知っておきたいBL用語解説「腐女子」の意味とは? 関連用語やタイプ別のオススメBL作品もご紹介!
男性同士の恋愛を題材としたBL(ボーイズラブ)作品は近年人気を増し続け、漫画や小説、ドラマ、アニメ、映画など幅広い媒体で展開。日本だけではなく世界的にもニーズが高まっています。
電子書籍の普及をきっかけに誰もが作品に触れやすくなり、加速するメディア化によって新たなファンも獲得しているBL作品。【攻め】と【受け】の属性、ストーリーについても純愛ものや拗れた恋愛模様などそのジャンルは多種多様で、作品を嗜むにあたって様々なBL用語を目にすることがあるでしょう。
そんな気になる用語のなかから、本稿では「腐女子」の意味を解説。関連用語やタイプ別オススメBL作品もご紹介します!
「腐女子」の意味とは?
「腐女子」とは、男性同士の恋愛を描く作品(ボーイズラブ(BL))を好む女性のこと。年齢を重ねた腐女子を表す「貴腐人」という言葉もあり、同じ趣味を持つ男性は「腐男子」と呼ばれています。
「腐女子」の由来は諸説ありますが、BL要素を含まない作品において男性同士が恋愛関係になるのを妄想することに自虐の意味を込めて「腐っている」と表現し、「婦女子」をもじって「腐女子」という言葉が生まれたとされています。
また「隠れ腐女子」という言葉もあり、こちらはその名の通り、腐女子であることを隠している人のこと。口にはせずとも、推しカプの色や概念を持ち物などにさりげなく取り入れているという人も。隠れているけど実は腐女子だという人は多いでしょう。
「腐女子」と「オタク」の違い
「腐女子」は「オタク」と混同されることがありますが、両者は似ているようで異なる言葉。女性オタク全般を「腐女子」と呼ぶのは誤用と言えます。
男性同士の恋愛の妄想を楽しむなど基本的にBLを好む人のことを指す「腐女子」に対して、「オタク」とはジャンルを問わず自分の好きなものに熱中する人、愛好者のことを指します。
つまり「オタク」というカテゴリーの中に「腐女子」は含まれるものの、「オタク」と「腐女子」は同じ意味ではないのです。
「腐女子」は4つのタイプに分類されることも
「腐女子」とひとことで言っても、人によって好みや求めるものは様々。明るい話を好む腐女子を指す「光の腐女子」、暗い話を好む腐女子を指す「闇の腐女子」といった言葉も出てきました。
BL情報サイトちるちるの「BLオタク属性チャート診断」が話題となり、「光の腐女子」「闇の腐女子」「黄昏の腐女子」「夜明けの腐女子」という4つのタイプに分類されることもあります。
タイプ別のオススメBL作品をご紹介
光の腐女子
「光の腐女子」は一般的にハッピーエンドを求めており、絶対にふたりに幸せでいて欲しいタイプとされています。萌えがいっぱいの穏やかな日常BL、ラブコメなど多幸感に包まれる作品が好きという方が多い印象です。
◆オススメ作品
幸せいっぱいの作品を読みたい方にオススメしたいのは、 宮田トヲル先生の『デリバリーハグセラピー』。
一番近くにいた親友が結婚してやさぐれていた29歳の桜庭貴一は、顔が良い20歳の大学生・木島 尚と出会い、一度ハグをしてもらって癒やされたことをきっかけに、その心地良さにどんどんハマっていきます。これまでの経験により恋愛が面倒だと感じていた貴一でしたが、尚のことがどんどん愛おしい存在に。
疲れた三十路を包み込んでくれる可愛い尚。とはいえ、大事なのは癒すのが尚だけではなく、貴一が尚のことを知りたいと思うようになり甘やかしたくなっていくということ。絶妙なコミカル感も交えつつ、惹かれ合ってお互いに浄化されていくのが心地良い作品で、疲れた心にも染みこんでいく極上のセラピー本です!
◆『デリバリーハグセラピー』作品情報
著者: 宮田トヲル
出版社: リブレ
レーベル: ビボピーコミックス
〈あらすじ〉
人生お疲れモードな桜庭貴一、29歳。独身を誓いあった親友は結婚してしまうし、恋愛も気がつけばご無沙汰ぎみ――。親友の結婚式の帰り道、やさぐれた貴一は馴染みのバーで酔っぱらって寝こけてしまう。目を覚ますとつやつやピカピカのイケメンが目の前にいて!?この夜をきっかけに、貴一は20歳の大学生・木島 尚と週に一度だけハグをする仲になるが――?気がついたら無性に、愛おしくなってしまった。極上のセラピーラブ?
