宇宙ステーション・ロムルスへと踏み出した6人の若者たち。どんな逆境にも立ち向かっていく、レインの“芯の強さ”を表現したい――『エイリアン:ロムルス』日本語吹替版 レイン役・戸松遥さんインタビュー
レインとシンクロして、ロムルスに乗り込むような感覚
ーーアフレコでレインを演じてみての感想をお聞かせください。
戸松:アンディと冗談を言い合うシーンもそうですが、前半で等身大の少女らしさが描かれているからこそ、後半の戦闘シーンもより新鮮に演じられました。「ここで息を吸う」など、レインと同じ気持ちになって演じました。
ーーレインと一緒に“ロムルス”へ乗り込んでいくような気持ちだった?
戸松:本当にそんな感じでしたね。最初は、普通の女の子というところからスタートして、演じる中でも「力強さを抜いてください」と言われるくらいだったんです。様々な困難を乗り越えた後のラストシーンは、私自身もひとつの戦いを終えたような感覚になりました。
ーーレインを演じているケイリー・スピーニーさんのお芝居は、どのように映りましたか?
戸松:やっぱり目の力強さは印象的でした。例えば、子どもたちに襲われているアンディを助けるシーンでは、アンディに対する愛情が詰まったお芝居をされていて。そこは音をしっかり聞きながら、可能な限りその感情を表現できるように意識していました。
ーー後半は緊迫感のあるシーンも多いですよね。追い詰められている時の吐息や反応などは、どうやって演じているのでしょう?
戸松:レインと同じようなリアクションを実際にしながら演じました。音が乗らない程度に走ったり、レインと同じような表情をしてみたり……。ひとつのシーンを録るごとに、頭がクラクラして酸欠になりそうでした。
ーー本当にレインとシンクロしながら演じていたのですね。
戸松:元々、動かず演じるというのが苦手なんです。それでノイズが乗ってしまって、たまに怒られています(笑)。キャラクターと同じような顔や動きを真似るのはよくやりますね。
ーー役者さんのお芝居に声を当てる吹替とアニメでは、演じるうえでの考え方が異なる部分もありそうです。
戸松:ある程度自由があるアニメに対して、吹替は原音のお芝居を聞きつつ表現するという技術的な違いがあるので、色々なことに神経を使う瞬間は多いです。耳を傾ける冷静さも保ちつつ、普段の自分ではやらないリップノイズや呼吸のスピードなどを不自然にならないように演じる必要があります。もちろん違う人間なので、例えば、鼻息も自分が普段出している呼吸とは違っていて、「なるほど」と面白く感じるところが沢山ありますね。
ーー戸松さんがきっかけで今作を観る方も多いと思いますが、是非そういった部分にも注目していただきたいですね。
戸松:そうですね。私の吹替のお芝居を聞いたことがない方も多いと思うので、アニメとは表現の仕方が違うお芝居に注目していただけたら嬉しいです。
[インタビュー/小川いなり 文/失野]
『エイリアン:ロムルス』作品情報
2024年9月6日(金)全国公開
あらすじ
人生の行き場を失った6人の若者たちが、生きる希望を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション“ロムルス”。
だが、そこで彼らを待っていたのは、恐怖と言う名の絶望──寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する “エイリアン”だった。
しかも、その血液はすべての物質を溶かすほどの酸性のため、攻撃は不可能。
宇宙最強にして最恐の生命体から、彼らは逃げ切れるのか?
広大な宇宙の密室で起こる究極のサバイバル・スリラーを、映画館で体験せよ!
キャスト
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