ミュージカルでも、普通の朗読劇でもない、他ジャンルのプロが舞台で作り上げるセッションーー音楽朗読劇『モノクロームのシンデレラ』中田裕二さん&濱野大輝さんインタビュー
シンガーソングライター・中田裕二さんの楽曲からインスパイアされたオリジナルストーリーを、濱野大輝さんらキャスト陣が声で紡ぎ出す音楽朗読劇『モノクロームのシンデレラ』。2024年9月7日(土)、中田さんによる生演奏とともに、類を見ない音楽朗読劇が“1日限り”で上演されます。
本稿では、稽古を終えたばかりの中田さん、濱野さんにインタビュー! 異例の音楽朗読劇について深堀りしつつ、互いの印象や上演に向けた心境を伺いました。
ミュージカルでも、普通の朗読劇でもない新たな試み
ーー本企画をお聞きになった際の心境を教えてください。
濱野大輝さん(以下、濱野):今回は中田裕二さんの素敵な音楽を題材とした音楽朗読劇になっています。コンセプトは理解できたものの、台本をいただいた段階ではどんな形になるのか想像がつかなくて。ただ、中田さんと稽古をさせていただいて、「こんな贅沢なものになるのか」と驚きました。しかも本番までの稽古でより進化していくはずなので、今後が楽しみで仕方ないです。
ーーもう稽古が始まっているのですね。
中田裕二さん(以下、中田):今日が初めてで、読み合わせと台本に沿った流れで歌を合わせました。
濱野:お隣で生歌を聴かせていただいたんですけど、感動しすぎて、「もうこのあとは何も喋らなくて良いんじゃないか?」って(笑)。
中田:いやいや(笑)。
ーー中田さんが今回の企画に参加するまでの経緯についてもお聞かせいただけますか。
中田:不思議なご縁があって参加させていただきました。もともと、この企画のスタッフの知り合いの方とよくお仕事をご一緒していて、そのご縁で僕を紹介していただいたんです。その流れで「今をときめく声優と中田裕二のコラボは面白いんじゃないか?」という話になったと伺っています。僕自身、今日の稽古までどんな内容になるのか想像がつきませんでしたが、実際に合わせてみて、ミュージカルとも、一般的な朗読劇とも違う独特さを感じました。もしかしたらライブの感覚に近いのかもしれないなって。
濱野:そうですね。中田さん独特の節回しが良い味を出しているんですよね。
ーー劇中、中田さんの曲の数々が使用されますが、その選曲には携わられているのでしょうか?
中田:そこは完全にお任せしています。僕の曲から湧いたイメージのまま作っていただいたという感じです。
元バンドマンの濱野さんが明かす“アーティスト・中田裕二”との出会い
ーーおふたりは今回のお仕事が初対面だったとか。
中田:そうなんです。お会いしたときはあまりにもイケメンでビックリしましたよ。
濱野:いやいや(笑)。僕は中田さんとお会いするのは初めてなんですけど、いちファンとして一方的に存じ上げていました。家族にも、「あの中田裕二さんと朗読劇をやるんだよね」と報告したくらい。
中田:ありがとうございます!
ーー濱野さんは、6月の中田さんのライブにも行かれたそうですね。
濱野:そうなんです。プロデューサーと菜の子さん(彼女役)と一緒に東京公演にご招待いただきました。本当に格好良かったです。ため息が出てしまうような、踊りだしたくなるような盛り上がりで、「音楽で人に感動を与えるということはこういうことなんだ」と改めて実感しました。僕自身、音楽の感性が鋭いわけではないんですけど、それでも伝わるものがあって最高のライブでしたね。実は僕自身も、大学時代にバンドを組んでいたんですよ。
中田:へぇ!
濱野:そうなんです。とはいえ楽器が弾けるわけではなかったので、ボーカル専門でしたが(笑)。
中田:それだけ顔と声が良ければボーカルに相応しいですよ。
濱野:恐れ多いです! そのバンドで活動しているとき、メンバーに中田さんの熱狂的なファンがいまして、その影響で僕も曲を聴かせていただくようになったんです。そして今回、中田さんとご一緒する機会をいただいて。この仕事をしていると本当に不思議なご縁があって、今回もそのひとつなんだなとしみじみ感じています。
中田:本当にありがたいです。僕にとっても、今回は違う分野のエキスパートとご一緒できる機会なんですよね。語りも演技だからこそ学べるものがあるんじゃないかなって。実際、今日もセリフ回しを生で拝見して、「こういう風にコントロールをしているのか」と感心するばかりでした。