『好きでも嫌いなあまのじゃく』試写会の公式レポートが到着! 小野賢章さん、富田美憂さんが学生のお悩みに回答
2024年5月14日(火)に新宿バルト9にて実施された、映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』完成披露試写会の公式レポートが到着!
声優の小野賢章さん、富田美憂さん、監督の柴山智隆氏が登壇し、さまざまな裏話を披露したほか、来場者のお悩みに回答し、盛り上がりを見せました。
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』完成披露試写会公式レポート
新進気鋭のクリエイターが集まるスタジオとして注目を集めている「スタジオコロリド」の長編第4弾となる本作は、“少年”と“鬼の少女”が紡ぐ青春ファンタジー。“みんなに嫌われたくない”という想いから、気づけば頼まれごとを断れない性格になってしまった高校1年生の柊と、天真爛漫な鬼の少女・ツムギの出会いから始まる物語を描く。
本日、完成披露試写会が行われ、声優を務めた小野賢章、富田美憂、監督の柴山智隆が上映前のイベントに登壇した。
柊を演じた小野は、「スタジオコロリドさんの作品には、『泣きたい私は猫をかぶる』に出演をさせていただいたので、またオファーをいただけてすごくうれしかった」と感無量の面持ち。脚本を読んで「(演じる役柄が)こ、こ、こ、こ、高校1年生だぞ!ということが、まず一番の衝撃でした」と振り返って会場の笑いを誘いながら、「気持ちの部分でどれだけ若くできるかなというところがポイントだと思いつつも、柊とツムギの心情の変化が丁寧に描かれていたので、流れに身を任せれば大丈夫だなと思いました」と脚本や監督、スタッフを信じて現場に飛び込んだという。
一方、ツムギ役の富田は「若い2人が主人公。自分もこれくらいの年齢の時には、反抗期があったなと思い出した。自分のちょっと苦い思い出や、キラキラとした気持ちを思い出しながら、演じさせていただきました」と役作りについて明かしていた。
監督を務めたのは、『泣きたい私は猫をかぶる』で長編監督デビューを飾った柴山智隆。小野に柊役をオファーした理由について、柴山監督は「賢章さんは、『泣きたい私は猫をかぶる』で主人公の親友役を演じていただいた。最初から信頼していました。真面目で誠実な人柄と、奥底に秘めた想いを感じる深みのある声。柊にぴったりだなと、最初から決めておりました」とコメント。プロポーズのような言葉に、富田から「おめでとうございます!」と声がかかる中、小野は「ありがとうございます。すごくうれしいです。それに応えるために、一生懸命に頑張りました」と目尻を下げた。
さらに「富田さんについては、音響監督さんと密に話をして、この作品の内容とツムギのキャラ性を考えて、候補を出してもらった。そこで富田さんのボイスサンプルを聴いたり、過去作も観させていただいて、迷わずにぜひお願いしたいと思いました」とこちらも絶大な信頼と共に任せたそうで、「ツムギは、人間世界に来た鬼の少女。特別な声の方にお願いしたいと思っていた」と続けると、「泣いちゃうな」と喜んだ富田は、「小さな頃から『変な声』だと言われてきた。この声に産んでくれてありがとう、ママって思いました」とうれしそうな笑顔を見せていた。
アフレコに話が及ぶと、小野は「作品の世界観とキャラクターについて、丁寧に説明していただいて、収録も時間をかけて行われた。全部録り終わった後に、スタッフさんと『終わりましたね!』とサンドイッチを食べて。すごく楽しかったです」、富田も「キャラクターと向き合う時間を、長く作っていただいた。私が人見知りなので話せずにいたら、賢章さんが『最近の子たちの間では、何が流行っているの?』と聞いてくださった」とお礼を述べるなど、和やかな雰囲気で収録が進んでいったという。柴山監督は「最初から、柊とツムギだった。感心するばかりでした」と第一声からすばらしい演技を披露した2人に感謝していた。
