TVアニメ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』スペシャルイベント「チェリまほサマフェス」昼公演レポート|安達役の小林千晃さん、黒沢役の鈴木崚汰さんら登壇! 告白や資料室など『チェリまほ』キュンシーンを熱く語る&「デート」や弾幕シーンの収録裏話も
豊田 悠先生が描く漫画『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(掲載「ガンガンpixiv」スクウェア・エニックス刊)。
童貞のまま30歳を迎えたサラリーマンの主人公・安達 清が「触れた人の心が読める魔法」を使えるようになり、会社のイケメン同期・黒沢優一から好意を寄せられていることを偶然知ってしまうことから巻き起こる純度100%のラブコメディです。
『チェリまほ』の愛称で親しまれる人気作品で、2024年1月〜3月にかけて放送されたTVアニメも大反響。ひとつひとつ重なっていく安達と黒沢の想いを丁寧に描き、原作の世界観を大切にしつつ巧みな演出も話題に。そんなアニメのスペシャルイベント「チェリまほサマフェス」が、2024年8月18日(日)シアター1010にて開催されました。
本イベントでは、安達 清役の小林千晃さん、黒沢優一役の鈴木崚汰さん、綿矢 湊役の佐藤 元さん、六角祐太役の白井悠介さんが登壇。アニメプレイバック企画や朗読劇などを行い、原作者・豊田先生の描きおろしイラストもお披露目。『チェリまほ』の世界にどっぷりと浸れる夢のような時間となりました。
また、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』特別編集版の劇場公開日やティザービジュアル、ムビチケオンラインの情報が解禁。さらにアニメ『チェリまほ』とひらかたパークとのコラボイベント「チェリまほinひらかたパークDOKI★DOKIダブルデート」が開催されることも発表。
本稿では、「チェリまほサマフェス」昼公演の模様をお届けします!
「チェリまほサマフェス」がついにスタート!
安達、黒沢、湊、六角の声が聞こえ始めて観客の期待が高まるなか、安達の掛け声を合図に「チェリまほサマフェス スタート!」と4人で声を合わせて待望のイベントが幕開け!
安達 清役の小林千晃さん、黒沢優一役の鈴木崚汰さん、綿矢 湊役の佐藤 元さん、六角祐太役の白井悠介さんがステージに登場。
小林さんから順に観客へ向けて挨拶をし、久しぶりにファンの前で舞台に立てたことなどに触れながら、この日登壇が叶わなかった柘植将人役の古川 慎さんにもそれぞれ思いを馳せていました。
弾幕シーンにアドリブで台詞を足したという鈴木さん「何故なら、黒沢役だからです!」
最初のコーナーは「チェリまほプレイバック・ベストキュンアワード」。まずはアニメ前半となる第1話~第6話までのシーンを振り返ります。視聴者・キャスト・スタッフから選ばれた、お気に入りの「キュンとするシーン」を紹介。
第1話ではオフィスのエレベーター内で安達が黒沢の心の声を聞いてしまい、黒沢から好意を寄せられていると知ることに。
原作者の豊田 悠先生からは「安達のもっさりとした動きと黒沢のキラキラ感の対比が画面と声から溢れていて印象に残っている」というコメントが寄せられました。
黒沢の心の声がだだ漏れの弾幕シーンについて、鈴木さんは「本当に大変なんですよ」と話し始め、台本にある台詞量だと足りないため「アドリブで台詞足さなくちゃいけなくて」と驚きのエピソードを明かします。
さらに黒沢の感情を鈴木さんが創作する必要があるのか尋ねられると「そうです」と返し、「何故なら、黒沢役だからです!」と黒沢を演じる鈴木さんならではの力強い言葉が響きわたりました。
小林さんから「黒沢の雄の部分」とパワーワードも
第2話について、このあたりは黒沢が「思わせぶり」な感じではないかと……といった言葉が飛び出したのですが、鈴木さんが「思わせぶり⁉︎ 思わせてますよ」と主張して笑いを誘います。
