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桜日梯子が『だかいち』で大事にしている“即堕ち2コマ”的な要素|シリーズ累計500万部突破記念インタビュー

「東谷くんも高人さんと恋仲になっていく過程で覚えていった感情がたくさんあるので、人間味に変化があったと思います」――『抱かれたい男1位に脅されています。』シリーズ累計500万部突破記念:桜日梯子先生インタビュー

「『だかいち』で大事にしたいところは“即堕ち2コマ”的なところです!(笑)」

――そういった見せる工夫がされていたのですね! 現在、既刊9巻まで発売されており、最新の雑誌連載(第10巻収録予定)では「同棲編」が描かれていきますが、こちらでこだわって描いているポイントは……?

桜日:第9巻は遊園地で改めて告白し直した後なので、今後はできれば恋愛を丁寧に描いていきたいと思います。ですが、基本的にこの2人は一般的に見たらちょっと「恋愛不適合者」みたいなところがあって……(笑)。

――(笑)

桜日:恋愛不適合者同士の初恋という括りで、この2人の同棲はかなりハードルが高いことなんじゃないかな? 恋愛をしてきた人だったら譲り合ったり、お互いに擦り合わせていくことができると思いますが、同棲を始めた今も既に、片や嬉しくて仕方がない東谷くんと片やどう接していいのか分からない高人さんがいて。
 
ありきたりではありますが「同棲したらこういうことあるよね」みたいな部分が、この2人だとどういう風になるのか。やっぱり、同棲をすると物理的にもより近しくなってしまうので、すれ違いも顕著に見えてしまうものだと思います。恋人としても役者同士としても、一緒に暮らしていくという現実的な問題を2人がどう擦り合わせていくのかを描いて、またその後の布石になればいいなと思っています。
 
あとは、『だかいち』で大事にしたいところは「即堕ち2コマ」的なところです!(笑) 1話の中で問題がぽんっと出て、すぐにオチがつくという流れは、『だかいち』だからやっておかないと、と思っています(笑)。
 
『だかいち』の芸風だからできるスピード感が多分あると思うので、じっくりやらずにぽんっと問題を次々と出していきたい。シリアスな難しい問題もありつつラブコメをさせたい気持ちもあるので、第10巻は恋人と役者としての問題をクリアしてほしいですね。

桜日先生が好きなBL設定は……「受けのスペックが高いこと」!

――続いては、先生ご自身について。お好きな設定やカップリング、属性の傾向のようなものを伺えればと思います。

桜日:(しみじみとした声色で)……大事ですね。BLを描くにあたっても大事ですよね。みなさんもうお分かりかと思いますが「受けのスペックが高いこと」です! あとは「顔良し」ですね。
 
(受けの)スペックが高い方が落とし甲斐があるなと感じていて。私の作風だと攻めに動いてもらわないと話が進まないところがあって、「攻めが“こいつを落としたい”」って思う受けじゃないと、私の中の攻めが動いてくれないんです(笑)。そんな攻めが動いてくれて、(受けを)落とす時の反応とかは描き甲斐があります。
 
スペックが高かったり、攻めを突っぱねる力が強ければ強いほど、親密な関係に至るまでどんな力技でいくかとか、どんな作戦でいくかをよく考えたり。受けの、落ちる前と後のギャップが好きですね。落とされた時の受けを見た瞬間にカタルシスが生まれて、「良し!」っていう。

――(笑)

桜日:フフフ(笑)。何巻続きを描いたとしても、そのシーンは何回も読み直せるシーンだと思います。読み直せるという意味では、恋愛をするにあたって問題がある人も好みです。また、作品としてはそんなに描いていませんが、「年の差」が離れていれば離れているほど良いですね。実は私、美しい老人が好きで……(笑)。

――スペイン編でも美しい老人(東谷の祖父)が踊っていましたね。

桜日:そうですね! セレスさん描くの楽しかったなぁ。老人になっても美しさと色気を兼ね備えているって、「この人、若い時はどれだけすごかったの?!」という衝撃がありますよね。その美しさに加えて、積み重ねてきた知性や経験が重なっているから、ハードルが高い存在なのが良いんです。
 
年齢を重ねていればいるほどハードルが高くて、年齢を重ねているからこその「もう恋愛はいいですよ」みたいな雰囲気の人に、ぶち当たっていく若者の構図が好きです。そんな若者に、それだけ余裕があるような美しい老人がどんどん翻弄されていく姿にはやっぱり色気があるんじゃないかな。
 
BLというジャンルに限らず漫画を読んでいても、美しい老人が出てくると、「すごい! 居た! 美しい人が居た!」とお宝を見つけた気分になります。描いてはいませんが、こういう癖はいつも心の底に抱えています(笑)。いつかもし私がそういうものを描いていたら、「お、来たか」と思っていただけますと幸いです(笑)。
 

右:東谷の祖父・セレス

右:東谷の祖父・セレス


 

――(笑)。先ほど、落とし甲斐のある受けがお好きだとお話しされていましたが、プロット作業や創作する際も攻め目線で考えることが多いのでしょうか? どういうふうにお話を作られているのか気になりました。

桜日:特に濡れ場とかになってくるとかなり攻め目線で、攻め目線から見てどれだけ受けをみなさんに萌えさせるかということを考えます。
 
基本のプロットとしては、キャラクターが抱えている問題点や悩み……例えば、キャラクターの性格的な問題や抱えているものが見えてくると、それを解決できるような場を設けるようにしています。
 
それは全体を通して1つの章として描くようにしていて。今やっている連載でいうと「同棲編」という場を設けて、そこで露わになっていく問題点を解決させていこうと思っています。まずはキャラクターの問題ありきで、解決するならどんな場を設けるかという大まかな所からプロット作業が始まり、その中で出会う人や演目など、付随する細かな設定を後から考えていく、といった流れです。
 
なので、1章分の起承転結を簡単に考えて、コミックス収録を踏まえ大体5話ぐらいでストーリーを割っていき、またその中で起承転結を考えるみたいな感じですね。
 
もちろん、「こういう場面が描きたい」という着想から始まる場合もありますが、私はストーリーよりもかなりキャラクター優先で描くタイプで、私自身が描きたいものがあっても、キャラクターがそこに行き着かない時があります。
 
私の描きたいものとキャラクターの人物像が合わないと感じたら、うまく進まないのですが、逆にそこが合致した時はすごく気持ちよく描いています。なので、まずはキャラクター優先で、「この人物だからこういうストーリーになった」というタイプの描き方ですね。
 

(C)Hashigo Sakurabi/libre
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