音楽
LiSAがアニメ『ニーア オートマタ』OP「ブラックボックス」に込めた“感情”とは/インタビュー

アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』第2クールOP「ブラックボックス」発売を記念し、LiSAさんにインタビュー! お気に入りは作品の世界観を落とし込んだ“星”のフレーズ|キタニタツヤさん作詞作曲のカップリング「洗脳」は、史上初の「お前」と呼びかける曲!?

2024年8月21日(水)に発売されたLiSAさんの22枚目のシングル「ブラックボックス」。

表題曲は、現在放送中のアニメ『NieR:Automata Ver1.1a(ニーア オートマタ)』第2クールOP主題歌で、仲間を失い地球に残されたアンドロイドの絶望・困惑・怒りなどの感情をエモーショナルに歌った楽曲となっています。

カップリング曲は、「ボートレース2024」TVCMタイアップソングであり、スピード感のある「MAKE A MiRACLE」と、アニメのみならず幅広いシーンで大活躍中のキタニタツヤさんが作詞作曲を手がけたロックナンバー「洗脳」の2曲。

そんな3曲3様の魅力が楽しめる「ブラックボックス」の発売を記念し、インタビューを実施!

各楽曲の聴きどころやこだわりはもちろん、MV・ジャケット撮影時のエピソード、そして、9月14日(土)からスタートするライブツアー『LiSA LiVE Smile Always〜COCKTAiL PARTY〜SWEET&SOUR』について、たっぷりとお話を伺いました。

 

 

「ブラックボックス」は、2Bたちが持つせつなさ、悲しさ、苦しさを感じられる楽曲

――まずは『NieR:Automata』の原作ゲームに触れてみての感想をお聞かせください。

LiSAさん(以下、LiSA):『NieR:Automata』はビジュアルやゲームの中の世界の絵や背景の描き込みがすごくて、最初に「映画かな?」と思うくらい、美しい世界だったので、そこにすごくひかれました。

あとは、周りにいる『NieR:Automata』好きの人が私にいろいろ教えてくれて、物語の展開を知っていくにつれて、すごく残酷だけれど、私が生きている社会の中でも大事な、考えるべきテーマだなという想いが強くなっていきました。

 

 

――侵略してきたアンドロイド生命体を撃退するために作られたアンドロイドが感情を持つようになって、「何のために戦うのか」と悩み困惑する姿はせつないですね。

LiSA:ツライですよね。人間が戦闘兵器としてアンドロイドを使って、自分たちは安全な場所にいるという構図は、私たちの社会にも置き換えて考えることができると思うんです。自分がアンドロイド側なのではないかと思う人や、アンドロイドのことを考えてツラくなる人がたくさんいるんじゃないかなと。

――アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』第1クールの印象はいかがでしたか?

LiSA:私が知っている『NieR』とは話が変わっていて、ゲームでは感じられなかった「ヨルハ機体」と呼ばれる彼女たちの表情や心情など、もう少し細かいところまで入り込めるようになっているのがアニメだなと思いました。第2クールが始まるのが楽しみでした。

――『NieR:Automata Ver1.1a』第2クールのOP曲「ブラックボックス」は、第1クールのED曲を担当されたamazarashiの秋田ひろむさんが作詞・作曲されていますが、秋田さんに任せることになった経緯を教えてください。

LiSA:amazarashiさんがゲームの『NieR:Automata』のときに、作品の世界に寄り添った楽曲を作られていて、amazarashiさんと『NieR』の相性はピッタリだなと感じていました。

なので私が第2クールのOP主題歌を担当させていただけることになったとき、『NieR』を一番理解して、寄り添った楽曲を作ってくださるのはやっぱりamazarashiさんかなと思い、ダメ元でお願いしました。

 

▲amazarashiさん

▲amazarashiさん

 

――アニメの制作サイドから、オーダーはあったのでしょうか?

