音楽
『ヒプマイ』7連続リリースCD『.麻天狼』レビュー

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.麻天狼』レビュー|抑圧からの解放、それは愛だった【7連続リリースCD連動企画】

観音坂 独歩「Andante」で日々を生きていく

ブラック企業勤めの観音坂 独歩は、社会の小さな歯車として常にストレスを抱え込みながらも、日々を過ごしていました。

しかし、それも昔の話。彼もまた、仲間たちとの出会いによって変化したひとりでした。

毎日を生きるのに「元気ハツラツ!」「気力十分!」とまではいかないけれど、「まぁ、こういうのも人生だよな」とちょっと前を向けるようになりました。それが「Andante」です。

「Andante」とは音楽の速度記号で「歩くような速さで」という意味。毎日を生きるのには決して走る必要はない、少しずつ歩いていけばいい。そんなメッセージを感じます。

特に世の中や自分の周囲の環境が変わったわけでもないのに、自分の考え方や感じ方の変化で見える景色が変わってくる瞬間ってみなさんもあると思います。

それは観音坂 独歩も同じだったのかもしれません。これまで彼は見聞きする物事に何かとストレスを感じていたように思います。

しかし、仲間の存在で自分の生きる目的を自分で見つけていき、周囲からのストレスもあるがままとして受け入れるようになったのでしょうか。

そういった彼の想いはサビに凝縮されています。

<喜ぼうと鏡の前で笑うふりをしたことを 愛情と呼ぶ催眠術に罹ってみたのは 対等でいたいからさ、お前と 響く雑踏を独歩しなくたって構わない、少しは>

これは一二三が聴いたら泣いちゃうよ〜〜〜〜〜!!!

神宮寺 寂雷や伊弉冉 一二三に合わせて頑張って笑ってみようとしたこと、伊弉冉 一二三の優しさに身を任せようと思ったこと、隣を歩いていきたいと思ったこと、これらは全部描かれてきましたよね。

そして、<響く雑踏を独歩しなくたって構わない、少しは>と思えた成長のなんと素晴らしいこと……! そう、生きるのはひとりじゃなくていいんです。

『ヒプマイ』はとんでもない経歴のキャラクターが多いこともあって、カリスマ性で私達を沸かせてくれる存在が多いのですが、こと観音坂 独歩に関しては違っていて、私達と等身大の存在だと思うんです。

だからこそ、彼の成長や変化は私達の心にダイレクトに語りかけてくるんだと、「Andante」を聴いて思いました。

この絶妙な感情を1曲にまとめた「Andante」、本当にいい曲だと思います。

独自の世界観をもった二組の夢の共演

「Andante」の歌詞を担当したのは、小林私。もともと、YouTubeの個人チャンネルを持っていることもあり、現在でもたまに弾き語り配信を行っています。アーティストでここまで配信をやってくれる方も珍しいですよね。

リスナーとの距離感の近さにもご注目。「小林は〜」とリスナーに呼ばれているのがクスッとします。

もちろん、楽曲も素晴らしいの一言。この世界観はなかなか作り出せるものではありません。

TVアニメ『ラグナクリムゾン』2ndクールのエンディングとしても起用されており、話題となりました。

本人も面白い方なのでぜひチェックを!

 
そして作曲を担当しているのがNo Buses。

No Busesのサウンドは懐かしさ、楽しさ、悲しさがないまぜになったような不思議な感覚があるのが特徴だと思います。

ガレージ・ロックな雰囲気ですが、どこか違った印象も受けます。この哀愁が「Andante」にもいい影響を与えているのでしょう。

全てを愛すると誓ったその先は……?

麻天狼のメンバーが見つけたものはそれぞれの形の愛でした。形は違えど、どれも大切なものですよね。

まさか愛の力で世界を変えていこうとするとは……。これまでの他のチームとは全く違うやり方です。

ディビジョンラップバトルがこれから繰り広げられるというのに、愛でどうやって戦うのか? 気になってしかたありません。

麻天狼の今後も見逃せない!!!

[文/石橋悠]

「.麻天狼」商品情報

タイトル

「.麻天狼」

発売日

9月18日(水)

定価

税抜 ¥2,300

収録内容

M1:「威風颯爽」神宮寺 寂雷
作詞 : Micro (Def Tech)・Shinji Hirao (MSL.co)
作曲:Micro (Def Tech)・Nagacho 編曲:Nagacho
M2:「始まりのラストソング」伊弉冉 一二三
作詞・作曲・編曲:The Sopranos(RIMAZI & CITY-ACE)・AK-69
M3:「Andante」観音坂 独歩
作詞:小林私  作曲:No Buses・小林私 編曲:No Buses
M4:Drama Track「Not For You」

パッケージ仕様

初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

CD封入特典

2024年12月22日(日)「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング 麻天狼」@山形やまぎん県民ホール
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

◆メーカー特典の対象店舗はこちら!

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

ヒプノシスマイク ディビジョン別CD 7作品連続リリース決定!

商品名/発売日

「.Buster Bros!!!」/6月26日(水)
「.MAD TRIGGER CREW」/7月24日(水)
「.Fling Posse」/8月21日(水)
「.麻天狼」/9月18日(水)
「.どついたれ本舗」/10月16日(水)
「.Bad Ass Temple」/11月13日(水)
「.中王区 言の葉党」/12月11日(水)

定価

税込2,530円
 

収録内容

M1~3:各ディビジョンメンバーソロ曲
M4:新作Drama Track
 
【パッケージ仕様】
初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

【CD封入特典】
「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング」
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通のグッズ特典となり、特典絵柄がCDごとに異なります。

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

『ヒプノシスマイク』作品概要

西暦XXXX年。
第三次世界大戦により世界は人口の3分の1を失った。
人類滅亡を危惧した権力者たちは武力ではなくディベートによる戦争回避を目指したが、
愚かな男たちは武器による争いを止めることはなかった。
そして西暦最後の年──
既存の世界は女性の手により終わりを迎える。

H歴。
人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」の登場により、戦争は根絶された。
このマイクを通したリリックには人の交感神経、副交感神経等に作用し、様々な状態にする力があるという……。
女性党首率いる“言の葉党“が政権を握り、言葉の力が武力に取って代わった世界で、
男たちはラップで優劣を決するようになった。

H歴3年。
“言の葉党“は拠点を構える中王区にて「ディビジョン・ラップバトル」を主宰する。
優勝したディビジョンは他の領土を獲得できるという確約のもと、

イケブクロ・ディビジョン、
ヨコハマ・ディビジョン、
シブヤ・ディビジョン、
シンジュク・ディビジョン、
オオサカ・ディビジョン、
ナゴヤ・ディビジョン

……など、各ディビジョン代表のMCグループはラップバトルで互いの力を競い合う。

兵器ではなく言葉が力をもつ世界で今、男たちの威信をかけたラップバトルが始まる。

◆公式サイト
◆公式X

【7連続リリースCD連動企画】バックナンバー

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|連載:01
『.Buster Bros!!!』
『.Buster Bros!!!』
|連載:02
『.MAD TRIGGER CREW』
『.MAD TRIGGER CREW』

|連載:03
『.Fling Posse』
『.Fling Posse』
|連載:04
『.麻天狼』
『.麻天狼』

|連載:05
『.どついたれ本舗』
『.どついたれ本舗』

1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。

この記事をかいた人

石橋悠
1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。

担当記事

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