田中真弓さん翼和希さんもゲスト出演! 横山智佐さん主催 サクラ大戦真夏のフェス『真宮寺さくら誕生日会~119ctの輝き』開催!
ゲーム『サクラ大戦』メインヒロイン・真宮寺さくらは1905年7月28日生まれという設定。そして今年は7月28日が日曜日ということで、横山智佐さん主催による真宮寺さくらの119回目の誕生日会(“119カラット”と宝石の質量単位で表現)が2024年7月28日(日)に東京・上野恩賜公演野外ステージ(水上音楽堂)にて開催されました。
今回は朝ドラ『ブギウギ』で梅丸少女歌劇団(USK)の男役トップスター・橘アオイ役として一躍人気となった翼和希さん(OSK日本歌劇団)が真夏のフェスに初参加しました。
翼さんは2019年7月に京都南座で開催された、サクラ大戦とOSK日本歌劇団のコラボステージ『サクラ大戦コラボレビュー OSK SAKURA NIGHT』に汐月ひかる役で出演。役作りの勉強のためにゲームをすべてクリアした翼さんは、「真夏のフェス」も毎回観劇するほどサクラにハマっています。
そんな翼さんが、ついに「サクラ大戦真夏のフェス」に汐月ひかるとして登場するわけで、本人も相当楽しみにされていたようです。
ほかにも『OSK SAKURA NIGHT』を再現するべく、ダンディ役の園岡新太郎さん、マイケル・サニーサイド役の内田直哉さん、西村ヤン太郎役の西村陽一さん、ベロムーチョ武田役のVelo武田さん、進行役の上原健太さんが出演。盤石のパフォーマンスでステージを盛り上げます。
2023年10月に愛・地球博記念公園で開催予定だった「Aichiアニソンフェス」が突然中止となり、そこに向けて練習を重ねてきたバンド「帝都浪漫楽団・愛」も一時は本番がなくなってしまったものの、今回9か月越しで上野のステージに登場。ついにその演奏を披露しました。
夢のつづき、花の戦士、帝都浪漫楽団・愛――それぞれに深い想いが詰まる
開場すると、なんと入口で広井王子さんが待ち構えていて、チラシを配っていました。
それを見つけたダンディ団の西村ヤン太郎、ベロムーチョ武田が因縁をつけに行くと、ちゃんと横山智佐さんに許可を取っていると弁明。その後も広井さんは観客の写真撮影に気さくに応じたり、誕生日会オリジナルTシャツの最後の1枚を客席に売り込んだりと、本番前の盛り上げ役を歌謡ショウの前説の頃から変わることなくされていました。
今回はセットリストがかなり攻めており、なんとオープニングナンバーが「夢のつづき」。ショウの終盤の定番曲で、次のステージでまた逢いましょうとファンとの絆を固める効果がありますが、幕開け曲に使えば「今から夢のようなステージが始まります」と一瞬で最高潮に持っていきます。
真宮寺さくらの衣裳はもちろんレビュウ服。客席からは、コロナ自粛期間中にはできなかった「さくらー!」の掛け声が沸き上がり、全盛期の歌謡ショウがようやく戻ってきた感じです。
そして2曲目が本来の幕開け曲の定番「これがレビュウ!」。サクラのステージに通い詰めた人にとっては「夢のつづき~これがレビュウ!」はあまりにも予想外の曲順で、ジェットコースターばりに感情を揺さぶられます。
2曲目を終えたところで最初のMCになり、「帝国歌劇団・花組、真宮寺さくらです!」の定番挨拶が出ると、客席からは一斉に「さくら!」の掛け声。こうしたサクラのショウの作法を、ベテランのファンがコロナ以降の新しいサクラファンに見せることで、ショウの伝統が受け継がれていきます。
続いて帝都放送アナウンサー・上原健太さんが登場。今回のショウの主旨を説明します。
まず第一部が「復活!あのフェス」。昨年秋に突如中止となり、残念ながら観ることのできなかった「あのフェス」を、本日この帝都放送のステージで再現するとのことです。
演奏は「帝都浪漫楽団・愛」。いつものメンバーに新たなキーボードとギターが加わった、安心と革新の編成です。
「復活!あのフェス」3曲目は「花の戦士」。この曲は振付を松野太紀さんが担当しており、さくらが松野さんに祈りを捧げてから、振りの一挙手一投足に想いを込めつつ歌います。
続いて「花咲く乙女」。元々フェス用に組んでいたセットリストだけあって、まさにサクラの代表曲というナンバーが並びます。
「花の戦士」の次に「花咲く乙女」が置かれたのは昨年セットリストを組んだ時かと思いますが、今この順番で歌われると「花咲く乙女」の「君にとどけ」の歌詞が、まるで“松野さんにとどけ”という祈りのように聴こえます。
