『アストロノオト』インタビュー連載:内田真礼(豪徳寺ミラ 役)|最終話のほんとのほんとの最後のシーンに注目!?
80年代を彷彿させる懐かしさ、ラブコメ、SF、コメディ……全部が詰まったオリジナルアニメ『アストロノオト』。木造アパート"あすトろ荘"には、宇宙人の豪徳寺ミラ(CV.内田真礼)と住み込み料理人の宮坂拓己(CV.斉藤壮馬)、さらには筋金入りの無職や地下アイドルなどなど、個性豊かな住人たちによるドタバタな日常が繰り広げられています。
ショーインの裏切り、そして宮坂の決死の告白によりミラへの恋がようやく実った第11話。何より、あすトろ荘がミボー星のスターシップで、ロボットに変形するという衝撃展開に度肝を抜かされました。果たして地球に襲来したゴシュ星の皇帝から地球を守ることができるのか!
連載第11回は、豪徳寺ミラ役の声を担当する内田真礼さんにインタビュー!
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ついに結ばれたミラと宮坂。あすトろ荘の料理人・宮坂拓己の魅力とは?
――第11話の台本を受け取ったとき、どう思いましたか?
内田真礼さん(以下、内田):『アストロノオト』って、ここまでで、住人のみんなの掘り下げをひとりずつやってきていたんです。それによって、あすトろ荘のみんなが仲良くなり一致団結してきたときころに、大きな大きな問題というか、ついにやってきた最終決戦というか……(笑)。本当にこんな展開になるとは思ってもいなかったので驚きました。
――まさかロボットアニメになるとは思わなかったです(笑)。
内田:何となくは聞いていた気もするんですけど、第11話と第12話の台本をいただいたときは、「え?」ってなりました(笑)。
――オーディションでも、そんな感じはなかったのですか?
内田:でも「発進!」みたいなセリフがあったんですよ。それと「美味しい」というセリフがあって、これ、どんな作品?って思った記憶があります(笑)。ただ、まさかあすトろ荘がロボットになるとは、思わなかったです。
――キャラクターについてですが、宮坂にとって憧れの存在であるミラを、どのように作って演じていったのですか? 少し舌っ足らずな話し方も、すごくかわいかったのですが。
内田:ミラは、料理ができないとか、大家さんなんだけど頼りないとか、いろいろあるんですけど、「ちゃんとしてなくていい」というのは最初の段階からあったんです。でも、ちゃんとしようと頑張っている。だから、ナオスケ(CV.諏訪部順一)としゃべっているときのほうが、素なんですよね。
(斉藤)壮馬くんが演じている宮坂さんが等身大で、あまりカッコつけないキャラクターだったので、それと同じくらいの人物の出来上がり具合にしようと思っていたし、あまり難しくない人にしたいとは思っていました。
舌っ足らずな感じというのは、ちゃんとしなきゃ!とあまり思っていなかったからかもしれないですね。ただ、それを狙っていない感じで出そうというのはあったかもしれないです。「不束者ですがよろしくお願いします」という感じが、どうやったら出るのかなとか、大人なんだけどぽやっとした感じにしようというのは、意識していたと思います。
――地球の文化を何も知らないで来た宇宙人感が出ていたと思います。斉藤さんとの掛け合いはいかがでしたか?
内田:みんなでずっと録れたので、そこは引っ張ってもらいました。他のキャストの方たちとも、いい影響を受けながらアフレコができたと思っていて、回を重ねるごとに、テンポ感とか関係値の構築ができたと思います。でも、ものすごく豪華な現場ですよね(笑)。
――アフレコは、どんな雰囲気だったのですか? やはり、みんなのニュアンスやアドリブに笑いながら?
内田:そうですね(笑)。テルルンのライブを観るところとかも、結構自由に、やりたい放題でしたから。本当にみんなでお芝居をぶつけ合っていた感じもあったし、仲良くやっていました。こんなにも知っている人しかいない現場もなかなかなかったので。
――第11話で、やっと告白されましたが、宮坂拓己は、どんなキャラクターだと思いましたか?
内田:すごく素直なんですよね。カッコつけようとしているのすら見えちゃうし、ダメなところも全部さらけ出してくれる。
部屋の中での恥ずかしいであろうシーンもアニメでは視聴者に見えちゃっていたから、放っておけない、みんなが感情移入しやすいキャラクターだったと思います。
――確かによく部屋で妄想していましたね。
内田:恋する人って、端からはこういう風に見えるんだとか、全部の感情を出してくれるのがいいですよね(笑)。逆にミラは隠していることが多いので、その点で、2人はチグハグな部分があって、どこからどう恋愛にいくんだろうなって思っていました。なかなかうまくいかなかったんですけど、宮坂さんの純なところはすごく魅力的でした。
でも、こんなに大声を出している壮馬君は見たことがなかったかも(笑)。壮馬くんと会ったときに「いつも変な役をやってるよね」って言ったんですけど、そういうところのお芝居が面白いんだなと改めて感じました。
――すれ違いがあって、最終的に11話で結ばれましたけど、恋愛面での芝居の構築はあったのですか?
内田:ショーイン(CV.福山潤)と葵ちゃん(CV.小倉唯)との四角関係的なすれ違いが描かれていましたけど、実は、ショーインとは別に恋愛関係でも何でもなくて、ミラはミラで、ちゃんと宮坂さんをずっと見続けていたんですよね。その中で、いろいろなことがあっただけなので、実はあまり心の動きは激しくはなかったような気がしています。
だから同じシェアハウスで一緒に住んでいて、あっちもいろいろあるんだろうなと思いつつ、それがちょっとずつちょっとずつ積み重なっていった結果なのかなと。ただ、惹かれ合って告白したあとの最後の展開が、こうなるとは思っていなかったですけどね(笑)。最終話のシーンも台本を読んだ時点で笑ってしまって、大丈夫かな? これ、演じることできるかな?って思いました。