会社の飲み会にて屋上で安達と黒沢の距離が縮まっていくシーンが話題にあがり、小林さんからは「黒沢の雄の部分」というパワーワードも! 黒沢はグイっと押しが強いところもありながら気にしすぎるところもあって、そのギャップが良い男だなと鈴木さんも共感しながら黒沢の「雄み」の魅力を語っていました。
それから第3話、サウナのシーンで「強すぎる心の声は水蒸気伝導する」という安達の魔法に関する特殊設定が明らかになった場面について盛り上がりを見せ、さらに鈴木さんが選ぶベストキュンシーンを紹介。
サウナ帰りのシーンを選んだ鈴木さん。安達がさりげなく子供に優しくしているところにキュンとしたそうです。「安達と黒沢のシーン」ではなくて「安達」にキュンとしているのがいいと言われており、「黒沢目線ですから」といったブレない発言はさすが黒沢役の鈴木さんでした。
黒沢がどう思いながら告白しているのか整理することができた
白井さんが選ぶベストキュンシーンは第4話から。体調を崩した安達を黒沢が献身的に看病していた日、安達が黒沢の真剣な想いに心を大きく動かされたシーン。「安達のはじめてが、全部俺なんて 絶対、絶対、全部大事にするのに。」という黒沢の心の声を鈴木さんが実演し、会場からは大きな拍手が沸き上がります。
続いて第5話、黒沢から安達への告白シーンを紹介。こちらは奥田佳子監督と佐藤さんのベストキュンシーン。監督からは「黒沢の震える声に胸が締め付けられました。最後のエンディング曲(マジカルラブ(黒沢ソロ ピアノ Ver))でうるっとしました。」とコメントが寄せられ、佐藤さんは「キュンキュンが止まらん!」と感情を溢れさせて、黒沢の心の声と実際に溢れ出るものが二重に伝わると熱く語りました。
こちらの告白シーンの演技に関して鈴木さんは、シンプルに難しいけれど台詞と心の声の録る順番を分けたので、黒沢がどう思いながら告白しているのか自分でも整理することができたと収録時の背景を明かしています。
付き合ったあとの電話に実感がわいてくる⁉︎
第6話では小林さんのベストキュンシーンでもある、安達から黒沢への告白シーンをピックアップ。普通のラブコメだったら終盤に来る展開だけど中盤で来たことにもドキっとしたと小林さんは話し、付き合ってから初めて電話越しに会話するシーンについても深掘りしていきます。
付き合う瞬間は実感がわかないけど、付き合ったあとに「おやすみ」「また明日ね」など電話で話したりすると実感が伴ってくると語る小林さんの隣で、「言葉にして紐解かれるとニヤニヤしちゃう」と言いながら鈴木さんも同意。
電話だと心が読めない。ラブコメでは当たり前の、相手の考えていることが分からないという状況が初めて第6話で描かれるといった話にも熱が入ります。相手の心が読めるという前提があったけど付き合って初めて読めない状況に「これいいですね〜」と小林さんが唸る場面も。客席の皆さんも一連の話に共感し会場全体の気持ちがひとつとなっていました。
また、音響監督を務めた宮村優子さん、藤崎 希役の小清水亜美さんからベストキュンシーンについて長めのコメントが寄せられたのですが、要約すると「キュンとするシーンが多すぎて選べない!」とのこと。さすが『チェリまほ』を愛するおふたりの圧倒的熱量が伝わる一幕となりました!
絵画【洗濯物を干す天使】……⁉
続いてのコーナーは「魔法使いになって心の声を読んでみよう選手権」。豊田先生による貴重な描き下ろし「とあるシチュエーションのイラスト」を見てキャラクター(昼の部のイラストでは黒沢)の心の声を予想し、豊田先生が提示した正解と一番近い人が本日の「最高の魔法使い」に選ばれるという企画。
公開されたイラストには、洗濯物を干す安達を後ろから見つめる黒沢が何やら衝撃を受けている様子が。キャスト陣は安達が干そうと手にしているパンツに大注目していましたが、正解は「絵画【洗濯物を干す天使】……⁉」でした!
