葛藤する古代と他者の影響を受けない北野。多くの謎とともに、種蒔きを終えた新たな物語が“発進”する――『ヤマトよ永遠に REBEL3199』北野誠也役・鳥海浩輔さんインタビュー
2012年から展開されている不朽の名作『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズ。その最新作『ヤマトよ永遠に REBEL3199第一章「黒の侵略」』が、いよいよ2024年7月19日(金)より全国の映画館で上映されます。
アニメイトタイムズではその上映に先駆け、本作から登場する新たなキャラクターのひとりである北野誠也役・鳥海浩輔さんにインタビューを実施しました。
第一章では出番が少なく本格的な活躍が後のエピソードになるため、まだまだ秘密が多いという北野。鳥海さんにはそんな北野への印象や参加して感じた『ヤマト』の魅力を中心に伺っています。
ぜひ鑑賞前にチェックしていただき、作品への期待をさらに高める一助になれば幸いです。
古代進がただのスーパーヒーローではないところに惹かれた
ーー『宇宙戦艦ヤマト』という作品に対する印象をお聞かせください。
北野誠也役・鳥海浩輔さん(以下、鳥海):最初の作品は1974年放送と伺っているので、僕とほぼ同い年なんですよ。なので、世代としては僕より上の方がご覧になっていたと思います。ただ、日本人なら誰でも知っているタイトルですし、世界から見てもこの国を代表する作品のひとつだと言えると思います。
僕が『ヤマト』に触れたのはこのリメイクシリーズからなのですが、SF的な要素だけでなく人間ドラマもしっかり描かれていて、例えば異種族間のやりとりなら、現実における違う国籍の方、信じるものや文化の違う方との交流と重なる部分があるように感じます。そのストーリーの重厚さも魅力だと思いました。
ーーその中でも鳥海さんが一番惹きつけられた要素は?
鳥海:そう言いながらも波動砲ですね、やっぱり男の子は好きだと思います!
一同:(笑)。
ーー『宇宙戦艦ヤマト』を知らない世代でも波動砲の存在は知っているくらい有名ですよね。
鳥海:ご覧になったことがない方でも知っている台詞や単語があるくらい、『宇宙戦艦ヤマト』という作品が我々に根付いているのだと思います。僕も子供の頃に再放送は何度か観たことがあるのですが、難しい内容でしたね。でも、波動砲は何故か覚えているんです。今後北野を演じるなかで、いつか「波動砲」という台詞を言えたら嬉しいですね(笑)。
ーーそんな作品に出演するにあたって、プレッシャーはありましたか?
鳥海:基本的にフラットな状態でありたいので、作品によってプレッシャーを感じることはありません。仮に「『ヤマト』だから頑張らないと……!」と意気込んだとしても、良い結果が生まれるとはあまり思えなくて。だからどの現場でもリラックスして臨むようにしています。
ーー本作の台本やシナリオをチェックした際の物語への印象も伺わせてください。
鳥海:まだ話せないことも多いのですが、第一印象は古代進と森雪を中心とした物語で、このふたりが大変なことになりそうだと感じました。ふたりに関わるキャラクターそれぞれに思惑がありつつ、「古代がただのスーパーヒーローじゃない」部分が良いなと。
ただ、これからデザリアムに関わる色々な出来事が起こるはずなので、今回はまだ序章部分という気がします。ここから大きく物語が動いていくと思いますし、それぞれの立ち位置にいるキャラクターたちが紹介される中で、現状では身動きが取れない人の思惑も見えてくるはずです。
自分の演じる北野は、第一章ではまだ物語の主軸にいないんですよ。現状は第7話の収録まで終えていますが、古代たちの物語にはまだ関われていません。最近ようやく古代(古代進役・小野大輔さん)の声を生で聴いたくらいで、雪(森雪役・桑島法子さん)にはまだ会っていないです(笑)。
この先に古代と会話するシーンも出てくるのですが、北野の方は彼を気に掛けているようなので、それが今後の物語にどう影響してくるのかを楽しみにしています。僕もこれから本筋を知る段階なので、立場的には視聴者の皆さんと近いかもしれません。そういう意味では、毎回新鮮な気持ちで作品に向き合っています。
ーー序盤では古代と北野はそこまで接触しないと。
鳥海:もし顔をあわせたら、軽く挨拶くらいはすると思います。最近収録したシーンで北野が身の上話をしたところ「何故急にこんな話を?」という感じであまり響いていませんでした。なので古代は北野に対してあまり心を開いていない気がしています。こちらから問いかけても「心ここに在らず」というか、割と塩対応で(笑)。
ただ、先輩の北野からアプローチをしているので、古代の何かが気にかかっているのだと思います。自分の経験を話したところを見ると、古代に期待しているのかなと。少なくとも悪い印象はないだろうし、僕自身も今後ふたりがどう関わるのかが気になっています。
ーー鳥海さんが感じた本作の古代の印象もお聞かせいただけますか。
鳥海:彼は本当に大変な状況に直面しているので、周囲の物事が思い通りにならないと考えているはずです。今起きていることに注意を持っていかれて、周囲とのコミュニケーションもがあまりと取れていない印象もあります。その中で「本当ならこうしたい」と葛藤していると言いますか。抑えつけられているようなシーンが続いているので、そこに彼の苦悩が見える気がします。