星馬烈役・渕崎ゆり子さん、星馬豪役・池澤春菜さん、監督・アミノテツローさん、キャラクターデザイン・高見明男さんが登壇した『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』シリーズBD-BOX発売記念イベントレポート|今語られる制作当時の思い出
『月刊コロコロコミック』で連載されていた、こしたてつひろ先生のコミックを原作としたTVアニメ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』。
1996~1998年にかけて放送され、今もなお多くのファンに愛されているミニ四駆の第2次ブームを巻き起こした伝説的な作品ですが、2024年8月24日にはそのBD-BOX発売を記念したイベントが東京・アニメイト池袋本店にて開催されました。
ここでは、当時のキャストとスタッフ陣が登壇して行われた生オーディオコメンタリーと共に、貴重な裏話が語られたイベントの模様をお届けしていきます。
出演
渕崎ゆり子さん(星馬烈 役)
池澤春菜さん(星馬豪 役)
アミノテツロー監督(『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』『爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP 暴走ミニ四駆大追跡!』監督)
高見明男さん(『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』『爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP』キャラクターデザイン)
第25話の生オーディオコメンタリーでは様々な裏話が語られる
イベントが始まると、渕崎さん、池澤さん、アミノ監督、高見さんの4名が登壇。最初の挨拶では、渕崎さんと池澤さんが久しぶりにファンと一緒に『レッツ&ゴー!!』のイベントに参加できる喜びを明かしつつ、お馴染みの「いけ、ソニック!!!」「かっとべ、マグナム!」を当時と変わらぬ声で届け、客席を大いに沸かせます。
一方、BD-BOX用に描き下ろされたパッケージイラストについて「3回描きましたけど、どれも当時の絵が描けない」と打ち明ける高見さん。線画の段階では当時の絵に寄せられたと感じていたものの、いざ塗りが入るとまったく違う印象になっていたそうで、とくにJが当時よりも色っぽく見えるという話題は、池澤さんたちの間でも盛り上がっていました。
その後は、今回のイベントのメインコーナーとも言えるキャスト・スタッフ陣による生オーディオコメンタリーへ。
今回上映されることになったエピソードは、最初のTVシリーズである『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の 第25話「サマーレース開催 ミニ四駆の熱い夏!」。日本一のミニ四レーサーを決める、グレート・ジャパン・カップのサマーレース初戦を描いたエピソードとなっています。
上映前には、池澤さんが第25話のあらすじを読み上げる一幕もあったのですが、用意されていたあらすじを豪本人が読み上げているかのように、単語や表現をアドリブで置き換えるというファンサービスで会場を沸かせ、オーディオコメンタリーはスタートします。
上映が始まると、まず第1期OPの「ウィニング・ラン! ~風になりたい~」の名曲っぷりでキャスト陣が盛り上がる中、アミノ監督がOPのラストカットで映っている佐上ジュンに言及。このカットのジュンは、いつものスパッツを履いていないように見えるのですが、実はこれは描き忘れだったことが明かされます。
豪たちの横顔が映ると、特徴的な鼻の形状や、耳が大きいデザインについても話題が及び、ネズミっぽさを意識してデザインされていたことが高見さんの口から明かされたのですが、これはアミノ監督にとっても初耳だったのだとか。
黒幕とも言える大神博士についての言及も何度かあり、車検がなくなったからとビークスパイダーのような危険なマシンを嬉々として投入するのは「大人としていいのか」と疑問を呈し、研究の資金源をどこから得ているのか、アミノ監督自身も謎に思っていたそう。今回のトーク中では、財閥の息子だったり、実家がかなりのお金もちなのではないかという説が上がっていました。
エピソードのラストには、ビクトリーマグナムはゴールである船に辿り着くものの、豪自身は海に落下してしまうというオチがつくと、会場は大爆笑。そのシーンをみていたアミノ監督も「いいよね。子供が海に落ちても普通に続くんだもん」と、おおらかな時代だった当時を懐かしむように振り返ります。
池澤さんと渕崎さんがお気に入りだと語っていた第2期のエンディングは、視聴者の子供たちが描いたミニ四駆イラストが走るカットが入るのも特徴。高見さんによるとこの時代としては珍しいデジタル処理をしていたそうで、客席には実際に番組宛てに描いたイラストを送っていたという放送当時からのファンも来場していた様子でした。