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- 笹本千尋
- 1998年生まれのフリーライター。アニメ文化とアンティーク雑貨と絵を見ることが好きです。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』鬼太郎の父や『忍たま乱太郎』土井半助を演じる声優の関俊彦さんについて、みなさんはどれほどまでご存じでしょうか?
筆者は2023年11月に公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』にて、関さんのことが気になり始めていた新参者。そして、今年12月公開予定の映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』の特報映像を拝見した際に、幼少期より馴染みのあった土井先生(土井半助)も演じられていることを知り、ますます関さんのことが気になっていました。
SNSのみなさんの反応を見ていると、私と同じような流れで関さんを気になり始めている方が多いように感じます。『忍たま乱太郎』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』から関さんのファンになった方も少なくはない印象です。
そこで私は思ったのです。「関さんが演じたキャラクターを調べてみよう!」と。ということで今回は、関さんのことが気になっているみなさんと一緒に、関さんが演じたキャラクターの数々の魅力について考えていこうと思います!
関さんがこれまでに演じてきたキャラクターを調べていくにあたって、「え?! このキャラやあのキャラも?!」と驚きました。おそらく子供の頃は声優さんをあまり意識せずにアニメを見ていたからだと思うのですが……。
今回はキャラによるお芝居の振り幅が、比較的分かりやすいと感じた動画をピックアップしています。ぜひ、みなさんもお芝居の聞き比べを楽しんでみてください!
『仮面ライダー電王』では主人公・野上良太郎に憑依した最初のイマジン・モモタロスの声を演じられています。
『電王』は小学生だった頃、リアルタイムで観ていたのですが、最近になり関さんがモモタロスの声だということを知り驚きました。特撮を常に観ているというわけでもないのに、「俺、参上!」という台詞を聞くと「あ、電王だ。モモタロスだ」と作品を思い浮かべるぐらい聞き覚えがあるような気がします。
強気で言葉遣いも荒いのに、声色からどこか面倒見が良さそうな雰囲気を感じたのですが、みなさんはどうでしょうか? すごく後輩に好かれそうで、情に厚い、頼りになる兄貴みたいな印象を受けました。
また、ほかのイマジンのウラタロス(CV:遊佐浩二さん)・ キンタロス(CV:てらそままさきさん)・リュウタロス(CV:鈴村健一さん)と一緒に歌っている主題歌「Climax Jump」のカバーも併せてご紹介させてください!
『鬼滅の刃』では、闇夜に君臨する鬼の始祖・鬼舞辻無惨を演じられています。
物語の中では禰豆子を鬼に変えた人物で、炭治郎の宿敵という役どころ。動画の「私は限りなく完璧に近い生物だ」というひと台詞をとってみても、静かな声色で冷徹さがあり、憎しみのようなものも少し含まれているように感じました。
短い台詞ではありますが、初見の方からみても「このキャラクター、過去に一体何があったんだ」とミステリアスな雰囲気で、思わず気になってしまうようなお芝居だなと思いました。
『最遊記』シリーズでは第三十一代唐亜玄奘三蔵法師・玄奘三蔵/金蝉童子を演じられています。
言葉遣いが荒いという点では『電王』のモモタロスと通ずるものもあるのかもしれませんが、三蔵は声色からかなり大人な印象を受けました。ちょっとぶっきらぼうな物言いだったり、煙草を吸っていたりするキャラなので、お芝居からもそういったキャラの要素を感じることができます。声からキャラの「自分はこう生きるんだ」っていう信念を感じるというか。
あと、玄奘三蔵による「般若心経」読経CDが発売されていると知った時はびっくりしました……キャラの声を出しながら読経をするなんて、関さんってすごいなと改めて感じます。
『刀剣乱舞-ONLINE-』では福岡一文字派の作とされている太刀・一文字則宗を演じられています。
最初に声を聞いた印象は「優雅」でしたね。おそらく、そう感じたのは声の抑揚がゆるやかながらもハッキリとついているからなんじゃないかなぁと。例えば、2つ目の動画には「すぐに戦闘準備を整え、集合。監査官到着を待て」という台詞がありますが、抑揚がついていることが分かります。
歌うように、流れるような台詞の話し方がキャラクターの上品さを際立たせているようにも感じました。どことなくボス感もあるので、大人しい雰囲気の強キャラにも感じます。
『炎の蜃気楼(ミラージュ)』では主人公・仰木高耶を演じられていました。
こちらはドラマCDなのですが、若干台詞が早いのでしょうか? 個人的には、現実での会話のテンポに近く、仰木というキャラクターがよりリアルに感じました。動画冒頭でため息をついていたりと、台詞はないけれどキャラの感情を表している場面が多くて、お芝居の表現の幅の大きさが分かります。
最初は気だるげにバイト(?)をしているのに、客からやる気のなさを指摘されると誤魔化すように取り繕ったり、キャラの感情の起伏が分かりやすく伝わってきます。あと、ご紹介した中でも声色が特に若く感じます。
『聖闘士星矢 セインティア翔』では、十二人の黄金聖闘士のひとりであり、天蝎宮(てんかつきゅう)の守護者・ミロを演じられています。
私は本作を未視聴ではあるのですが、台詞からは周りを律するような、覇気を感じました。声色は先ほどの『炎の蜃気楼(ミラージュ)』仰木と比べると、歳をとっているけれど大人すぎず、若さが感じられました。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』では鬼太郎の父であり、かつての目玉おやじを演じられています。
声色的には『刀剣乱舞-ONLINE-』の一文字則宗と近いものを感じますが、鬼太郎の父の方が凛としている、飄々としている感が否めないような……。だけど、その声色やお芝居のなかにも、妻を想って泣くシーンがあったり、父としての温かさを感じるところがあります。
人間ではない幽霊族のひとりの父という神秘さを含んだ存在、というのが声のトーンからも伝わってくるようです。
最後にご紹介するのは、『忍たま乱太郎』忍術学園一年は組の担任の先生・土井半助。
この動画ではあまり台詞はありませんが、やはり先生なだけあってお芝居からも優しさや面倒見の良さがとても溢れているんですよね。「包容力」「慈悲」というような言葉がぴったりかも。
動画での台詞で「補習、倍にする」という言葉があるのですが、文面だけでみるとちょっと怒っているのにも関わらず優しさが感じられてしまうのが凄すぎる……!
みなさん、いかがでしたでしょうか? こう真剣に調べてみると、あまり専門的なところは分からないにしろ、関さんの作品による声の音の変化やお芝居の幅が知れてとても面白かったです。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』で関さんを知った新参ではありますが、幼い頃から親しみのある『忍たま乱太郎』『仮面ライダー 電王』『最遊記』のキャラたちを演じられていたことが感慨深い……というか、「ここが繋がるんだ……!」という個人的な驚きと懐かしさがありました。
そして、関さんが演じる土井先生にスポットが当たった『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』も今年公開なので、今から楽しみです。
もし今回の紹介で気になる作品がありましたら、ぜひ観てみてください! 声優というお仕事って改めてすごいですね。
[文/笹本千尋]