知っておきたいBL用語解説「ブロマンス」の意味とは? 「BL」(ボーイズラブ)との違いや中国ブロマンス作品についても解説!
男性同士の恋愛を題材としたBL(ボーイズラブ)作品は近年人気を増し続け、漫画や小説、ドラマ、アニメ、映画など幅広い媒体で展開。日本だけではなく世界的にもニーズが高まっています。
電子書籍の普及をきっかけに誰もが作品に触れやすくなり、加速するメディア化によって新たなファンも獲得しているBL作品。【攻め】と【受け】の属性、ストーリーについても純愛ものや拗れた恋愛模様などそのジャンルは多種多様で、作品を嗜むにあたって様々な用語を目にすることがあるでしょう。
そんな気になる用語のなかから、本稿では「ブロマンス」の意味を解説。「BL」との違いや、中国ブロマンス作品についてもご紹介します。
「ブロマンス」の意味とは?
「ブロマンス」〈Bromance〉とは、兄弟を意味する〈brother〉とロマンス〈romance〉を合わせた造語。特別な絆で結ばれた男性同士の親密な関係を指します。
お互いを認め合う唯一無二の関係や、作品によっては魂の奥深いところで結びつくような強い絆が見られることも。男性同士の心の繋がりを描く作品は古くから存在しており、漫画、アニメ、実写ドラマなど様々な媒体でブロマンス作品が生み出されています。
ちなみに女性同士の親密で特別な関係は「ロマンシス」〈romansis〉と呼ばれており、こちらはロマンス〈romance〉と姉妹〈sister〉の合成語。恋愛感情は伴わないので「百合」とは違う意味の言葉です。
BL(ボーイズラブ)とブロマンスの違い
男性同士の恋愛を描く「BL」とは違い、「ブロマンス」とは非常に親しいけれど恋愛感情がなく、性的な関係ではない男性同士の関係を指す言葉とされています。
ですので、片想いであっても少しでも恋愛感情が芽生えれば、その関係はブロマンスとは言えません。必ずしも好意と恋愛感情はイコールではなく、ライトなBLとブロマンスも全く違うもので、このあたりは混同されがちなところです。性描写がない、またはほとんどないライトなBLもブロマンスではなく「BL」です。
中華BLとブロマンス
ここからは、中華BLとブロマンスについて解説していきます。中国のブロマンス作品は日本にも続々と上陸しており、実写ドラマでは『陳情令』『山河令』『鎮魂 Guardian』など、アニメでは『魔道祖師』『天官賜福』をはじめとした人気作品が日本語でも楽しめるようになってきました。
『魔道祖師』を例にあげると、アニメと実写ドラマはブロマンス作品ですが原作はBL小説(著:墨香銅臭先生)。BL規制の厳しい中国の検閲対策として、アニメ化、実写化の際にBLをブロマンスとして表現することがあるのです。
『魔道祖師』の実写ドラマのタイトルが『陳情令』であることからも分かるように、中国の原作小説と異なるタイトルでメディア化されることがあります。
魏無羨と藍忘機のカップリングは「知己」の関係として描かれる
『魔道祖師』の原作において、メインキャラクターの魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)は公式カップリング(CP表記:藍忘機×魏無羨)ですが、アニメと実写ドラマにおける魏無羨と藍忘機は「知己」の関係としてふたりの奥深い絆が描かれています。
「知己」とは心を理解し合える友でありソウルメイトのような関係のこと。魂と魂が惹かれ合うようなその特別な関係性に心酔する人も多いようです。
BLが苦手な人にとっては、恋愛や性的描写をカットしてあくまで友情として描くブロマンスだからこそ惹かれるという場合もあり、皮肉にも厳しい検閲制度によって幅広い層から支持される作品となったとも言えそうです。
また、原作ファンは暗喩や行間から恋愛要素を補完することも可能であり、原作を読んでいない人もふたりの関係の深さに触れることができるでしょう。
ブロマンスとして最大限に魏無羨と藍忘機の関係の深さを表現
強い絆で結ばれた魏無羨と藍忘機の激動の運命が描かれる『魔道祖師』。
実写ドラマ『陳情令』では、魏無羨役の肖戦(シャオ・ジャン)さんと藍忘機役の王一博(ワン・イーボー)さんが圧倒的な美しさで原作の世界観を表現。視線や仕草、巧みな演出により原作の魏無羨と藍忘機の関係性にも寄り添いながら見事にブロマンスとして描かれています。
映像美に加えて音楽も素晴らしく、その歌詞からも主人公たちの思いを汲み取ることができるはず。
また、アニメでも魏無羨と藍忘機の深まる絆や寄せ合う心の描写の細やかさが見どころで、ブロマンスとして最大限にふたりの関係の深さが表現されています。
このように、ストーリーに重きを置いた深みのある原作が美しく丁寧にアニメ化、ドラマ化されることで新たな魅力が生まれ、多くの人々の心を捉えて離しません。
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