堀江由衣さんニューアルバム「文学少女の歌集Ⅲ-文学少女と夜明けのバス停-」リリース記念インタビュー|「今回は、しっとりとした夏のエモさをイメージしました」
既存シングル「秘密の庭のふたり」ほか全11曲を収録!
――2022年にデジタルリリースされたシングル「秘密の庭のふたり」も収録されています。
堀江:TVアニメ『最近雇ったメイドが怪しい』のエンディング主題歌だったこともあって、すごく華やかな曲ですよね。私が演じていたキャラクター目線の曲なんですけど、恋愛になりそうでならなさそうな2人を、恋愛脳の女の子が見守っているみたいな歌詞です。
改めて聴くと、思ったよりテンポが速いなと思いました(笑)。そのテンポ感が楽曲の華やかさにあっていて、元気が出る曲です。でも、どこかエモさもある曲なので、今回のアルバムのテーマにもあっているのかなと思っています。
――ほかの収録曲についても、何曲かご紹介いただけたらと思います。まずは、「夜明けのバス停」。聴いていると情景が浮かんでくるような曲ですね。
堀江:最初にデモをいただいた時に、壮大だけどちょっと短めの曲でイントロダクションっぽい雰囲気があったんですね。でも、それがすごくすてきだったのでフルコーラスで作っていただきました。
最初は、森の妖精さんみたいなイメージの曲だったんです。それをもう少し私たち目線というか、自分たちの日常みたいなところに落とし込んだ曲にしてもらって、がんばって戦った夜明けみたいなものを形にしてもらった感じです。
――今回のサブタイトルと同じタイトルですが、楽曲先行だったのでしょうか。
堀江:どっちが先だったかな。最初は、どちらも全然違うタイトルだったんですよ。「夜明けのバス停」になるまで、長かったような気がします。
歌詞の中に「夜明けのバス停」というフレーズがあって、スタッフさんが「これ、いいんじゃない?」と言ってくださったんですけど、その前にジャケット写真として夜明けのバス停っぽいイメージの写真を撮っていたのもあって「世界観に合うね」と同じタイミングで決まったように思います。
でも、実はその撮影した場所、バス停じゃなくて電車の駅なんです(笑)。でも、イメージしていた世界観や雰囲気は一緒なので、結果的にタイトルにも合ってよかったなと思っています。
――そして、「夏は短し、恋せよ乙女」。これは、爽快感のあるサウンドに、ほろ苦い歌詞が乗せられたナンバーになっています。
堀江:自分の中では、ちょっと変わりダネのような楽曲かなと思っています。「今年の夏は何しようか 借りた漫画も読んでないし」とか、実家の2階の畳の部屋に布団を敷いてゴロゴロしながら考えている、というイメージが浮かんできて、その日常感がいいなって。自分の中でイメージしていた夏のエモさにぴったりな楽曲かなと感じています。
――「Love me Wonder」は、前作に続くsajiのヨシダタクミさんとのタッグですね。
堀江:これはオープニング感があるというか、夏の爽快感が詰まっていますね。夏をテーマにしたアルバムなので、そういった雰囲気の楽曲も欲しかったんです。その方向性の楽曲なら世界一!みたいなヨシダさんに作っていただきました。
前作で3曲ほどヨシダさんに作っていただいたこともあり、既に確かな信頼感があったので、夏らしい青春っぽさ、エモさみたいなところだけお伝えして、あとはお任せでお願いしました。すると、この曲を作ってくださったのでさすがだなって。エモさ爆発!って感じです。
ただヨシダさんの楽曲は息継ぎするところがないんですよね。倒れそうになりながら、レコーディングしていました(笑)。キーも、基本は低めなんですけどサビで高くなるので、その高低差も大変でした。
推し活をテーマにした楽曲も!
