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『キングダム』騰(とう)とは?史実は?性格と「ファルファル」の正体

『キングダム』騰(とう)とは? その能力から、おもしろさまでをご紹介! 「ファルファル」の正体や、史実の騰も調べてみました。

実在の騰

 
 
さて、ここまで『キングダム』の騰を見てきましたが、今度は史実の騰を見ていきましょう。
 

『史記』の騰

戦国時代のことを知ろうと思ったら、頼るべきは『史記』です。
 
『史記』は、前漢 武帝の時代に司馬遷が編纂した約53万字の紀伝体(年代順ではなく人物や国ごとに出来事をまとめた形式)ものです。武帝の時代というのは、前141年から前87年。つまり、秦が滅んでから100年ほどのちに書かれた歴史書ということになります。
 
『史記』の中で、騰が登場するのは以下の文章です。
 
〈十六年(紀元前231年)九月、卒を発し、韓(かん、秦の隣国)の南陽(なんよう、現在の河南省南部から湖北省北部にまたがる地域)の地を受け、内史(ないし)の騰を仮りの守とした。 (中略)
十七年(紀元前230年)、内史の騰が韓を攻め韓王安(あん、韓最後の君主)を虜(生捕り)とし、ことごとくその領地を収め、そこを郡として穎川(えいせん)といった。〉
引用元:司馬遷『史記1 本紀』筑摩書房、1995 /(括弧)の中は筆者の補記
 
「兵を出して、内史の騰が、仮ということで韓の地を治める役職についた。翌年に王様を捕虜にした(韓の滅亡)。そこを穎川という名の郡と定めて、騰がその長官になった」というような意味です。残念なことに、『史記』にはこれ以上の騰の記録はありません。
ちなみに、内史というのは役職名で、首都近辺の郡の長官のことだそうです。
 
『キングダム』のように王騎の副官だったかどうかはわかりませんが、文武に長け仕事ができる人物だったようですね。
 

『睡虎地秦簡(すいこちしんかん)』の騰

騰の形跡は『史記』だけではありません。なんと、騰が穎川の長官時の紀元前227年に発布した行政文書が、現存するのです。
 
その文書とは『睡虎地秦簡(すいこちしんかん)』※1という、秦代の一役人のお墓から出てきた文書群の中にあります。この文書群の中に見られる騰の発布文書は、全体の量のほんの一部ではあるのですが、2000年以上の時を経て騰の生きていた証が出てくるなんて、すごいことです。
 
※1 『睡虎地秦簡』は、1975年に、秦代のいくつものお墓が集まっている土地から発見されたもの。文書といっても、伝記や物語のようなまとまりのある一冊ではなく、たくさんの行政文書の数々である。秦の統治行政の詳細を解明するための一級の史料であると同時に、歴史書の内容に対して“合っているのか、それとも忖度が働いているのか”を判別することができる可能性をもつ史料としても、その価値ははかりしれない。
 
 

<次ページ:アニメで騰を演じていらっしゃるのは加藤亮夫さん>
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