「帝都浪漫楽団・愛」の「愛」は、フェスを予定していた愛知の愛。フェスは中止になってしまったものの、今回このような形で用意していたステージを披露できました。ただ、フェスでの持ち時間が25分だったそうで、次がもうラストの曲なのだとか。その前にバンドメンバー紹介が入ります。
ドラムのAkht.、ベースのCHAKAとリズム隊にはおなじみの顔が並び、キーボードのTaitoおよびギターのMASUMIがサクラ初参加組。MASUMIさんは速弾きで魅せた上に得意のイングヴェイ・マルムスティーンポーズ(アルバム『ファイアー・アンド・アイス』のジャケット写真で有名なやつ)も決め、一際大きな歓声を浴びていました。
最後の曲はみんなでコール&レスポンスで盛り上がろうということで、夏のサクラソングの鉄板曲「お祭りダンス」。コロナでできなかったコール&レスポンスが解禁され、全盛期のサクラステージとはこういうものだと新たなファンに伝えられる喜びすら感じます。
多彩なゲストが京都南座の想い出も語りまくった真宮寺さくら誕生日会
第二部は「真宮寺さくら誕生日会」。スペシャルゲストがお祝いに駆けつけ、それぞれさくらとコラボステージを披露します。
最初のゲストは帝国歌劇団・花組より、桐島カンナ。大歓声を浴びながら登場し、「桐島カンナです。憶えてますか?」と問いかけると、もちろん客席は熱狂で応えます。
すると「あたいは、時々見失うぞ。だから、ちょっと目が泳いでいたら『カンナ!』って言ってくれ! そしたら思い出すから」と、いきなり予防線を張ります。
そしてカンナが危惧した通り、このあと見失う場面がチラホラと……。
カンナが持ってきたさくらへの誕生日プレゼントは、かりんとう。
歌謡ショウに通っていた帝都市民には、すぐにピンと来るアイテムでしょう。
説明すると、道端に落ちている犬のウンコとかりんとうを間違えるというカンナの恒例のネタがあり、カンナがかりんとうを持っているだけで往年の迷シーンの数々が甦るというわけです。
続いてカンナの音頭で乾杯となります。
今回来場者全員に誕生日会オリジナルラベルの水のペットボトル(非売品)が配られており、カンナとお客様によるハッピーバースデーの歌に続いてペットボトル(客席では所々でビール缶)が掲げられます。
さくらとカンナの歌は、このコンビでの人気曲「花吹雪・白波弁天」。
「知らざあ言って聞かせやしょう」の口上や、ラストの見得切りなど芝居要素の強い曲だけに、ふたりの芸達者ぶりが光ります。
2組目は「花組のファン代表」として、ダンディ団が勢揃いで登場します。
タキシードで決めてきたダンディ・団耕助を「運転手さんみたい」とさくらが弄れば、ダンディも「amazonで購入しました」と応じ、このコンビでの持ち歌「カモナ浅草」を披露します。
3組目は紐育から、マイケル・サニーサイドが花束を持って登場。もっとも姿は“ほぼ内田直哉さん”でした。
ふたりで歌う曲は「ここはパラダイス 〜リトルリップシアターのテーマ〜」。もちろんサニーとさくらの組み合わせでは初めてで、これだけやってきても“初めて”がまだまだ出てくることに感心します。
本日最後のゲストは大阪より、OSK日本歌劇団の汐月ひかるさん。ステージに現れた瞬間、あまりにも華やかな男役スタアぶりに今日一番の歓声が巻き起こります。
ステージ上での再会は5年ぶりとなりますが、さくらは「あたしは朝ドラで拝見していたので、久しぶりのような気がしていません」と、観客のほとんどが思っていることを代弁します。
▲開口一番さくらが「なんだか5年前よりも逞しくなられて」と印象を述べると、すかさず逞しいポーズで応える汐月ひかる
ここで本日のゲストを全員呼び込み、5年前の京都南座『サクラ大戦コラボレビュー OSK SAKURA NIGHT』の話に花を咲かせることにします。
『OSK SAKURA NIGHT』第一部ではOSK日本歌劇団とサクラ組との交流と舞台稽古の様子が描かれ、第二部では劇中劇「新・愛ゆえに」が演じられました。
「新・愛ゆえに」はフランス革命が舞台。さくらは花売り娘のクレモンティーヌ役、汐月ひかるは近衛隊のラスカル役と、その時の役柄を紹介していく流れで、カンナが「わたくしは……」と一人称を間違え、さくらに鋭くつっこまれて「あたいは」と言い直す様子に笑いが起こります。
しかしすぐに「見失ってただろ!? なんて言うの!?」と観客に投げかけ、「カンナー!!」の大声援を引き出すところが、さすがカンナ。役者が違います。