――軽やかなエモさのある楽曲の一方で、「Starry night」といったしっとり系の楽曲もありますね。
堀江:自分としては、あまりバラードが得意ではないなと思っているんですけど、この曲はメロディーがすごくきれいでいいなと感じたんです。
今までも星をイメージした楽曲を歌わせていただくことがあったので、今回はそこまで星にこだわらなくてもいいかなという気持ちもあったんですけど、歌詞になった時の夏の夜っぽさが今回のアルバムにぴったりだなと、「Starry night」というタイトルになりました。
――ドラマチックな曲展開が印象的な「水色と8月」は、いかがでしょうか。
堀江:「水色と8月」は、自分が思い描く今回のアルバムのイメージに一番近い曲です。「こういう雰囲気の曲がやりたいです」という大元のイメージに一番近い雰囲気を持っています。前半はピアノ1本で素朴に始まるんですけど、サビは壮大な感じで。「こういう夏もあるよね」というイメージの曲です!
――そして「名前を呼んでくれたなら... ♡」は、堀江さんと言えばおなじみの清竜人さんの楽曲です。
堀江:実は毎回、清竜人さんにはお任せでお願いしているんですけど、清竜人さんはかわいらしい系の曲もお得意なので、今回は「こっちか!」という感じでした。できあがってくるまで、どんな楽曲になるのか分からないので、それが逆に楽しくて。
今回は本当にいい意味で分かりやすくて女の子らしい楽曲だなって。「インモラリスト」みたいなトリッキーな曲じゃなくて、ちょっとホッとした部分もありますけど(笑)。わりと歌いやすいかもしれない、というのが第一印象でした。
――歌詞の随所に♡が入っているのもインパクトがありますね。
堀江:実は最初、言葉の後ろ全部に♡が入っていたんですよ。「さすがにちょっとハートが多くないですか?」とお戻ししてみたら、今度は全部♡がなくなっちゃって。ちょっと怒っちゃったかな……と不安になって、「もう少し」ってお願いしたら♡が増えていって。そんなやり取りもありました(笑)。
――ここまでお聞きした曲だけでも、かなりバラエティーに富んだ楽曲がそろっている感じがします。
堀江:そうですね。コンセプトやイメージは一緒ですけど、楽曲のタイプとしてはいろいろそろっているような気がします。そのほかの曲だと、「Dance Meets Girls」という曲は、「踊りっ娘倶楽部」といういつもライブを盛り上げてくれているダンサーさんたちが、わちゃわちゃしているような楽曲が欲しくて作っていただいたんです。
この曲はちょっとK-POPっぽい雰囲気のある曲なんですけど、ラップパートがあるんですよ。そのラップを歌うのがちょっと恥ずかしかったです。
――堀江さんがラップというのは新鮮ですね。
堀江:普段、あんまりやらないから本当に恥ずかしくて! でも、今後もっといろんなジャンルの曲を歌っていきたい気持ちもあるので、恥ずかしさなんて感じちゃいけないなって(笑)。
あと、今回どうしても推し活の曲を作りたくて生まれたのが「まじめにムリ、すきっ」です。最初は、自分の推し活をする気持ちを作詞しようかなと思っていたんですけど、推し活っぽい曲を集めた時に、歌詞も曲も完成されているコレ!という曲を見つけたので、それを歌わせていただきました。
この曲は、SNSでバズってくれたらいいなと思っているんです。かわいい感じの曲なので、誰か率先して踊ってくれないかな(笑)。
――ちなみに、今堀江さんが一番推し活しているものはなんですか。
堀江:もうこれはずっと変わらないんですけど、とあるアプリゲームのキャラクターをめちゃくちゃ推しています! ファンの方にはもうおなじみだと思いますけど(笑)。
自分が推し活をしているからこそ、いろんな方の推し活の話を聞きたいんですよね。それこそグッズに7時間並んだとか。そういう熱さを歌ってみたいなって。推し活をしている方に共感してもらえたら嬉しいです。