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上村祐翔&浦和希が感じた夏アニメ『多数欠』の面白さは“群像劇”と“思考戦”/インタビュー

点と点が「どこで線になるのか」を探る面白さがある作品――夏アニメ『多数欠』成田実篤役・上村祐翔さん&一之瀬龍太役・浦和希さんインタビュー|デスゲーム+特殊能力が生み出す、予測できない展開を楽しんでほしい

マンガアプリ「GANMA!」にて連載中の、宮川大河先生によるマンガ『多数欠』。本作のTVアニメが2024年7月2日(火)から連続2クールで放送中です。

突如世界で始まった、“多数派が失われる”デスゲーム「多数欠」に巻き込まれた高校生・成田実篤(なりたさねあつ)が主人公の本作。実篤たちは謎の特殊能力「特権利」を手に入れて、絶対的な力を持つ首謀者「皇帝」に立ち向かっていくことになります。

アニメの放送開始を記念し、成田実篤役の上村祐翔さんと、実篤の親友・一之瀬龍太(いちのせりゅうた)役の浦和希さんにインタビュー! 作品の魅力や演じるキャラクターの印象、お互いのお芝居を聴いて感じたことなどを伺いました。

 

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そのゲームは突然始まった―――。『多数欠』それは“多数派が失われる”過酷な生き残りゲーム。絶大な力を持つ首謀者・皇帝に立ち向かうため、少年少女たちは謎の特殊能力「特権利」を手に運命を切り開いていく!作品名多数欠放送形態TVアニメスケジュール2024年7月2日(火)~日本テレビ・BS日テレほかキャスト成田実篤:上村祐翔藤代紗綾:永瀬アンナ王野頼音:熊谷俊輝一之瀬龍太:浦和希佐藤一彦:大鈴功起神臣:三上枝織国後依恋:中島由貴八木橋藤十郎:小野大輔須藤良平:笠間淳篠崎宗太郎:森嶋秀太護国鳳天寺暴麟丸:藍原ことみ鈴木理科:青木志貴相馬隼人:熊谷健太郎二本柳周示:丹羽哲士賀来戦:石谷春貴月岡めぐる:相羽あいな睦月冬哉:梶原岳人嘉藤騎士:徳井青空蛯名光:鈴代紗弓深見傭平:中島ヨシキ平山義明:大塚剛央入賀煉:KENN御堂密:津田健次郎皇帝:寺崎裕香葛西甲斐:川島如恵留セラフィエル:白井悠介霧島輝:石川界人如月麻里亜:日笠陽子スタッフ原作:宮川大河(コミックスマート「GANMA!」連載)監督・シリーズ構成:佐藤竜雄キャラクターデザイン:林奈美副監督:濱崎徹美術設定:滝口勝久(スタジオちゅーりっぷ)美術監督:鈴木大介(スタジオちゅーりっぷ)色彩設...

 

本編の雰囲気とは異なり、収録現場はまるで学校のよう!?

――ご自身が演じるキャラクターの印象や魅力を感じる点をお聞かせください。

上村祐翔さん(以下、上村):実篤の第一印象は、日常生活を友達とふざけ合ったり、時折まじめになったりする普通の高校生なのかなと思いました。ただ、「多数欠」が行われていく中で、いろいろ考えなければいけないことや、打開しないといけないときに持ち前の真っすぐさを遺憾なく発揮できる子で、大事な局面での突破口としての役割を担っているキャラクターにも感じました。もがきながらも前に進もうとする姿が、主人公らしいなという印象です。

 

 
浦和希さん(以下、浦):龍太くんは実篤の親友で、バカなこともできるし、空気も読めるキャラクターだなと思っています。実篤が楽しんでいたら一緒に楽しむことができるし、シリアスに落ち込むことがあれば寄り添えるような優しさも兼ね備えていて、全体のバランサー的なところがあると思ったので、繊細な機微や切り替えを明確にすることを意識していました。演じていて、彼の芯には優しさがあるなと感じました。

あと彼は視野が広いなと思っていて、僕もアフレコに臨む上で、現場で自分よりキャリアが浅い人たちと先輩たちとの掛け橋になれるように心掛けたり、優しくできるように、立ち振る舞っていました。

――二人とも素直でいい子たちだなと思いました。

上村:そうですね。友達想いだよね。

浦:確かに。どのラインを踏み込んでいいのかを考えながらボケたり、ツッコんだりしているんだろうなと感じます。

――浦さんから演じる上での話題が上がったので、上村さんが現場で意識した点も教えてください。

上村:キャスト陣の中で僕は世代的にちょうど中間くらいだったので、後輩にも先輩にも接したり、話しかけるようにしていました。

 

 
浦:そうでしたね……あっ、そういえば、祐翔さんに一つ訊きたかったことがあって。藤代紗綾役の(永瀬)アンナちゃんはまだ若いのに、みんなとおしゃべりして、場を明るくしたいという気持ちが伝わってくる、すごくいい子で。先輩たちへ積極的にいろいろな話を振っていましたが、話題の中で1つ、思考実験みたいなものがあって、アンナちゃんのお姉さんか学校の友達に教わったそうなんですけど、「これがおもしろくて、皆さん、知ってますか?」と。

それが実は結構有名な問題で、見た瞬間、みんなが「あっ!? これ知ってる」という空気感になったんですけど、みんなそれをひと言も言わずに「えっ? わかんないな」とごまかしていたんですが、祐翔さんが一番うまくて。「難しいね。よくこんな問題知ってたね」と、お兄ちゃんのように見守っていたのが印象に残っています。それまでは僕が祐翔さんから見守ってもらっていた立場だったので、「はたから見たら、こういう風に映っていたんだ」と思いました。実際あのとき、祐翔さんもわかっていたんですよね?

