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『異世界失格』ニア役・小市眞琴インタビュー【連載第5回】

自身もニアも「もっとうまく生きられるはずなのに」? 感情移入しやすいニアと一緒に異世界の旅を楽しんでほしい――『異世界失格』ニア役・小市眞琴さんが第5話を振り返る【インタビュー連載第5回】

パーティ内で“一番まともな”ニアなりに全力でハジける場面も

――演じる際に意識された点や収録前・中に受けたディレクションで印象的だったものをお聞かせください。

小市:『異世界失格』は雰囲気がある作品なので、ハジけている部分とシリアスなところのメリハリはしっかりつけられるように心掛けています。あと大久保(瑠美)さんが演じているアネットがおもしろ担当であり、大オチ担当なので、そこが笑えるMAXになるように、ツッコミなど行きすぎないようにバランスを取りながら演じました。

例えばセンセーの棺を引くシーンでもアネットよりも汚くなり過ぎず、でもコメディっぽさも入れるように意識しました。

――センセーのパーティの中ではタマが一番まともだと鈴代紗弓さんはおっしゃっていましたが、ニアのほうがまともな気がしつつ……。

小市:タマがまとも……? いえ、タマが一番まともでしたね、ニアが登場するまでは(笑)。それまではセンセーやアネットにツッコミを頑張って入れていましたが、ニアが現れたら、タマも結構ハジけているような。

印象に残っているディレクションは、食事をとるシーンで、鈴代さんも私も「おもしろく食べてやるぜ」みたいな気持ちが前に出すぎていたみたいで、音響監督の(明田川)仁さんに「やりすぎないようにお願いします」としっかり釘を刺されて。ふたりでションボリしたことを覚えています。

――でも大久保さんが「もっと汚く」というディレクションをされているのをそばで見ていたら、やりたくなっちゃいますよね。

小市:すごくやりたくて!ニアはどちらかといえばツッコミ側なので、自分の役割を忘れてはいけないと。でもハジけられるタイミングが来たら、全力でハジけました!

――センセーの印象と、演じる神谷浩史さんのお芝居についての感想をお聞かせください。

小市:いろいろな作品で神谷さんのお芝居は拝見させていただいていますが、滑舌がよく、ハキハキとした役をたくさん演じられている印象がありました。でもセンセーのお芝居からは色気が感じられながら、闇っぽい部分もあふれ出ていて。そこがおもしろく感じられて、素敵だなと思いました。

――鈴代さんは、センセーの笑い方が好きだとおっしゃっていました。

小市:わかります、わかります!「…ふふ」って(笑)。私も素敵だなと思います。

――収録はどなたと一緒になることが多かったんですか?

小市:神谷さん、大久保さん、鈴代さんとご一緒することが多かったですね。あとはこの先に出てくるニアくんがフィーチャーされる回では、サイトウというキャラを演じるキャストの方とたくさん掛け合わせていただきました。まだ誰なのか言えないのが残念ですけど、ほとんど一緒に録れたのでよかったです。

――神谷さんとお話する機会はあったのでしょうか?

小市:ありました。そもそも神谷さんが異世界作品の主人公を演じるのが初めてと知って、「ええ!? そうなんですか? 意外です」と。神谷さんとレギュラーでご一緒するのは初めてなので、なかなかグイグイ話しかけるのは難しかったのですが、今思うとちょっと悔しいですね。今度、お会いする機会があったら、もう少し距離を詰めてみたいと思います!

ただ、私個人というよりパーティメンバーの4人でお話しする機会が多かったんですよね。あとはゲストで来られた方と一緒にみんなで話していたので、その会話の様子を見ながら相槌を打っていました。

――その他、収録時の裏話はありますか?

