますが、オムライスなのにお米が入っていないとか僕はそういうのがダメなんです。やはりリアルにやりたいので、それであればオムライスから離れて「仲間(バディ)」というテーマでやろうとなりました。
――あと、『WIND BREAKER』は女性ファンも多い作品なので、ワッパーではなくワッパーJr.というのがちょうど良いサイズ感ですよね。ワッパーJr.とフレンチフライとドリンク、そしてアクスタが付いて990円というのは、たしかにお得に感じました。
野村:若い女性が来てくださると考えた場合、あんなに大きいワッパーのサイズで出しては駄目なんです。お店の席に座って蘇枋君のアクスタを立てて、さあ食べようとなった時にあんなに大きいワッパーが出てきたら、そこでコラボを楽しんでもらうストーリーが終わってしまいます。
可愛い、食べたい、と思えるサイズでないと駄目なんです。だからワッパーJr.のサイズにしました。
※編集部注:ワッパーの製品重量は277gで、ワッパーJr.は145gと約半分の重量(公式HPのカロリー・アレルゲン情報より)。ちなみに某有名チェーンのハンバーガーは104gとのこと(某有名チェーン公式HPの栄養情報一覧より)。