Netflix映画『Ultraman: Rising(ウルトラマン: ライジング)』サトウ・ケン役・山田裕貴さんインタビュー|役を通じて辿る追憶とヒーローの存在意義。<変わりたい>と思っていた時期に出会うべくして出会った作品
『Ultraman: Rising』=『山田裕貴: Rising』!?
ーーデビュー当時からご活躍を拝見しているのですが、山田さんはヒーローを演じることに対して、人一倍強い想いを持っている印象があります。
山田:デビュー作でヒーローを演じたとき、ちょうど震災が起きた年だったんです。「これから1年間ヒーローを演じていくぞ」と意気込んでいた矢先の出来事でした。そんな中でも観てくださる方々はいて、子供たちから沢山手紙が届くんです。「助けにきてくれるって信じてます」って。実際には行けないじゃないですか。「ヒーローなのに何もできない」という気持ちになってしまって。
ただ、元気づけることはできるかもしれない、カッコいいヒーローを見て、「こういうふうになりたい」「お父さんとお母さんを守ろう」とか思ってくれたらいいなって。確信は持てなかったんですけど、ヒーローを演じるという意味を持ち直せたんです。
ーー山田さんの姿に勇気づけられた方は多いと思います。全国を回るイベントでは仙台公演もあって。
山田:子供たちの声がすごくて、「このために僕たちの仕事はあるのかも」と思いました。それがヒーローの存在する意味なのかもしれません。自分たちに何ができるのかをデビュー作で知ることができたのは、個人的に大きかったです。
ーー時を経て、山田さんが今回ウルトラマンを演じると発表されたときはとてつもない反響がありました。最後にお伺いしたいのですが、山田さんにとって『Ultraman: Rising』はどんな作品になりましたか?
山田:本当に出会うべくして出会ったなと思います。実はちょうど、今の自分の状況や親との関係を見つめ直していた時期だったんです。僕自身も“ライジング”しないといけないなと。なので、『Ultraman: Rising』は、『山田裕貴: Rising』でもありますね(笑)。変わりたいと思っていた時期に、この作品と出会えて良かったです。
[インタビュー・写真/小川いなり]