歌は何かしら、人に力を与えるものだと信じている――石川由依さんソロ音楽朗読劇『UTA-KATA Vol.2 ~歌売りの少女~』がCD&DVDでパッケージ化!! その魅力や公演の思い出を語る
2020年に開催された、声優・石川由依さん初のソロ音楽朗読劇『UTA-KATA Vol.1 ~夜明けの吟遊詩人~』。2022年には第2弾『UTA-KATA Vol.2 ~歌売りの少女~』が開催され、この度、その公演で歌った楽曲や映像を収録したパッケージが、アニメイト独占販売で9月11日にリリースされます!
歌と語りを石川由依さんが、演奏を伊藤真澄さんが担当したステージは、基本的に2人だけで物語の世界へといざなってくれる構成。会場と演者・奏者との距離が近く、間近で感じる迫力や感動をそのままディスクに収めます。
ここでは、そんな『UTA-KATA 旋律集 Vol.2 ~歌売りの少女~』について、石川由依さんからじっくりお話をうかがいます!
ライフワークのように続けていきたいプロジェクト
――まず『UTA-KATA』プロジェクトが、どのように始まったのかをお聞かせください。
石川由依さん(以下、石川):ハートカンパニーの斎藤 滋プロデューサーの「歌ってみたら楽しいんじゃない?」のひと言から始まったんですけど、個人的に、歌は大好きだけど、人前でライブをすることには苦手意識がありました。
歌手の方で、うまい人はたくさんいらっしゃるじゃないですか。その中で、自分が歌う意味を考えた時「役者として物語を混ぜ込んで、ひとつの作品にできたらいいな」というところから、プロジェクトが形になっていきました。
――石川さんにしかできない世界になっていますよね。
石川:私の好きな世界観や音楽を取り入れていただいていることが大きくて、ノスタルジーな感じや民族音楽っぽさがあることで、自分が思っていた以上の物語と音楽を作ることができました。
また『UTA-KATA』って、歌と語りという意味と、その一瞬の特別な時間を皆さんに過ごしてほしいという想いから付けたタイトルでもあるんです。永遠に続くものでなかったとしても、皆さんの心の中で続いていくような作品をお届けできたらいいなと思いながらやっています。
――まさに“泡沫”ということですね。長く続けていただきたいプロジェクトですが、Vol.2が開催されることを知った時はどう思いましたか?
石川:Vol.1をやった時から、不定期だとしてもライフワークのように続けていけたらいいなと思っていたので、Vol.2ができることはすごく嬉しかったです。
でも、Vol.2だからこその難しさはあって、今後続いていくにしても、ここで方向性が決まっていくと思ったんです。だから物語をどうするのかは、かなり時間を掛けて話し合いました。
――実際、どういう方向性に決まっていったのでしょう?
石川:物語は全然違うものだけど、Vol.1を観た人が「ここはもしかしたら」と感じていただけるような繋がりを入れられたらという話になりました。
物語も二転三転して、色々なアイデアは出たんですけど、最終的には作詞家の高瀬愛虹さんにお願いすることになりました。実際に物語を書いていただいたあとも、「ここはもう少しこうしたい」など、かなり修正を重ねていき、徐々にできていった感じではあります。
――物語ができてから、楽曲を作る流れですよね?
石川:そうですね。物語も書いていただいているので、1番物語をわかっている高瀬さんに歌詞は全部お任せしました。歌詞が先か曲が先かはわからないですが、「こことここの間には、こういう曲が合うんじゃないか」とリファレンス曲を出して、それに沿って楽曲を発注していきました。
――声優では、基本的にいただいた台本を演じることになると思いますが、台本を作るというのは、楽しい作業だったでしょうか?
石川:いまだに思うのは、ゼロからイチにするのは難しいな、ということ。Vol.2では「ゼロからこうしたい」というよりも、考えていただいたものから「もうちょっとこうしてみたい」とリクエストすることの方が多かったです。
だからゼロからイチを作れる人って本当にすごいなと思います。しかも高瀬さんは、これが初脚本ですからね! 確かに、これまで高瀬さんの書かれた歌詞からは物語性をすごく感じましたけど、こんなに長い物語は書かなかったでしょうし、本当にすごいです。