小市:私は第5話から参加させていただきましたが、既に現場の空気感が出来上がっていたり、すごく緊張していたこともあって、あまりおしゃべりできなくて。もっと皆さんとお話したかったですね。そういえば、先日の放送直前特番(6/22配信)は、神谷さん、大久保さん、鈴代さんと私の4人でやらせていただいて、ガッツリお話できた気がします。結構お話も振っていただいて。今度はイベントでお会いできることを楽しみにしています。

センセーのギフテッドで更におもしろく。能力発動の条件やカタルシスも本作ならでは

――映像をご覧になった感想をお聞かせください。

小市:第1話冒頭のセピアっぽいシーンから異世界へ転移してカラフルになったところなど、こだわりがあって素敵だなと思いました。あとは赤い糸がすごく印象的で。またセンセーの言動もおもしろかったです。

第1話から第4話まで見させていただきましたが、ドラゴンが牛をガシッと捕まえて窓の外をサーっと運んでいるところや、コータローの喋り方とかがすごくおもしろくて、お腹が痛くなりました(笑)。

また、アネットやタマはセンセーとの会話ではコミカルなのに、戦闘シーンでは強くて、カッコイイところは緩急があっていいですね。ポップなシーンはポップに、カッコいいシーンはカッコよく描かれていると思います。

あと、センセーの能力もいいですよね。第4話でセンセーのギフテッド「執筆(ストーリーテラー)」が転移者を送り返すことができるとわかって、この作品が更におもしろくなってきたと思います。ただ、あの能力を持っていてもセンセーが弱いことは変わらないので(笑)。センセーが相手を知ろうとしないと能力が発動しないところも、異世界ものの作品としては珍しいし、しかもカタルシスがあるのがいいですね。

――あと戦闘における能力がなくても、センセーの発する言葉から相手が気付きを得たり、ハッとさせられるのもこの作品ならではです。

小市:それはセンセーがやっぱり作家だからこそ、言葉に説得力があるし、刺さるんでしょうね。誰でも奥底にある深層心理は、他人には触れられたり知られたくないけど、センセーが素晴らしい小説を書くために興味を示したからこそ、その言葉が出てきたわけで。そこもおもしろいですね。

――先日放送された第5話を振り返った感想と印象的だったシーンをお聞かせください

小市:原作でも印象的でしたが、ニアくんを襲ってきた不良転移者を、センセーが戦わずして逃亡させてしまったのを見て、「あんたが勇者なのか?」と尋ねた時のニアくんの瞳がとてもキラキラしていて。初めてニアくんの子供らしさが見えるシーンでしたが、アニメでもしっかり反映されていたのが嬉しかったです。

またセンセーは猛毒を持っているだけの転移者じゃなくて、悪い転移者から「味わったことのない苦痛を与えて殺す!」と言われたら、興奮してHPがぐんぐん上がっていったり(笑)。異世界に召喚されてきた人がすごい能力を得て、“俺TUEEE”するわけではなく、相変わらずアネットやタマに守ってもらっているのもいいですね。しかも何で毒を持っているのかという理由もちゃんと回収されていて。

――それを言うなら、センセーがいつも飲んでいる……というか食べている眠剤はなぜなくならないのかという疑問も、神谷さんいわく「ちゃんと回収されている」と。

小市:そうなんですよ! 私も「どうして?」と思いましたから。第1話で眠剤のビンを倒して、大量に薬がこぼれたシーンがありましたけど、あの後で、拾ってまたビンに戻したのかな?とか(笑)。そういえば、先日スタッフの方から眠剤のビンをいただいたので、家で毎日食べていますが、なかなか減らないですね。

――えっ!? 小市さん、何か悩みでも?

小市:あっ、勘違いしないでください! 先日プレゼントキャンペーンがあった「TVアニメ視聴促進剤」と書かれたビンで、中身はラムネですから!(笑) センセーの眠剤が減らない謎はこの時点ではまだ明らかになっていませんが、あとでしっかり回収されますのでお楽しみに。

――安心しました(笑)。ちなみに、ご自身の演じるキャラ以外にお気に入りキャラはいらっしゃいますか?

小市:現時点で登場しているキャラでは、メロスですね。理由はかわいいから(笑)。それとユリコの話もすごく好きで、グッときました。これから登場しますのでぜひ楽しみにしていただきたいです。センセーが転移者を元の世界へ戻すために、敵側のキャラもちゃんと深堀りしてくれて、そこで見える人間らしさや一人ひとりにちゃんとストーリーがあるのがいいですよね。

特にユリコのエピソードはセンセーの能力がすごく活きてくるお話だなと思いました。また、先ほどもちょっとお話しした、サイトウというキャラクターが登場するエピソードは結構泣いてしまいました。敵側のキャラなどゲストを演じるキャストの方々の豪華さも見どころだと思います。

(C)野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
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