一番自分の琴線に触れるくらいかっこいいなと思っていたのが「山陽新幹線 500系こだま」だったんです──TVアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』新エンディング主題歌「KO. DA. MA.」THE ALFEE 高見沢俊彦インタビュー
高見沢さんが語る鉄道&新幹線愛
――THE ALFEEというと、以前にはアニメ映画『銀河鉄道999〜エターナル・ファンタジー』の主題歌「Brave Love 〜Galaxy Express 999」を歌われたり、アルバム「JOURNEY」のアートワークに蒸気機関車を使ったりと、鉄道ネタが多いのも高見沢さんの影響でしょうか?
高見沢:僕が鉄道好きというのはありますね。あと、鉄道ってレールに沿って必ず決められた場所に行くじゃないですか。10代の学生とかも同じように決められたレールの上を走るしかなくて、そこからはみ出したり、あるいは途中下車するか、そのままレールを進み続けるかの選択に迫られますよね。だから、レールと自分が生きてきた人生を重ね合わせると、鉄道って凄く深い意味もあるのかもしれないと思ったこともありました。
僕は鉄道が好きで、海外でもよく乗るんです。ただ、海外だとダイヤ通りに来ないことが多くて、こんなにちゃんとしているのは日本だけなんですよ。時間通りに来るので、自分で計画を立てやすいんですよね。
あの有名な松本清張の名作『点と線』のトリックは、日本の列車の運行はダイヤ通り正確で、その前提がなければトリックは成立しません。『点と線』みたいな時刻表トリックは、もしかしたら日本にしか存在しないのかもと高校の時に思いました。
時刻表を使った鉄道ミステリーだと西村京太郎さんも有名ですけど、そういったものは日本の社会じゃないと存在しないのかもしれないですね。
――ちなみに今でも高見沢さんのツアー時の移動は新幹線ですか?
高見沢:新幹線が多いですね。僕は新幹線の中で歌詞や小説を書いたりすることが多いので、書斎みたいな感じで使っていますから。新幹線の動いている感じが、逆に集中できて良いんですよ。
だから、今年の春ツアーでも東京-博多間は新幹線で行きました。しかも、行きの新幹線ではスマートグラスで映画を見ていたら仕事にならなかったので、帰りも新幹線を使っちゃいました(笑)。行きは新幹線で、帰りは飛行機というパターンが多いのですが、今回は往復とも新幹線で長時間の移動は苦ではありませんでした。
――先ほどスタッフさんから伺ったのですが、高見沢さんは大宮の鉄道博物館に何度か行かれたことがあるとか……?
高見沢:もちろん行ってますよ。あそこで「特急とき号」を見てちょっと興奮しました。あの形の特急列車は、僕らの子ども時代の憧れの的でしたから。鉄道博物館は広くて昔の客車とか色々な展示物もあって、一日いても飽きないですね。
シミュレータ(在来線運転シミュレータ)もあるじゃないですか。楽しくて2回くらいやっちゃって、結構良い点をとったんですよ。
――高見沢さんがシミュレータで遊んでいる姿は、なかなか想像できないですね。
高見沢:ちゃんと「発車、オーライ」という風にやりましたよ。最初に係の人に操作を教えてもらって、あとは自分ひとりで運転しました。
そういえば、子どもの頃は電車の運転手さんに凄く憧れていましたね。いつも京浜東北線や山手線の先頭車両に乗って、じっと運転手さんを見ていましたから。
――鉄道が好きな子どもが誰しも一度はやるやつですね。
高見沢:昔、僕が生まれた埼玉県蕨市の近くには、日本車両(日本車輌製造東京支店蕨工場)という会社があって、そこで新幹線を作っていたんですよ。蕨駅のホームから日本車両の敷地が少し見えて、そこに新幹線がバーッと並んでいたんです。運行前の新幹線を見ていたので、その時の特別な想いが新幹線にはあるのかもしれません。
だから、初めて「0系新幹線」に乗った時、普通の電車はガタンゴトンと動くのに、新幹線はスッと動き出したので「何これ!?」と驚いて。それからはもう新幹線の虜です。
※編集部注:0系新幹線は世界初の200km/hを超える鉄道として東京-新大阪間に開業した初代の新幹線車両。
――昔の新幹線の思い出というと「食堂車」もありましたよね。
高見沢:ありましたね。残念ながら今は無くなっちゃいましたけど、20代の頃は新幹線に乗ったらすぐに食堂車に行って、メンバー3人でビールを飲んでいました。
――そういう時、ファンの方に気付かれたりとかはしなかったんですか?
