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『黄昏アウトフォーカス』江口拓也&斉藤壮馬インタビュー

クズなりの考えがある礼と、真っすぐ過ぎる詩音。第8話から始まるふたりの世界――『黄昏アウトフォーカス』稲葉 礼役・江口拓也さん、吉乃詩音役・斉藤壮馬さんインタビュー|詩音の膨大なセリフ量に「見とけよ! 拓也!」「見てたよ。拓也は(笑)」

詩音はコロコロ変わる表情のメリハリ、礼は斉藤さんが積み上げてきたものをうまく表現

――お互いのお芝居の印象をお聞かせください。

斉藤:(江口さんを見ながら)いっぱいしゃべってもらっていいですよ。「かわいい」って。

(全員爆笑)

江口:確かにそこも重要で。演じている時に「かわいい」って思わせてもらえると、こっちもやりがいがあるし。詩音のところどころで垣間見えてくる繊細さや強い部分も壮馬がしっかり演じていて、かわいらしさを感じるので、礼を演じる身としても演技に熱が入りました。(土屋真央役の)松岡(禎丞)くんも壮馬をすごく絶賛していました。

斉藤:怖かったですけどね(笑)。一緒に収録していた時に詩音がいっぱいしゃべっていて、それを聞いた禎丞さんがぽつりと「縛りたいな」とつぶやいて。

江口:縛りたくなる声らしい(笑)。

斉藤:急に禎丞さんのスイッチが入ったようで(笑)。詩音をかわいく見せるシーンもあると思いますが、詩音本人は自分の目標に向かって、真っすぐ進む姿が他の人から見て魅力的に映るんですよね。ぶりっ子にはし過ぎないようにしようと思いました。でも第9話以降で描かれる、口数の少ない礼がボソッというひと言が絶妙に詩音の心を揺さぶってきたりして。

また、もっとドライかと思いきや、「何でずっと後ろについてくるの?」みたいに意外なところもあって。それは礼が頭でいろいろ考えているからこそ、口数が少なかったり、アクションが乏しいように見える人がふと見せる、そうじゃない部分が魅力的です。

詩音はハキハキしゃべるタイプですが、礼はダウナーな感じなので、拓也さんのお芝居も二次元的ではなく、立体的な感じがしてとても好きです。そう思いながらドラマCDを録っていましたし、今回のアニメでもより感じました。

――詩音のセリフ数が圧倒的に多くて、詩音8:礼2くらいに感じました(笑)。

江口:本当にそうですね(笑)。壮馬が見事でした。詩音が初登場したシーンなんて、ずっとしゃべりっぱなしだったので、Aパートが終わった時に壮馬を見たら、まるでサウナに入ったようで(笑)。

斉藤:周りの方からも「今日、雨でしたっけ?」と言われました(笑)。

江口:ぜひ壮馬の熱演をアニメで視聴していただきたいなと思います。

斉藤:ありがとうございます(笑)。

――演じてみて楽しかった部分と難しかった部分を教えてください。

斉藤:難しかったのは、詩音はセリフ数がすごく多いし、表情もコロコロ変わるので、そのメリハリをしっかりつけていかないと、ただ騒がしいだけの人になってしまう気がして。だから一つひとつの感情や言葉は丁寧に出していこうと思いました。でも今回は二人共、収録が終わった後、「楽しかったな」「いい話だったね」と自然と言い合って。僕らはシャイなので(笑)、いつもなら自分の中にじんわりと大切にする感じなのに。たぶんそれは作品の力なんでしょうね。

江口:ドラマCDの時は頭の中で考えながら収録していましたが、アニメになると収録中に絵を見せてもらえて、感動が一つプラスされました。「ここに音楽も付いたら卑怯だよ~」というシーンも散りばめられていて。まだ色が付いていない状態でそう感じたので、完成版は絶妙なテンポ感と伝えたいことがうまく一つにまとまっているんじゃないかなと思います。

あとドラマCDだったら、見せたい部分や立たせたい部分までゆっくりもっていく表現法で聞かせていきますが、アニメは尺が決まっている以上、見せたい部分や立たせたい部分に情報も詰め込む難しさがあって。でもそこは壮馬が全部やってくれたので(笑)、僕は壮馬に頑張って積み重ねてもらったものを、ボソッとひと言だけどその一言が大切ということを見失わないようにと。

そこを僕がうまく表現できなかったら、壮馬が積み重ねてくれたものが台無しになってしまうというプレッシャーはありました。

第8話からは我々の世界で勝負!

――今回のアフレコで、ドラマCDの時とは違うなと改めて発見できたことはありますか?

