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『アストロノオト』12話放送後:高松信司(総監督)×春日森春木(監督)インタビュー【連載12】

『アストロノオト』インタビュー連載(最終回):高松信司(総監督)×春日森春木(監督)|狙ってはいなかった? 素晴らしすぎるラスト

80年代を彷彿させる懐かしさ、ラブコメ、SF、コメディ……全部が詰まったオリジナルアニメ『アストロノオト』。木造アパート"あすトろ荘"には、宇宙人の豪徳寺ミラ(CV.内田真礼)と住み込み料理人の宮坂拓己(CV.斉藤壮馬)、さらには筋金入りの無職や地下アイドルなどなど、個性豊かな住人たちによるドタバタな日常が繰り広げられています。

拓己の恋がついに実りミラと結ばれ、探していた鍵を使った結果、あすトろ荘が巨大なロボットに変形! その後、地球に総攻撃を仕掛けてきたゴシュ星の艦隊を迎撃します。あっさりゴシュ星の皇帝を倒したあと、あすトろ荘に戻ってきた平穏な日常。
それぞれのキャラクターに感情移入することができ、1クールとは思えない満足感と充実感が得られる作品でした。

連載の最終回は、総監督の高松信司さんと監督の春日森春木さんによる対談をお届けします!

 

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アストロノオト
料理人・宮坂拓己が新たな就職先として面接に訪れた、木造アパート"あすトろ荘"。そこは"朝食付き"が売りなのだが、可憐な大家・豪徳寺ミラの料理に耐えきれなくなった住人の要望もあり料理人を募集していたのだ。ミラと出会った拓己はその場で一目惚れ。急遽作ったアジフライは大評判。拓己の住み込み料理人としての生活がスタートする。しかし、それは穏やかな日々とはいかなかった。癖のある住人たちとの、ご近所より近く、家族より遠い距離感の中、次々と巻き起こる不可思議な現象。ふとしたことで知った、ミラが宇宙人だったという秘密。拓己が抱くミラへの恋心はどうなってしまうのか。また、不可思議な現象の謎は解明されるのか?食卓から宇宙にまで広がる、新感覚SFアパートラブコメディ!作品名アストロノオト放送形態TVアニメスケジュール2024年4月5日(金)~2024年6月21日(金)TOKYOMX・BS朝日ほか話数全12話キャスト豪徳寺ミラ:内田真礼宮坂拓己:斉藤壮馬若林蓮:釘宮理恵若林富裕:杉田智和山下正吉:三木眞一郎松原照子:降幡愛上町葵:小倉唯ナオスケ:諏訪部順一ショーイン・ジンジャー:福山潤おばちゃん:くじらスタッフ総監督:高松信司監督:春日森春...

 

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80年代を彷彿させる懐かしさ、ラブコメ、SF、コメディ……全部が詰まったオリジナルアニメ『アストロノオト』。木造アパート"あすトろ荘"には、宇宙人の豪徳寺ミラ(CV.内田真礼)と住み込み料理人の宮坂拓己(CV.斉藤壮馬)、さらには筋金入りの無職や地下アイドルなどなど、個性豊かな住人たちによるドタバタな日常が繰り広げられています。ショーインの裏切り、そして宮坂の決死の告白によりミラへの恋がようやく実った第11話。何より、あすトろ荘がミボー星のスターシップで、ロボットに変形するという衝撃展開に度肝を抜かされました。果たして地球に襲来したゴシュ星の皇帝から地球を守ることができるのか!連載第11回は、豪徳寺ミラ役の声を担当する内田真礼さんにインタビュー!  前回のインタビューはこちら ついに結ばれたミラと宮坂。あすトろ荘の料理人・宮坂拓己の魅力とは?――第11話の台本を受け取ったとき、どう思いましたか?内田真礼さん(以下、内田):『アストロノオト』って、ここまでで、住人のみんなの掘り下げをひとりずつやってきていたんです。それによって、あすトろ荘のみんなが仲良くなり一致団結してきたときころに、大きな大きな問題というか、ついにや...

