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アニメ『デリコズ・ナーサリー』小西克幸が語る作品の見どころと世の男性に響く熱い「家事論」

アニメ『デリコズ・ナーサリー』インタビュー第2弾:小西克幸さん(ゲルハルト役)|絵画チックの美しい絵を動かした映像に感動。舞台発の作品だからこそのスタッフのこだわりも

 

一番演じる時に大切にしたのは生真面目さ。デリコとの関係性は腐れ縁かも!?

――ゲルハルトを演じる際に意識された点や難しかった点をお聞かせください。

小西:一番大事にしたところは、自分の使命に対してまじめに向き合っているところです。子育てを理由に任務を拒否し続けたダリに、「任務と子育てを両立してみろ」と言ってしまったことから事件の対策本部とナーサリー(保育所)を一緒にして、自分自身も子育てをすることになって。実際に子育てをすることになって反発をするものの自分が言ったことだからやらなくてはいけないという生真面目さはすごいと思います。

もし他の人であれば、楽に構えるところまでやらなければいけない性分で。他のメンバーの子供がおもらししてしまったら、お風呂にまで入れて、洗髪までするという。ああいう生真面目さは一番大事にしたところです。

 

 
あとはダリとの距離感ですね。親友でもないけど、くされ縁の同僚という感じかなと。仲良しごっこをしているわけではないし、ダリに対して心を開いているわけではないので、心の距離感や言葉を発するところの距離感は意識しました。でも事件が進んでいくと4人の距離が少しずつ近づく感じになっていけばいいのかなと思って演じていました。

――監督や音響監督からディレクションはありましたか?

小西:「激しく怒ってください」とか「強めに怒っていいです」と言われましたが、ヒステリックになってしまうのは違うなと思って。簡単に怒ったり、声を荒げてしまうのは子供じゃないですか。そうではなくて、ダリに対しては任務を行わないことに叱責するような。「この事件を解決しないと吸血種社会がムチャクチャになってしまうのに、何で君はやろうとしないんだ」というもどかしさも加わって。

――この作品は難しい専門用語がたくさん登場しますが、ダリ・デリコ役の森田さんからは小西さんが練習されていたとおっしゃっていました。

小西:それはどこの現場でもやっていることで。またこの収録をした時期は、まだ分散収録の形だったので、多くとも3人くらいしかいなかったので、雑談するでもなく、ずっと練習していました。

他の人のセリフがわからないので、「どういう流れだったかな?」とか「自分の感情はどうだったかな?」という復習を含めて、読み直しをしていました。相手のセリフが聞けない分、読解していかないとやれないので。お芝居というのは、どちらかが発信して、それに対してもう一方が感情が動いて答えるので、相手のセリフがないとその部分も想像しないといけないので、難しいんですよね。

 

 

絵が感情を動かしてくれるからシリアスとコメディの切り替えも難しさや違和感もなく

――この作品では貴族として連続殺人事件を追うシリアスさと子育てしている時のコミカルさが同居していて、しかも突然にシリアスとコミカルどちらかに急に振れるわけではなく、シームレスで進んでいくので演じるのが難しいのかなと。

小西:僕はそれほど意識していなくて。ゲルハルトはヴラド機関の一員として、連続殺人事件の解決を命令されたけど、ダリはすぐに断って。その理由を知りたくて、ダリの家に訪ねたら、子育てに振り回されているダリがいて。ゲルハルトは「何だ! これは!」と驚くばかりで。ダリの能力のすごさはみんな認めているし、この任務をするからにはダリの力が必要だから「子育てと任務を両立させればいいじゃないか」と口走ってしまい、あんなことになってしまったわけですけど(笑)。

ゲルハルトたちに起こった出来事は当たり前ではないから、キャラが絵で驚いてくれるので、勝手に感情を動かしてもらえることで、シームレスに演じることができたので、それほど難しさや違和感はありませんでした。

――ちなみに森田さんは今作で初めて吸血鬼役をやれて嬉しいとおっしゃっていましたが、小西さんはこれまで吸血鬼役を演じたことはありますか?

小西:いくつか、やったことはあります。吸血鬼は誰かの血を吸うことや十字架が苦手で日光に弱いので活動が夜になりがちというところはどの吸血鬼作品でもだいたい同じだと思いますが、今回はどちらかといえば人間に近くて、僕らとそれほど大差がないところにいる存在なのかなと感じがします。吸血鬼と言われなければ、わからないくらいで、特に牙が生えているわけでもないし。タキシード着て、マントをして、夜に現れて女性の血を吸うイメージがありますが、そういう吸血鬼とはまったく違うので。

でも今作は中世のヨーロッパっぽい雰囲気で、吸血鬼の誕生した場所や時代感と合っている気がするし、ゴシック的な感じや耽美さなどは吸血鬼らしいのかなとは思います。大きな意味でいうと、昔の映画の『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の世界観に似ているような。ヴァンパイアものは映像が美しい作品が多い気がするので。

 

 

子供チームの音声を聞きながらの収録は、会議中のゲルハルトたちの声が聞こえないくらいのうるささ!?

――お父さんチームと子供チームで分かれて収録していたそうですね。

小西:そうなんです。だから子供たちがどんな感じでやっているのか、まったくわからないまま、こっちもやっていて。1、2回、僕らが収録した後に、子供チームの収録があって、そこでキャストの顔を見て、「ああ、この人たちなんだ」と知りました(笑)。

また一度、子供たちがどれだけうるさいのかを体感しながらやったことがあって。子供チームの収録した声を聞きながらやりましたが、めちゃめちゃうるさくて(笑)。「こんなにうるさい中でゲルハルトたちは実際に会議をしているのか」と。

――森田さんによれば、収録した声を聞きながらアフレコする場合は、普通であれば、やりやすいように収録された声を絞るものだけど、この作品では舞台として演出したいという要望から同じ音量で流していたとおっしゃっていました。

小西:1話の最後から2話にかけて、周りがうるさすぎて、僕たちの会話が聞こえないくらいで(笑)。子供が4組もいるので、うるささが倍増して。それが逆におもしろかったですね。アンバランス感というか。あの感じは好きですね。

ちなみにイベントでそれぞれの家庭の子供のキャラクターを紹介したんですけど、みんな「自分の子供が一番かわいいんだ」と子供自慢を始めて(笑)。中の人は自分の家の子供を大切にしているみたいです(笑)。

 

 

――同じお父さんチ―ムのエンリケ役の下野 紘さんとディーノ役の佐藤拓也さんとの収録はいかがでしたか?

小西:実は下野くんとは会っていないんですよ。1回会えたか、くらいで。ほぼほぼ森田(成一)くんと佐藤くんとの3人のアフレコでした。そこにたまに赤崎(千夏)さんや保村(真)くんがいたくらい。だからいつも会っている人たちとアフレコするので、それほど大きな変化もなくて。

そして収録ではディレクションのたびに、悩んだり、相談しながら。とにかく監督とのディスカッションの時間が長くて。受けたダメ出しに対して、こちらからも「こんな感じですか」「じゃあ今度は違う方向で行ってみましょうか」とディスカッションを要所要所にしながらの収録だったという印象があります。人数が少なかった分、各収録では濃厚にやれた気がします。雑談もそれほどしていなくて、森田くんが「今日は腰が痛くてね」と言っていた程度で。あとは「子供たちどうなるんだろうね」とか「下野に会いたいね」くらいです(笑)。

 

 

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