(公式サイトより引用)
闇の腐女子
「闇の腐女子」はバッドエンドもどんとこい!で、シリアス、闇落ち、狂気、流血などなど……ダークな展開や激しい描写も好む人が該当します。闇が深ければ深いほどいい。その重いストーリーを読まずにはいられないという人もいるのではないでしょうか。
◆オススメ作品
闇を感じる作品を求めている方にご紹介したいのは、ためこう先生の『泥中の蓮』。真面目な優等生の弟×男に体を売る兄──二人暮らしをする兄弟の歪な執着愛を描く作品です。
両親が早くに亡くなり、普通に稼ぐより楽だからと男と寝ている橘 元春。彼にとって5歳下の弟・秋生は泥の中で咲く蓮の花のごとく唯一の希望。そんな兄を見つめる秋生は、実は綺麗なふりをしながら自慢の弟を演じていました。ダメな兄のままでいて欲しいし、もっと汚されて欲しい。それは、兄が誰からも見捨てられたときに自分だけのものにできるから。
仄暗いストーリーのなかに兄弟の確かな愛があり、そこに潜む深い闇に引き込まれてしまう本作。絶対ネタバレを見ずに!最後まで読んでほしい作品です。
◆『泥中の蓮』作品情報
著者:ためこう
出版社:祥伝社
レーベル:on BLUE comics
〈あらすじ〉
「もっと汚されてよ。誰も近寄らなくなるくらい。そうしたら――――オレが一番優しく抱くよ。」 優等生弟とウリセン兄。世界に二人だけならよかった――。
両親を早くに亡くし、二人暮らしの橘(たちばな)兄弟。しっかり者で真面目な弟・秋生(あきお)は、男に体を売って金を稼ぐ兄・元春(もとはる)に恋をしている。
秋生が兄の乱れた性生活を不満に思わないのは、兄がいつか誰からも見捨てられた時、側にいられるのは自分だけだと信じているから――。
巨弾新鋭・ためこうが放つ、業深き兄弟の歪な執着愛。
(公式サイトより引用)
黄昏の腐女子
「黄昏の腐女子」は一般的にハッピーエンドもバッドエンドも、どちらも受け入れられる人、そのふたりの愛と結末を噛み締められる人が該当します。周りから見たら不幸でもふたりが幸せならそれでいいし、メリバOKという人も少なくないでしょう。
◆オススメ作品
切ないストーリーに浸りたい方にオススメしたいのは、暮田マキネ先生の『還らずの夏』。珠玉の短編集から、表題作『還らずの夏』をご紹介。「愛してるから、さようなら。」──切なくて悲しくて愛おしい、そしてその結末の余韻に包まれる作品です。
物心つく前から、何をするのもどこへ行くのも一緒だった若草 陽と田富奈津。けれど、ふたりで過ごす時間は「永遠」ではありませんでした。
苦しむ陽に告げた奈津の言葉がとても辛い。その言葉を言わなければならないなんて……奈津の想いや悔しさに涙が止まりません。いつまでも心に残る、儚くも優しい愛の物語です。
◆『還らずの夏』作品情報
著者:暮田マキネ
出版社:三交社
レーベル:Charles Comics
〈あらすじ〉
「高校出たらさ、二人で暮らさね?」陽(はる)と奈津(なつ)は物心つく前から、何をするにもどこへ行くにも二人一緒だった。ずっと、こんな日々が続くと信じていたのに―――君がいない夏がくる
(公式サイトより引用)
夜明けの腐女子
「夜明けの腐女子」は一般的に「光の腐女子」と同様、ハッピーエンドの作品を好みます。ただ、その過程は紆余曲折あり、しんどい場面に何度も遭遇。最後にふたりが結ばれて幸せになるなら、途中の闇落ちや別れなども大丈夫だという人も多いようです。
◆オススメ作品
闇から抜けて光が差すような作品を求める方にオススメしたいのは、本郷地下先生の『メトロ』。闇を抱える男・忍×抑圧に苦しむ少年・水葵の、背徳的な関係を通して心を通わせていくストーリー。
母親から抑圧され続けてきた水葵は、通学中の電車内で、いつも同じ時間の同じ車両で、手に傷がある見知らぬ男に体を触られていました。その行為を受け入れてしまう水葵は彼を見つけ出し、電車での行為以上のことを教えてもらうという取引を持ちかけます。
その謎めいた男・忍は水葵の“命令”に淡々と応えていき、ふたりの奇妙な関係が続くなかで、無感情だった忍にやがて変化が現れるようになり、水葵もまた一歩を踏み出せるように。ほんのり光が差し始めるふたりの、その先も知りたくなってしまうような作品です。
◆『メトロ』作品情報
著者:本郷地下
出版社: 集英社
レーベル:ドットブルームコミックスDIGITAL
〈あらすじ〉
性に対して親から抑圧され続けてきた水葵は、通学中の電車内、いつも同じ時間、同じ車両で、見知らぬ男に体を触られていた。逃げることは出来たのに、その行為を受け入れてしまう水葵。
ある時、水葵はその男――忍を見つけ出し、取引を持ちかける。「…教えてください。電車でした、それ以上のこと」
マゾヒスティックな水葵の“命令”に、淡々と応えていく忍。しかし、背徳に耽り、欲望に溺れる日々の中、無感情だった忍にも、次第に変化が訪れ始め……。
闇を抱える男×抑圧に苦しむ少年の、生々しくも美しい、インモラリティ・ボーイズラブ。
(公式サイトより引用)
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