高見沢:まだ「メリーアン」をリリースする前だったので、あまり気づかれませんでしたね。「メリーアン」がヒットしてからは、なかなか行きづらくなっちゃいましたけど。
今は無くなってしまったものと言えば、一時期は新幹線に個室があったじゃないですか。進行方向に向かって座るやつで、あれはなかなか良かったですね。2026年頃に東海道新幹線に個室が復活するというのを聞いたので、それは楽しみにしています。
(こだまの路線図を見ながら)この鉄道網は本当に凄いですね。こういう路線図を見ているだけでもテンションが上がります。僕は路線図も好きで、見ているだけでその地域に行った気持ちになれるのが良いんですよ。
高見沢さんが思う「カッコイイ人」とは?
――『シンカリオンCW』は「カッコイイ人」が一つのキーワードになっている作品ですが、カッコイイ高見沢さんが思う「カッコイイ人」とはどんな人なのか最後に教えてください。
高見沢:別に僕はカッコよくないですよ(笑)。まあ、一つのことをやり遂げる人、諦めない人はカッコイイですよね。THE ALFEEは50年間も休止も解散もせずに続けてきたバンドですから、そういった意味ではTHE ALFEEってカッコイイのではないかと思っています。
――THE ALFEEは常に新しいことにチャレンジしている姿もカッコイイと思っていて、「メリーアン」を盆踊りバージョンにした「メリーアン音頭」には驚きました。
高見沢:今年一年はデビュー50周年の年でお祭り騒ぎなので、ちょっとお祭りモードに入ってやってみようかなと思ったんです。
@the_alfee_official 振付動画📣✨本日THE ALFEEの名曲「メリーアン」に盆踊りバージョンが登場!! ぜひ踊って夏を一緒に楽しもう😎🤓👸 #THEALFEE #THEALFEETikTok祭り #メリーアン音頭 #50thAnniversary ♬ MARIE-ANNE ONDO - The Alfee
僕らは夏にデビューしましたが、夏といえば夏祭り、夏祭りといえば盆踊りですよね。それで「メリーアン音頭」も良いかなと思ったんです。今年は青森ねぶた祭に「THE ALFEEねぶた」が運行しますし、秋田竿燈まつりには「THE ALFEEの竿燈」があがりますから。
そういった意味では、日本のお祭りは神様を崇めるだけでなく、神様も一緒に楽しむものと言われています。日本の神様って八百万の神々というくらい沢山いますし、神社も各地にありますから。みんなでお祭り騒ぎをすることによって、神様も喜んでお力が増し、それが神の徳により人間に返ってくるという持ちつ持たれつの関係です。
そう考えるとアーティストとファンとの関係も同じなんですよ。ファンのみんなが応援してくれるから僕らも大きくなるし、それをコンサートでファンにお返しできる。そうやって一つのことをやり遂げる人はカッコイイと思います。
取材・記事:岩崎航太、編集:石橋悠
CD情報
【発売日】2024年7月24日
【価格】
初回限定盤A:1,210円(税込)
初回限定盤B:1,210円(税込)
初回限定盤C:1,210円(税込)
通常盤::1,210円(税込)
≪収録曲≫
01 KO. DA. MA.
02 ロマンスが舞い降りて来た夜
03 BONUS TRACK(未定)
※形態ごとにボーナストラック違い。
作品概要
あらすじ
「超進化鉄道開発機構」通称「ERDA(エルダ)」は、対抗手段として新幹線が変形するロボット「シンカリオン」を開発し、脅威に備えていた。
「何かを守れる、カッコイイ人に…僕は…」
中学2年生の大成タイセイは、2年前に失踪した姉の手がかりを求めて、進開学園中等部に転入する。
その矢先、10年ぶりにアンノウンが出現。偶然にもタイセイがシンカリオン運転士として高い適性値を持つことが判明し、闘う決断を迫られることとなる。
アンノウンの正体、そして目的は何なのか…。闘いの末に見えてきた真実とは…。
少年たちの決意と成長の物語が、今、始まる―。
キャスト
(C)プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/ERDA・TX