一番自信がありそうだった鈴木さんは見事に不正解。何をしていても安達は可愛いと感じている黒沢の真髄を理解していた佐藤さんが「最高の魔法使い」として称えられました。
資料室のキスシーンをたっぷりと語る
再び「チェリまほプレイバック・ベストキュンアワード」のコーナーへと戻り、後半の第7話〜最終話(第12話)のシーンを振り返っていきます。
第7話、黒沢が安達との初デート中に心の中で歌っていた黒沢優一作詞作曲「デート」についての話題も大盛り上がり。鈴木さんからは、アフレコでついでに録ったわけではなく「デート」だけでレコーディングスタジオに行って録ったという裏話も。
そして第8話では、会社の資料室で安達が心を読めることを黒沢に打ち明けており、会場ではその後のキスシーンの映像が流れました。会場ならではの音響で皆が見守るなか、黒沢が安達の耳に触れながら「もっと触れたい」と思っている瞬間の場面で、鈴木さんから突然「耳、良いよね…」と心の声が漏れてしまった一幕も。
奥田監督と小林さんはこちらのキスシーンをベストキュンシーンとして選んだそう。監督からは「視聴者の方々に満足してもらえるようにたっぷり尺をとってみたら、結構恥ずかしいくらい長かったですね」といったコメントが寄せられています。
息遣いがどれくらい使われているのか、どのくらいクリアに聴こえるのか、アフレコの際には分からなかったと言う小林さんは、「劇場で聴いてもそうですけど、スゴイね! 息がしっかり聴こえるんだ」と嬉しそうな様子。
さらに「無音がいいのよね」と鈴木さん。そしてオフィスでの壁ドンされる側とする側を体の動きで表現してくれた小林さんは、キスシーンの話題を通して「ちょっとね体温(気温)が上がったんじゃないですか」と朗らかな笑顔を見せていました。
柘植&湊の関係にもキュン
第9話は安達に長崎への転勤の話が舞い込み、黒沢と離れてしまう安達の不安、黒沢が安達に感情をぶつけるシーンを振り返ったあと、湊と六角が仲直りするシーンも話題となり柘植の優しさや人間らしさにも触れました。
第10話に関して、佐藤さんは夢追い人である湊と、ある程度夢をかなえている柘植の関係性について語ります。
さらに柘植がバイクで湊をオーディション会場まで送り届けるシーンをベストキュンシーンとして選んだ柘植役の古川さんからは、「凄まじい行動力。ピンチに駆けつけるヒーローのごとく。単純にかっこいいですよね。」とコメントが届きました。
続いて第11話、白井さんがベストキュンシーンとして選んだ柘植から湊への告白。夢を追うことを諦めるなと言っていた柘植に、今回は湊の方が「諦めが早すぎんだろ」と返すところがエモいと白井さん。
佐藤さんは、柘植と湊は追いかける夢が違っても想いや信念は一緒だったんだなというところが素敵だと、柘植と湊への思いを噛み締めていました。
『チェリまほ』は登場人物たちの成長を描いたヒューマンドラマ
最終話、安達と黒沢のプロポーズシーンの映像を会場の皆で見守り、プレイバックのコーナー全12話を駆け抜けた総括として4人のキャストが順に思いを述べました。
今回いちからアニメを見直したという白井さん。オーディションの際に「この作品は登場人物たちの成長物語を描いたヒューマンドラマ(物語)です」といった説明が書かれており、改めて本当にそうだなと胸にくるものがあると話しました。佐藤さんは夢を追いかける湊に共感したり考えさせられることもあり、自身のことも振り返る機会となったそう。
鈴木さんはどれだけ完璧に見える人でも欠点や苦手なことがあるので、魔法という良いスパイスがあるなかで人間のリアルが描かれていて共感もできる素晴らしい作品であると語り、黒沢に向けて「おめでとう」とお祝いの言葉も。
小林さんは原作漫画や実写ドラマでの話題性があったなかでのアニメ化だったので、アニメならではの魅力を引き出せたらと制作陣一丸となって取り組み、多くの方に愛される作品になって本当に嬉しいし良かったと締めました。