江口:ここの二人というよりは、アニメではみんなで録るからこそ、部活動の雰囲気みたいなものを感じました。ドラマCDの時は二人で収録しましたが、今回は青春真っ只中にいる人間の一人として、他の皆さんの声を聞きながらやれたので、初めて掛け合っているところを見られたことで、より一緒に作っている感がありました。キャラたちに囲まれながら「二人の物語をやるぞ!」という気持ちで挑めたので、より青春感が出たんじゃないかなと思います。

斉藤:確かに。礼と(菊地原)仁のシーンはおもしろかったですね。というより仁がおもしろくて。

江口:そうなんだよ! カッコいいけどおもしろキャラなんだよね。

斉藤:顔も「ここまでやるんだ!?」って。

――他のキャラと一緒のシーンや掛け合いも盛り上がったのでは?

江口:盛り上がりましたね。ガヤをやっている時もみんな楽しく。

斉藤:楽しくやりましたね。

江口:アニメは、ガヤを録っている時が楽しいから(笑)。まじめにやる人もいれば、何しゃべっているのかわからない人もいて。

斉藤:しかもかなり大きい声で。

江口:「これでまたNGになったらどうすんだよ(笑)」とか言いながら。

斉藤:僕はメインの3組の中では一番最後に収録に参加したので、皆さんのお芝居の全体の雰囲気を聞いて、かなりナチュラルにお芝居をされているんだなと。だから詩音もドラマCDの時よりもっとナチュラルにしたほうがいいかなと思いました。でも演出を見るとたぶんそうではないんじゃないかなと思ったので、いったんドラマCDで感じたまま向き合ってみようと、改めてアプローチし直すことができました。皆さんのお芝居を聞けたことが大きかった気がします。

印象的だったのは段々クライマックスに向けて物語が動いていく中での礼のモノローグ。あと、普段、僕らが声を収録する時はポップガードというノイズ防止の機材をマイク前に付けていますが、ポップガードをはずして録ったシーンがあって。

江口:マイクに極力、近づいて……。

斉藤:マイクをなめてましたよね。

江口:そうそう(笑)。なめるようにセリフを言うシーンがありました。

斉藤:たぶん僕らが想像している効果が発揮されたら、めちゃめちゃいいシーンになると思います。

――礼は第8話以前のお話にも登場していましたが、第1~4話の真央と寿のエピソードはシリアスな雰囲気でした。反面、礼と詩音のエピソードはすごくコミカル寄りでギャップがすごいですね。

江口:第8話からは我々の世界で勝負していくぞという決意が固まりました(笑)。モノローグの雰囲気や世界観がここまでガラっと変わると、ある意味ぶちかませるなと。もちろんそれぞれのパートナー同士のお話を楽しんでいただきたいですが、礼と詩音のお話は他のカップルとは違っているので、いろいろな味が楽しめる『黄昏アウトフォーカス』っていいなと思ってもらえる1クールになると思います。

だから僕らの後もまた雰囲気が変わって、「これは本当に同じ作品の流れなの?」と困惑する皆さんの反応が楽しみです。

――あと詩音は基本的に明るく元気なキャラですが、話が進んでいくうちに悩んだり、シリアスになるシーンもありますね。どのように演じ分けされているのでしょうか?

斉藤:今回に関していえば、1カット変わると詩音の感情もガラッと変わっていることが多かったので、すべてを繋げるというグラデーション的な方法だけではないアプローチをしています。例えば、まず詩音のポエムから入って、モノローグに繋がりますが、元気にしゃべっていることもあるので、すべてを一繋ぎにする必要はないかなと。

だから大変ではあるけど、信頼して任せていただいている以上、それを完遂するのが自分に与えられた役割だと思って。でも楽しかったですよ。だってこんなにたくさんしゃべれることって、なかなかないですから。

江口:確かに、アニメでは中々ないセリフ量だよね。

斉藤:だから「見とけよ! 拓也!」と思いながらやっていました。「見とけよ! 俺の勇姿を!」と(笑)。

江口:見てたよ。拓也は(笑)。

斉藤:拓也さんは、詩音の初登場回(第8話)のテストを終わった時に、「お疲れさまでした」と言ってくださって。

江口:すごい熱演だったので。相当練り上げないとできないと思うし、アフレコでは人間的に不可能なタイミングでセリフを言う時、後で別録りすることもありますが、ほとんど別録りがなくて。「ここは別録りしたほうがいいんじゃないかな?」と思ったところも、ディレクターから言われなかったら、「はい。じゃあやります」と。「こいつ、言ったな。かます気だ」と(笑)。そういうのも見ていて楽しかったです。

斉藤:僕も楽しかったです(笑)。

(C)じゃのめ・講談社/「黄昏アウトフォーカス」製作委員会
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