またこの日の会場には、学生を中心とした10~20代前半の観客が来場。“隠した想い”が映画のテーマとなることにちなみ、来場者から事前に悩み事を募集して登壇者がアドバイスを送る場面もあった。
「仲良くなりたい子がいても何を話せばいいのかわからず、なかなか話しかけられません。どうすれば人とうまく話せるでしょうか?」とコミュニケーションについての悩みが寄せられると、小野は「難しいですよね。何を話したらいいか、わからなくなることもある」と思案しつつ、「知り合いにすごい“コミュニケーションお化け”の友達がいる」とにっこり。「すごいなと思ったのは、その人は『好きな色は何ですか?』とか聞くんです。なんでもいいから質問してみるのは、一つの手だと思う。ポンと質問を投げかけることで、そこから会話が発展していくこともある。あと僕の場合は、自分の失敗談をしちゃったり。自分をさらけ出さないと、向こうも近づいてくれなかったりするので、そういうことを意識的にやったりします」と経験をもとにアイデアを繰り出した。すると富田も「質問をして、『あなたに興味があります』と投げかけるようにしている」と同調。「相手の目を見て話すことも大事だなと思います」と話していた。
さらに声優を目指して頑張っているが、「自分の成長があまり感じられなかったり、意味がないとわかっていても他人と比べてしまったりして、たまに『本当に諦めずにやっていけるのか』と不安になることがある」と気持ちがマイナス方向に行ってしまった時の、立ち直り方についても質問が上がった。小野は「好きなことをやって、忘れるようにしています。僕はゲームをやることが多いです」と回答。「マイナスに考えがち」という富田は、「よく母親が、『よそはよそ、うちはうち』と言っていた。私にはこれはできないかもしれないけれど、逆に、私だからできることもあるかもしれない。そう考えるようになってから、少し楽になりました」と母からの名言を支えにしていると語っていた。
登壇者陣の息ぴったりのトークに笑い声が上がったり、お悩みの答えに大きくうなずく観客も見受けられるなど、温かい雰囲気いっぱいの濃密なイベントとなったこの日。最後に小野は「人と人とのコミュニケーションってすごく難しいなと思いますし、他の人の気持ちが可視化できたらいいなと思うこともあるけれど、そうもいかない。だからこそ、コミュニケーションって面白いのかなと思います。この映画には、悩んでいることへの解決のヒントが散りばめられているのかなと思います。一つでもそれを感じ取って、楽しんでいただけたらうれしい」、富田も「この作品を観た後には、自分も勇気を出してもいいのかなと思える作品。『家族や友達に、言いたかったことを言ってもいいのかな』と思っていただけたらうれしい」と励まされるような映画だと熱っぽくアピールしていた。
『好きでも嫌いなあまのじゃく』作品概要
あらすじ
季節外れの雪が降ったある夏のこと。
いつも通り頼まれごとを頑張ってみたものの、やっぱり“何か”が上手くいかない。
「なんだかな」と家に帰る途中、泊まるあてがないというツムギを助けるが……その夜、事件が起きる。
とあることで父親と口論になりそうになるも、“本当の気持ち”を隠してしまった柊。言葉にできない何かを抱えながら、部屋で居眠りをしてしまう。ふと寒さで目が覚めると、部屋が凍りついていて!?柊はお面をつけた謎の化け物に襲われるが、異変に気付き助けに来たツムギとふたりで、部屋を飛び出す。
一息ついた先でふとツムギの方を見ると……彼女の頭には“ツノ”が!?
ツムギは自分が“鬼”で、物心つく前に別れた母親を探しにきたという。そして、柊から出ている“雪”のようなものは、本当の気持ちを隠す人間から出る“小鬼”で、小鬼が多く出る人間はいずれ鬼になるのだと……。
柊はツムギの「お母さん探しを手伝って欲しい」という頼みを断り切れず、一緒に旅に出ることに。しかし、時を同じくして、ツムギの故郷・鬼が暮らす“隠の郷(なばりのさと)”でも事件が起きていて――。
キャスト
(C)コロリド・ツインエンジン