改めて、カンナが「新・愛ゆえに」での役柄を説明します。要は状況説明役なのですが、台本上「花売り娘」になっていたそうで、花売り娘のクレモンティーヌがいるのに自分も花売り娘の格好で登場することに混乱。結局自分で「あたしはクレモンティーヌじゃなくってよ」と説明を入れたそうで、終いには「ダレモンティーヌ」「ナニモンティーヌ」と言われるはめになったとか。
さらに、いつもの「かりんとう」ネタも入れようと考えたカンナは、さすがに本番でいきなりやるのはまずいと思い、リハーサルでお伺いを立てたところ、演出から「OSKコードに引っかかるかもしれないので、一度持ち帰って審議をします」と告げられ、けっこう大事になってしまったと明かされます。
結局OSKから正式にOKが出て、OSK史上初めて「犬のウンコ」が舞台上で飛び出したわけですが、汐月ひかるさんから「おそらく舞台上にはカンナさんしかいらっしゃらなかったので、大丈夫だったんじゃないかな」と見解が出され、「カンナのいつものノリ」はOSK的に相当ギリギリのラインを攻めていたことが改めてわかりました。
ここでカンナが横に並ぶ汐月ひかるを見上げて、「あたいは198センチなんだけど」と問うと、汐月ひかるが「私3メートルですよ」と即座に応じるナイスプレイ! カンナの身長2メートルネタを熟知しているがゆえの見事なアドリブ対応に、客席からも爆笑と拍手が沸き上がります。
続いてカンナが反対側に並ぶサニーに標的を変えます。OSK日本歌劇団のステージでは、最後にテーマソング「桜咲く国」を歌う際に桜パラソルをタイミングに合わせて開け閉めする恒例の演出があります。
これを『OSK SAKURA NIGHT』ではサクラ組も加わって歌ったのですが、開け閉めを憶えるのが大変で、1公演だけ参加するカンナは相当苦労したそうです。するとそこへ全公演に出演するサニーが来て、「カンナ。あれは失敗するとすごく目立つから、ちゃんと稽古しろよ」と圧をかけてきたとか。
カンナとサニーは『OSK SAKURA NIGHT』の時も並びが隣で、開け閉めのタイミングが隣同士で違うため、つられて同じタイミングにならないよう必死で本番を乗り切ったカンナ。一方、隣のサニーは間違えまくっていたそうです。
そしてこの逸話を熱弁する間、一人称が「あたし」になっていたカンナも客席からつっこみまくられていました。
サニーからは、OSKの100年の歴史の中で男性キャストが参加するのが初めてだったために起こった数々の出来事が語られました。まず、男性は動けるエリアが限られ、エレベーターでもこの階以上は上がれないなど制約だらけだったとか。
▲この話にエピソードを加える感じで西村ヤン太郎が「僕と直さんは……」と言ってしまい、さくらから「サニーさん」と光速のツッコミ。やっちまったと肩を落とす西村のアニキ
ここでさくらが、カンナがずっと手に持っているハンドバッグ的な何かについて突っ込むと、それが『海神別荘』でカンナが演じた「赤鮫くん」であることが明かされます。
しかも、カンナが演じた際はゲヒゲヒ笑うお笑いキャラだったのに、泉鏡花の原作に忠実なOSK日本歌劇団版『歌劇 海神別荘』で華月奏さんが演じた赤鮫はかっこいい役で、赤鮫を勘違いしていたとのこと。同じ役が役者によってこれほど違うものになるという実例として貴重です。
京都南座公演では、まず『OSK SAKURA REVUE』として第一部『歌劇 海神別荘』、第二部『STORM of APPLAUSE』が午前・午後の2公演ずつ行われ、その後に19時30分から始まるナイトレビューが『OSK SAKURA NIGHT』でした。つまりOSK日本歌劇団メンバーは毎日2公演+1公演をこなし続けていたわけで、『OSK SAKURA NIGHT』から登場するサクラ組とは元気さが違い、汐月ひかるさんからも「終演後もみなさん、とってもお元気で」と内幕をバラされていました。
▲ダンディ・ボスからも、終わった後に祇園に繰り出した際の逸話が飛び出しました
最後に劇中劇での役名についてもひとネタありました。『新・愛ゆえに』ではクレモンティーヌの相手役となるオンドレを日立昇(演/楊琳さん)、オンドレの盟友ラスカル役を汐月ひかるが演じましたが、やはり「元ネタ」の印象が強すぎるようで、稽古中、オンドレを「オスカル」と言い間違えることがあったと汐月ひかるさんが白状していました。
▲劇中劇のクライマックス、自分の盾になって撃たれたラスカルを抱きしめつつも、名前を言い間違えられて笑いをこらえるオンドレのプルプル震える腕の中で、死にゆくラスカルも必死に笑いをこらえていたそうです
