偉人の名言を使ったコントアニメーション『現代誤訳』津田健次郎さん&浪川大輔さんインタビュー|こだわり抜いて、なかなか他では見られないエネルギーを作った作品に
キャラクターにちゃんとしたバックボーンを作りたい
――キャラクターの設定については、どのように決めていったのでしょうか?
浪川:設定に関しては津田さんを中心にこだわり抜きました。ドキュメンタリー(超電導会議 ~Documentary of 現代誤訳~)のほうでもかなり言わせてもらっていますけど、「キャラクターには“ドラマ”がないと愛されない」という津田さんの名言から、キャラクターにちゃんとしたバックボーンを作りたいよねということで、コント以外のものに関してはスタッフ全員で決めて行きました。
津田:そうだったね。
浪川:途中で、「名言」という言葉には固いイメージもあるので、キャラクターデザインはかわいいほうがいいかもねという話はありました。そこで津田さんがゾンビにしたいとか、いろいろ始まったんですけど(笑)、今に落ち着きます。いろんな方がかわいがってくれたら嬉しいなと、キャッチ―さは必要だよねという話もしました。
――特に印象的なキャラクターはいますか?
浪川:犀川が最たるものですよ(笑)
津田:そうだね、サイだもんね(笑)
浪川:もういっそのこと、宇宙人じゃん、これってなったのは、声が津田さんだからです(笑)。
津田:そうらしいです(笑)。
浪川:キャラクターの個性がそれぞれ違うんです。兄弟のキャラクターがいたり、それぞれ何で劇団に入ったのかとか、全部一個一個決めていきました。
津田:そうですね。僕ら二人もですが、スタッフさんにもいろいろアイデアを出していただいたりとかしながら、決めていきましたね。
――浪川さんは、何か主張された部分はありますか?
浪川:僕は「キャラクターにドラマを作りたい」となったときに、スタッフさんからの意見で、僕が演じる玲尾彰人が気が付かないうちにヒーローになっているという設定になったんですけど、そうなろうと思いました。
津田:何言っているかよくわからない(笑)どういうことですか?
浪川:いや、なんか、いいキャラクターだなって(笑)。
津田:確かにいいキャラクターですね。
浪川:ゼロから作っていったんですけど、今、YouTubeで公開している劇団アクターZOOができるまでのドラマや、公式Xで投稿されているストーリーもそうですけど、設定とか含めてドラマ部分の脚本家の方に目の前に居てもらって、意見をたくさん言わせてもらって、調整いただいたんですよね。
津田:そうですね。それで、裏設定のドラマみたいなものを、本当にオンタイムで色々ご意見させていただいて。
浪川:語尾の使い方とか、一人称とか全部。
津田:細かいところから。
浪川:着ぐるみのお腹がぽちゃっとしているのは、津田さんのこだわりなんです。僕はそこを不思議だなあと思ってたんですけど、何でですか?(笑)
津田:可愛いからです(笑)。
――動物のセレクトはどのように決めていったのでしょうか? サイってめずらしいですよね。
浪川:最初からみんな気に入ってました。声を津田さんが演じられるからインパクトがあるので、“装飾”はいらないって。一番シンプルなキャラクターですね。
津田:サイ“草食”動物だよ?
浪川:そういうことじゃないですよね(笑)こうやって話が進んでいきました(笑)
津田:本当に色々紆余曲折あって、着ぐるみの設定とかも決まっていった感じですね
浪川:それはやめましょうと言った否定的な意見はなくて。津田さんがぽろっと言った一言から「それだったら、これはどうですか?」とか。スタッフさんからも、「こういうのどうでしょうか」とか、すごくいい雰囲気で。
津田:そうですね、それはもう本当に。
浪川:あと、いっつもネタにしてますけど、作品ロゴを決める時がおもしろかったんです。決めごとをするときに、若い人の意見を聞くというのはテーマにしていて(笑)。
津田:テーマにしてましたね(笑)。作品ロゴを決めていくときに、デザインの候補をいくつかテーブルに並べて、どれが気に入ったか、若いスタッフさんも含めて、せーので指差そうという話になったんです。
そしたら、僕と浪川くんと林さんのおじさん3人が同じのを指差したんですよ(笑)。この時点でやべーなって(笑)。若い人は全然違うデザインを差していたので、この方向性はやばいから若い人の意見を聞こうという話になったんです。(笑)
――キャラクターデザインなども?
津田:そうですね。割と若い人のご意見聞かせていただいてというのはありましたね。結果的にすごく素敵なものになりました。
浪川:今、世の中にたくさんアニメがあるので、なるべくこう……あまり被らないようにと。そうやっていくと宇宙人がでてきたりとか(笑)。
津田:劇団設定とかね。
浪川:やりたいことをなるべく被らないように気を付けながらみんなで決めていきました。
――劇団員のキャスティングについてはどのように決めていったのでしょうか?
浪川:僕たちももちろんですが、スタッフのみんなでキャスティング会議をして決めました。
津田:それはすごくしましたね。どういう人が適任かとか。
浪川:内容はコントなんですけど、セリフが基本多いので、間の掛け合いとかも大事だったりするんですよね。そういうおもしろいお芝居をしてくれる方というのは、ひとつの大事な要素だったりしました。キャストを選ぶのは、本当に難しかったです。
津田:浪川くんが実質キャスティングで動いてくれたんですけど……皆さん、とてもお忙しい方々だったので、スケジュール取れるかな……と冷や冷やしながら結果を待っていました……(苦笑)。
浪川:僕が皆に言うと、津田さんがいらっしゃるなら~と(笑)それはもう助かりました。
津田:そんなことないですよ、総合力でね(笑)。