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『映画アンパンマン』戸田恵子×中尾隆聖インタビュー

映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』戸田恵子さん×中尾隆聖さんインタビュー|「最後に頼るのがアンパンマンというのは、究極じゃないですかね」

映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』が、6月28日(金)より公開中です。

1988年10月から、『それいけ!アンパンマン』のタイトルでTVアニメがスタートし、昭和、平成、令和と3つの時代を通じて、世界中に「愛と勇気」を届け、今なお子どもたちに絶大な人気を博する国民的人気作品です。

映画35作目となる今作は、ばいきんまんが大活躍! 森の妖精・ルルンがアンパンマン、ばいきんまんと力を合わせて絵本の世界を守る大冒険へ。

アニメイトタイムズでは、アンパンマン役の戸田恵子さん、ばいきんまん役の中尾隆聖さんにインタビューを実施! 新作映画の見どころから、長くシリーズに携わってきたおふたりが大切にしていることまで、様々なお話を伺いました。

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それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン
ある日、一冊の絵本を見つけたばいきんまん。絵本から「愛と勇気の戦士ばいきんまん、助けにきて!!」と声が聞こえ、その絵本の中に吸い込まれてしまいます。絵本の中の世界には森の妖精たちが暮らす〈大きな木の大きな森〉が広がっていて、そこでばいきんまんは森の妖精・ルルンと出会います。森で大暴れする“すいとるゾウ”をやっつけたいけど、怖がりで勇気が出せないルルンはばいきんまんにお願いします。最初は嫌がりながらも、すいとるゾウを倒すために一生懸命なばいきんまん。その姿にルルンも勇気がわいてきます。しかし、すいとるゾウの強さにばいきんまんとルルンは大苦戦!絶体絶命のピンチの中、ばいきんまんはルルンに「アンパンマンを呼んでこい!」と伝えるのでした―。果たして、アンパンマン、ばいきんまん、そしてルルンは、〈絵本の世界〉を守ることができるのでしょうか?作品名それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン放送形態劇場版アニメシリーズそれいけ!アンパンマンスケジュール2024年6月28日(金)キャストアンパンマン:戸田恵子ばいきんまん:中尾隆聖ルルン:上戸彩すいとるゾウ:岡村隆史スタッフ監督:川越淳脚本:米村正二音楽:いずみたく 近藤...

アンパンマンとばいきんまんが愛と勇気を届ける物語

ーーまずは、映画をご覧になった率直な感想をお聞かせください。

アンパンマン役・戸田恵子さん(以下、戸田):ばいきんまんが大活躍するストーリーで、非常に面白いと思いました。何といっても、ばいきんまんが「アンパンを呼んでこい」と助けを求めるシーンに全てが集約されていると思います。

「呼んできてくれ」ではなく、「呼んでこい」と言っていて……本当に泣けますよね。それだけ追い詰められた状態での「呼んでこい」という言い方は、自分の中にある何かを精一杯保とうとしているように感じました。それが余計に切なかったです。

ばいきんまん役・中尾隆聖さん(以下、中尾):36年間ばいきんまんを演じてきましたが、あんなセリフは初めてだったので、とても新鮮で驚きました。ばいきんまんにもこういう一面があるんだなと。アンパンマンが愛と勇気を子どもたちに届ける一方で、ばいきんまんは「おれさまは一番強いんだ」と言って、アンパンチで何回やられても戻ってくる。そんな中で、最後に頼るのがアンパンマンというのは、究極じゃないですかね。

ーー作品の中で、個人的にお好きなシーンや注目してほしいポイントをお聞かせください。

戸田:先ほど挙げたシーンはもちろん、アンパンマンがルルンに「ぼくがそばにいるよ」と寄り添う場面も良いですね。今作に限らず「いつもそばにいるんだよ」というメッセージは、現実の世界においても非常に重要なもので、「独りじゃない」という寄り添い方をいつも『アンパンマン』という作品は教えてくれている気がします。それから、冒頭のキャラクターたちがみんなで踊っているシーンを見ると、「あぁ、この子たちはすごく練習したんだな」って(笑)。

中尾:(爆笑)。

戸田:毎回(映画公開の度に)そう思うんですよ。「沢山練習したのかな?」と親目線で見てしまうんです。スタッフさんが画を動かしてくれているのは分かっていますが、どうしてもキャラクターに感情移入してしまいます。

中尾:(戸田さんは)気持ちがアンパンマンになっていますよね。

戸田:あのダンスはすごく練習しないとできないと思うんです。カバおくんとか、中々覚えられない子もいるだろうから、絶対に大変だったよねと。色々な感情が芽生えてきて、不思議な気持ちになります。

ーー中尾さんはいかがでしょうか?

中尾:戸田さんが言ったように、「独りじゃない」というメッセージをずっと伝え続けている作品ですが、どちらかと言うと、ばいきんまんは「あっち行け!」と言われる存在ですよね。

ただ、今作の中では、ルルンが「ばいきんまん、ここにいて」と言うんです。ばいきんまんが「この場所にいて欲しい」と言われることは少ないと思います。やはり誰でも、“自分の居場所”というものが欲しいじゃないですか。それが上戸さんの優しい声で、「ここにいて」と言ってくれて、裏を返せば、どんなものでも必要とされるということなのかなと。

1つの言葉で様々な感情を表すのは、アニメーションならではの醍醐味

ーー物語の途中で、ばいきんまん以外のキャラクターたちがコゾウになって、普通の言葉ではなく、「パオン」で会話するシーンが印象的でした。セリフ的には「パオン」と言っていても、何となく意味が分かるんですよね。

中尾:それは演者のみなさんが素晴らしいからですよ。

戸田:ボキャブラリーひとつで感情を全て表すのは、アニメーションの得意技なんです。例えば、めいけんチーズ(CV:山寺宏一)も「アンアン」という言葉だけで様々な気持ちを表現していますよね。「アンアンアーン!」でも、「アンパンマーン!」に聞こえます。もう犬が沢山出てくるストーリーは大変ですよ。誰もちゃんと言葉をしゃべらないから(笑)。

中尾:めいけんチーズとレアチーズ(CV:渕崎ゆり子)とカマンベールくん(CV:関俊彦)の3匹が出てくるストーリーは、(アフレコを聞いていて)3人がどこのセリフを言っているか分からなくなります(笑)。そういうシーンは大好きですね。本当は15分(1エピソード分)ではなくて、30分通しでやってほしいんですけど……。(TVアニメ「それいけ!アンパンマン』は基本15分のエピソードを2本放送)

一同:(笑)。

戸田:言葉ではないものに感情を乗せるのは面白いですし、子どもたちもすごく喜んでくれます。

中尾:今作で言うと、岡村(隆史)さん演じるすいとるゾウがそうですね。

戸田:「すいとるゾウ」というセリフでいろいろな感情を表現したり、セリフの最後の語尾に「~ゾウ」と付けたりするのは、普通のドラマではできないので、アニメーションの醍醐味と言えるかもしれません。

ーー演じるうえでは、普通の言葉を話す時に近い感覚なのでしょうか?

戸田:自分の中では普通のセリフを喋っているつもりで演じています。観てくださるみなさんもそのシチュエーションを汲んでいるから、そのように聞こえるんじゃないでしょうか。赤ちゃんになる話(映画『それいけ!アンパンマン ロボリィとぽかぽかプレゼント』)もそうでしたよね。

中尾:そう。「バブバブバブ」って(笑)。

戸田:それが観ている方に伝わっても、伝わらなくても、私たちには気持ちを込めることしかできないんですけど、アニメーションならではのことだと思いますし、楽しい仕事です。

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