ここからは「OSK SAKURA NIGHT メドレー」として、京都南座公演で披露したサクラソングやOSK日本歌劇団の曲を歌います。
まずはダンディ・ボスと汐月ひかるによる「ダンディー」。帝都浪漫楽団・愛のアレンジが強く出た演奏や、キレッキレのダンス、ラストのボスとひかるのタップ対決など、見どころ聴きどころに溢れたパフォーマンスになりました。
▲カンナは「島風」。夏向きの曲が多いカンナの持ち歌の中でも屈指の名曲
▲OSK日本歌劇団の「We Love Revue!」をOSKの汐月ひかる、さくら、ダンディ団で披露。OSK名物のラインダンスも取り入れます
▲サニーを中心に「LOVE is」。これぞエンターテイナーというサニーに引っ張られて舞台が一際躍動します
▲一番をさくらと汐月ひかる、二番でカンナが登場し「夢見ていよう」。最後は3人で歌声を合わせます
最後の挨拶では、まずはカンナが「昔をずいぶん思い出した」と率直すぎる感想。やはり定期的にステージに上がるのが一番効果的なようで、2年後に迫るサクラ大戦発売30周年に向けてカンナには大いに期待したいと思います。
汐月ひかるさんは「本当に嬉しくて、今日は楽しみにやってまいりました。始まってしまえばあっという間に終わってしまうもので、寂しくて泣きそうでございます」と、心からサクラが大好きなことがわかるコメントを残しました。
8月7日(水)から11日(日)まで新橋演舞場で「OSK日本歌劇団 レビュー 夏のおどり」が開催され、日立昇こと楊琳さん、花房夢子こと舞美りらさんの卒団公演となるほか、8月8日(木)昼の部 終演後のアフタートークには特別ゲストとして横山智佐さんが出演することも伝えられました。
▲日が落ちても会場はまだまだ暑く、観客を気遣うトークをするさくらの後ろで、カンナにそっとハンカチを差し出すひかる王子。受け取ったカンナは丁寧に汗をぬぐい、ハンカチを返すとひかる王子はそれを懐にしまいます。常に舞台の上で何か面白いことが起こっているのがサクラのショウというもの
▲ラストは観客総立ちで「檄!帝国華撃団」
▲アンコールでは帝都花組・巴里花組・紐育星組全員の曲「愛が香るころに」を、さくらが客席の間を廻りながら歌います
▲最後は帝都浪漫楽団・愛も感無量という様子
[取材・文/帝劇スタ夫]
サクラ大戦真夏のフェス『真宮寺さくら誕生日会〜119ctの輝き』配信チケット発売中
アーカイブ視聴期間
2024年7月29日(月) 18:00 ~ 2024年8月11日(日) 23:59
※上記時間以降のアーカイブ配信(見逃し配信)はございません。
※アーカイブ開始時間は状況により遅れる場合がございます。
出演者
横山智佐(真宮寺さくら)、田中真弓(桐島カンナ)、園岡新太郎(ダンディ)、内田直哉(マイケル・サニーサイド)、
翼和希/OSK日本歌劇団(汐月ひかる)、西村陽一、Velo武田、上原健太
・演奏
CHAKA/MASUMI/Taito/Akht.(帝都浪漫楽団・愛)
・ダンサー
青井美文/望月美奈子/建守良子/笠原ゆき枝
視聴チケット4,120円
※発券手数料220円が含まれております。
特典付き視聴チケット4,720円
特典:横山智佐さんデジタルサイン入りデジタル写真
※発券手数料220円が含まれております。
※8月中をめどにご登録のメールアドレスに送付致します。
2024年6月26日、松野太紀さんが56歳という若さで逝去されました。あまりにも突然のことで、声優業界からも惜しむ声が後を絶たず、涙が涸れ果てるまで泣いたという方も多くおられました。
松野さんは『サクラ大戦』シリーズでは薔薇組隊員の丘菊之丞役で大活躍。歌謡ショウでも客席に降りてきて男性客の膝に座るなど、サクラの舞台の破天荒ぶりを代表する一人として、縦横無尽にお芝居を楽しまれていました。
振付でも才能を見せ、2018年8月11日開催『サクラ大戦真夏のフェス・花の戦士』では、新曲「花の戦士」の振付を短時間で完成させています。
今回特別に、横山智佐さんから松野さんへのメッセージを寄せていただきました。
横山智佐さんから松野太紀さんへのメッセージ
松野さんとの思い出を一言で語ることはとても難しいですが、
サクラでは、2011年『全曲ライブ』のはみ出し曲メドレーで30分ほどのコーナーを振付していただきました。
可愛さ、面白さ、オシャレな画作りを大切に、そして歌いやすいようにダンスを考えてくださいました。
最新曲『花の戦士』は披露する2日前に、私の家に来てくださり振付していただきました。
天才です。大好きなたっちーの振りを、これからも心を込めて踊ります。