夏アニメ『俺は全てを【パリイ】する』濱野大輝さん✕前川涼子さんインタビュー|ひたむきにやってきたものを信じて、続けていくノールの姿に勇気をもらえる
2024年7月4日(木)より放送を開始したTVアニメ『俺は全てを【パリイ】する〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜』。
「小説家になろう」年間総合ランキングで1位を獲得したノベルを原作とした、待望のアニメがいよいよスタートしました。
本作は、冒険者を目指すも「才能なし」と呼ばれた青年・ノールが、唯一習得できた最底辺スキルの防御技【パリイ】だけを十数年磨き続け、その結果世界最強となった【パリイ】を駆使して戦うファンタジー冒険譚です。
そんな最底辺スキルだが最強という技をもちながら、自分は才能がないと思い込む主人公・ノールを濱野大輝さんが、命を救われたことでノールを”先生”と慕う王女・リーンを前川涼子さんが演じています。
今回、アニメイトタイムズではアニメの放送にあわせて、濱野さん&前川さんにインタビューを実施! 本作の魅力や楽しみ方をたっぷりとお伺いしました。
ノールを中心に、敵も味方も振り回されるコメディタッチのファンタジー作品
──まずはキャラクターの自己紹介をお願いできますか?
ノール役・濱野大輝さん(以下、濱野):ノールはタイトル通りパリイとか、冒険者になるための最底辺スキルだけをずっと愚直に鍛え続けている主人公です。最底辺スキルしか持っていませんが、鍛錬の末にすごい強くなっている自覚がなくて。自分は弱いと勘違いしながら、他のキャラクターたちとすれ違いを起こしていくっていう、愛せるキャラクターだけど、抜けたところもある純粋な青年です。
そんな彼が他のキャラクターたちと一緒に旅をしていく中で、少しずつ社会を知っていくという。本作はノールの成長物語でもあるのかなと思いますね。
リーン役・前川涼子さん(以下、前川):リーンはクレイス王国の王女様として生まれ、お兄さんと一緒にいずれは国を導く立場にあるということで、大切に育てられた女の子で。「私はいずれ国を導いていくんだ」っていう強い自覚と覚悟を持ち、真面目で正義感が強く聡明な女の子です。
でもまだ14歳の少女らしいところも残っていて、まだまだ広い世界を知らないというか、もっと自分はいろんなことを知りたいし、強くなっていきたいみたいな思いだけで飛び出して行ってしまったりとか。そういうおてんばな一面とかもあったりしてかわいらしいですね。
ノールさんにミノタウロスから助けていただいてからは、「こんなに強い人がいるなんて」とまっすぐにノールさんを”先生”と呼び慕っています。ノールも純粋だし、リーンも純粋でとてもいいバディだなと思っています。
濱野:2人とも向上心が強いというか、自分はまだまだって思っている。2人とも頑張り屋さんなんでお互いそこは合致しながら、でもなぜかすれ違いつづけるっていうところが面白いですね。
──原作や台本を初めて読んだ時の感想はいかがでしたか? また、その時に感じた作品の魅力を教えてください。
濱野:オーディションを受ける際に原作を読ませていただいて、最初の印象としては「主人公がすでに最強だけど、これをどうやって物語にしていくんだろう」と期待感と困惑の両方がありました。
でも、読み進めていくうちに、人のために頑張れるし、大事なものは持ち合わせているのに、一方で社会性のようなものを持っていなくて、浮世離れしたところがある主人公になっていて。そんなノールを中心に、敵も味方も振り回されるコメディなんだなと。
こうあからさまにコメディという風にはしていないけれども、「こういう奴っているよね」みたいなところや、共感ができるところをファンタジー要素を含めながら面白おかしく描いた作品なんだなって感じて。そこがこの作品の大きな魅力なのかなって思いますね。
前川:私の中では”ファンタジー”って、もう派手で魔法とかバーンドーンみたいな、何でもこう夢のような物語みたいなイメージがある中で、ノールさんは少年の頃に「諦めろ」って突きつけられてしまうっていう。なんというかファンタジーにあるまじき現実を突きつけられちゃったけど、そこで諦めなかった純粋のさらに向こう側の純粋みたいなところが、やっぱりノールさんの魅力というか。私はリーンの視点で物語を読んだので、愚直に自分と向き合い続けた結果、本当にまっすぐ前だけを見つめているっていうところに他の人にはない眩しさを感じるんですよね。
それゆえのすれ違いとか、人間味のあるやり取り……それこそ先ほど濱野さんがおっしゃっていたようなクスッとくるコメディ的な部分とファンタジー的な要素が組み合わさって、すごい魅力的な作品だなと思いました。