LiSA:秋田さんが楽曲を作ってくださるならお任せします、というメッセージをいただきました。

――「ブラックボックス」の音源を初めて聴いたときの印象をお聞かせください。

LiSA:『NieR』の世界観に寄り添っているし、2Bたちの物語の中では感じられないけれど、絶対に思っているであろうせつなさや悲しさ、苦しさなどをこの曲から感じました。

彼女たちの心臓のことを「ブラックボックス」と言うんですが、それに重ね合わせて、人の心のことを歌っているような感覚になったし、秋田さんもきっとそこに重ねて作られたのだろうなと思っています。

――これまでのアニメのOP曲として、こんなにせつない曲はなかったような気がします。

LiSA:『Fate』シリーズ(TVアニメ『Fate/Zero』のOP曲「oath sign」はソロデビュー曲)の世界観と似たものを感じるんです。機械生命体……『Fate』ではサーヴァント、人間に近い存在ではありますが……それらを操って戦わせる、せつなさや悲哀が『NieR』にも感じられて、そこにより冷酷さが加わった苦しさをこの曲から感じました。

――Aメロの困惑や絶望感から、サビでのやり場のない怒りが爆発したような歌い方にも心を揺さぶられました。

LiSA:自分がこういう楽曲を歌うときは、自分で一度かみ砕いて、設計図を持ちながら歌っていくんですが、この曲では設計図通りではなく、自然な表現をしていくうちに、後半に向けて感情を爆発させるようになりました。

 

 

自身にとって挑戦となった「訥々とした表現」。作品の世界観を落とし込んだ“星”のフレーズがお気に入り

――歌うときに特に意識した点はありますか?

LiSA:Aメロの訥々(とつとつ)としているメロディと言葉の置き方がとても好きで。やり場のない感情を、ひとり言をつぶやくように、そしてどこに向かって歩いていったらいいのかわからない、せつなさや悲しさみたいなものと、あとは孤独感などを表現していくわけですが、私は感情を「わかってくれ!」と歌に込めがちなので、そうではなく歌で訥々と表現していくことが私にとっての挑戦でした。

――秋田さんからの反応はいかがでしたか?

LiSA:公式サイトに寄せたコメントにて「LiSAさんの歌声で、2Bが見る無情な世界の情緒と感傷がより彩度を増して表現できたと思います」とおっしゃってくださって。それを見て秋田さんは、女性の声で再生されること、2Bの目線でこの楽曲が歌われることを思って書かれたんだなと改めて思いました。

――お気に入りのフレーズを教えてください。

LiSA:気に入っているところばかりですが、一つ挙げるとすれば、教えのように与えられた気がした「あらゆる悲しみは星を目指す」です。

「ブラックボックス」というタイトルで、『NieR』に寄り添った楽曲を秋田さんが意識的に作ってくださったんだろうなと感じた理由の1つに、『NieR』の世界観の中での星と地球の距離、宇宙の距離や引力みたいなものを楽曲に落とし込んでくださったところで。「あらゆる悲しみは星を目指す」は、亡くなった方が星になると言われることと似ていて、悲しみの気持ちも星になっていく……願いという意味の星かもしれないし、希望の光という意味の星かもしれないし。

“星”が何なのかは明示されてはいませんが、私の感覚としてはいつも自分を見守ってくれるものなのかなと。このフレーズにはいろいろな意味が込められているんじゃないかなと感じました。

 

 

――そのサビの始まり「壊してくれ その腕で 何度でも名を呼んで」からが特に心に響きました。キャッチーだからループしたくなるのではなく、苦しみや悲しみの感情を突き刺されたからこそ何度も聴きたくなるなと。

LiSA:アニメの第1クールから視聴されている皆さんには、この曲を聴いていただくことで、作品のメッセージがより明確に感じられるし、もっとせつなくなっていくので心にぐっと刺さるはずです。第2クールの最終話を見終わった後に聞いたらきっと泣いてしまうと思います。

人の心に触れたいけれど、触れられない優しさや繊細さを持っている皆さんは『NieR』の世界を知らなくても、この曲を聞けばきっと心に染みたり、共感していただけると思います。『NieR』ファンの方も『NieR』未体験の方にも聞いていただきたいです。

 

 

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