上村:見たことはあったけど、詳細は知らなかったから、新鮮な気持ちで聞いていたし、アレをアンナちゃんが言ってくれたのがすごくいいなって。

浦:そうなんですよ! その気持ちを全員で汲んだ感じで、優しさを感じました。

上村:本当に学校みたいだよね。いろいろな年代の人がいて、仲良く接しているけど、いざ収録に入るとみんな一つに結束して臨む感じがあって。

実篤は結構セリフ量も多かったり、モノローグでいろいろな問題を分析したり、この作品の中心にいる役なので、現場の振る舞い的にもまず自分がやり切って、皆さんもついてきてくれて、それに対して僕も呼応して、乗っかっていけたらいいなと思っていたので、気持ちよく収録できました。

浦くんが(龍太のように)ムードメーカーとして盛り上げてくれていたり、それぞれの役柄とご本人がリンクする部分がきっとあるんだろうなと感じながらやっているので、ただただ楽しくて。収録はまるで毎回、学校に行くような感覚です。

浦:本編はデスゲームなので、まったく雰囲気は違いますけど(笑)。

 

 

デスゲーム+特殊能力=想像できない展開。点と点が「どこで線になるのか」を探る面白さ

――原作を読んだり、演じられて感じた作品の印象をお聞かせください。

上村:まず「この世界は何だ!?」というところから始まって、いくつもの問題や出来事が点のように散りばめられていて、解明していくことで点と点が繋がって線になりますが、「どこで線になるのか」を探っていく物語で。原作のマンガを読んだときも展開がすごくおもしろいなと思いました。

アニメになることで、よりそれが立体的に見えてくるのかなと。作中の用語など難しさもありますが、「もっと知りたい!」と思わせてくれるような物語なので、アニメでは、この作品の魅力や本質がより際立っているのかなと思います。

浦:原作がすごくおもしろくて、デスゲームというジャンルに、「特権利」という特殊能力の要素が加わって、想像もできないような展開に話が転がっていくところに引き込まれました。

アニメ化したことによって、映像でよりダイナミックに感じられるし、特に実篤は推理パートでのお芝居によって、臨場感が増して、「今こんなにヤバい状況なんだ!」とか「今こういう希望が見えているんだ」といったことが、よりダイレクトに伝わってくるので、まだ絵が完成していないアフレコ中でも、皆さんの掛け合いを聞いて「これ、おもしろい作品だな」と改めて感じました。

あとは、シリアスな部分とコメディな部分のメリハリがあるところもいいですね。

上村:なので、演じていても楽しいんです。

 

 

――映像をご覧になった感想をお聞かせください。

上村:アフレコのときは映像が未完成だったこともあり、台本を読みつつ、ト書きなどの情報から「どう音を入れていこうかな?」と探っていきましたが、実篤は特に表情が変わるキャラクターで、第1話では驚きや悲しみ、絶望など激しい感情の表情をすることが多かったので、映像が完成していないからこそ、現場で感じたことや「こんなふうにやったらどうかな?」と思いついたことをやってみたりしました。あとは、表情が見えていないところでの呼吸や生々しい部分も存分に入れたり、探り探りの収録でした。

完成映像を見た際は、それぞれのキャラクターの表情と声色がより引き立つようにしていただいたなと思いました。とにかく展開が速いので、見応えもありましたし、すべてのカットが伏線みたいになっているので、「見ておかないと次のお話への繋がりがわからなくなるぞ」と、思わずどんどんモニター画面に近づいてしまいました(笑)。

――第1弾のPVを見ただけでは謎が多いので、アニメで初めて本作に触れる方はスピード感に驚くのではないかなという心配もあるくらいですよね。

浦:そうですね(笑)。

上村:でもいい塩梅で、1話ごとにいろいろなことが少しずつわかっていくので、「点はあるけど、どこで繋がるんだろう? あっ!? ここで終わっちゃうの!?」みたいな感じで、いい引きになっているなと思います。

あとはセリフ量の調整をかなり綿密にやっていただいている印象があります。マンガは何度でも読み返せますが、アニメは一方向に進んでいくものなので、それぞれの考えを述べて、それに返答するシーンが原作では長めで、吹き出しに対して文字がすごく小さかったりして(笑)。

浦:それくらい内容が詰まっていますからね。

 

 
上村:アニメでは、それをよりわかりやすく、かみ砕いた状態で、見やすくなっていますし、現場で「ここはもう少しこうしたほうがいいかも」という話し合いもあったりしたので、そこが映像にちゃんと活かされていると思いました。

浦:「アニメーターさん、大変だろうな」と思いながら見ていました。展開が速く、キャラクターや場面の切り替わりが多いので、カット数も多くなるでしょうし。思考戦や推理パートに加えて、アクションシーンもあり、メリハリがついているのもこの作品の良さなので、難しくて大変なことだと思っていましたが、実際に1話の映像を見て、こういう仕上がりになるのかとワクワクしましたし、早く続きが見たくて仕方がない気持ちになりました。たくさん見せ場がある作品ですが、アニメならではの表現やお芝居を感じてほしいなと思います。

――心理戦のときのキャラクターの表情も見どころですね。

浦:そういう部分もアニメーターさんが細かく描いてくださって。

上村:皆さんにも細かく見ていただかないと。1話から伏線を張っているので。

浦:逆に(演じている)僕のほうが「これ、忘れてた!」ということもありそうなくらい、伏線が散りばめられているので、皆さんが丹精込めて仕込んだ種をみんなで“収穫”してほしいです。

 

 

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