 

ラブコメとしての『アストロノオト』

――第1話のアバンで逃げていたのは、ミラではなくお母さんのアダラだったのですね(笑)。

高松信司さん(以下、高松):そうです。あれはミスリードで、ミラかな?と思ったらミラではなかったという。

春日森春木さん(以下、春日森):いろんなミスリードを仕込んでいましたよね(笑)。葵ちゃんもそうでしたし。

 

 

――ラブコメ部分は11話である程度決着がついたと思うのですが、どういうところをこだわって積み上げていったのでしょうか?

春日森:ラブコメでよくある、冴えない男のところに天使が舞い降りてきたみたいなことにはならないようにしたいなとは思っていたんです。

拓己はある意味ザンネンなキャラクターではあるんですけど、いけているところもあるし、料理人としてはしっかりしているんです。これは拓己だけでなくミラもなんですけど、芯の通った人間として描こうと思っていました。

それができていたかどうかは見てくださった方が判断することだと思いますが、個人的にはそれができた作品だったのではないかと思っています。

――どのへんで気持ちが動くのか、なども考えていたのですか?

春日森:そうですね。拓己は最初からなので、ミラの気持ちのほうになるのですが。

高松:ミラが好きになってもらわないとくっつかないですからね。シナリオ打ち合わせのときも、「途中まできたけど、これはこのままくっつかないのかな?」って考えたりもしましたから(笑)。

春日森:なかなかはっきりしなかったですからね(笑)。

 

 

――でも、葵ちゃんと手を繋いでいるのを見て、何かわからない感情が湧いてきていましたよね?

春日森:そういえば、葵ちゃんの恋に関しては、ショーイン役の福山潤さんが「拓己はサイコパスなんじゃないか」と話されていましたね(笑)。

高松:葵ちゃんを振ったあたりね(第9話)。

春日森:葵ちゃんのことを覚えていなかったというのも……。

高松:怖い!この男!って(笑)。

――おにぎり食べてるところでやっと思い出しましたからね。そのくらいミラに一直線だったんですけど、鈍感というのをいいことに、第7話の「こん虫まつり」デートあたりは、葵ちゃんへの接し方が酷くて、葵ちゃんを応援したくなりました(笑)。ただ、ミラが拓己を好きになるというところは、段階を踏んで描いていたのかなと思います。

春日森:演出さんや 作画さんと打ち合わせをするときも「まだこの段階では拓己を好きになっていないです」とか「好きになっている気持ちに気づいていないです」と、ちゃんと伝えながらお願いはしていました。

高松:どうなるかと思ったけど、くっついて良かったです。そういう絵的なところは、春日森監督に任せていたんです。役割分担として、私は全体的なところを見ていて、細かい作画のことやスタジオ周りのことは春日森監督にお任せしていたので。

 

 

――住人たちの人間関係も、面白さに繋がっていましたが、お気に入りの関係などはありますか?

春日森:第6話のアダラと下高井戸太助さんの話は結構好きでした。あの時代の恋愛という感じがしましたし。そこを演出された富沢信雄さんも、ベテランの演出家でして。

高松:あそこだけ急に違うアニメになっていたよね(笑)。戦時中のリアルな感じが出ていたので、何が始まったんだ?って思ったでしょうね。

春日森:そうなんですよ(笑)。時代を越えて、あの当時の恋愛を描けたのかなと思っています。あとは若林富裕さんも詳しくは描いていないんですけど、何かがあって蓮と一緒になったというのがわかったり、自分で絵コンテを描いていても、しんみりするシーンはたくさんありました。

――富裕役の杉田智和さんの演技が面白いなと思いつつも、蓮がスカートを履いたところでは、本人を否定するのではなく、世間の目から守ることを考えるとか、父親っぽいなと思いながら見ていました(第5話)。

春日森:杉田さんは、すごく真面目に演技をされる方なんです。

高松:第1話のときに、富裕についてすごく聞かれたんです。このキャラクターはどういう感じで、どういうキャラクターなの?って。

――しっかりバックボーンも理解して演じていたから感動できたんですね。

 

 

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